ジョアニー・ロシェット(フランス語: Joannie Rochette, 1986年1月13日[3] - )は、カナダのフィギュアスケート選手(女子シングル)。2010年バンクーバーオリンピック銅メダリスト。2009年世界選手権2位、2006年トリノオリンピック5位。引退後はカナダで医師として働いている[4]
人物
力強いジャンプとエレガントな滑りが持ち味[2]。アクセルを除く5種類の3回転のジャンプをクリーンに跳び分けることができる選手である[5]。
過去には2006年トリノオリンピックで知り合ったスピードスケート選手、フランソワ=ルイ・トランブレーと交際しており、2008年7月からはモントリオールのダウンタウンで同棲していた[6]。
また、安藤美姫やカロリーナ・コストナーとはジュニア時代から一緒の試合に出ていた同年代のスケーターだったため仲が良い。
経歴
1986年1月13日、ケベック州モントリオールで生まれる。6歳でスケートを始めた。カナダ選手権で2000年にノービスクラスを、2001年にジュニアクラスを制し、2002-2003シーズンからはシニアクラスで競技している[7]。2003-2004シーズンからISUグランプリシリーズに参戦し、翌2004-2005シーズンのエリック・ボンパール杯で初優勝。GPファイナルでは初出場ながら3位となり、カナダの女子シングル選手としては1995-1996シーズンのジョゼ・シュイナール以来となるメダルを獲得。同シーズンの2004年カナダ選手権で優勝し、カナダ選手権の3つのクラスで優勝を果たした。
2005-2006シーズン、カナダ選手権で2連覇を達成。トリノオリンピックでは、SPでミスが出て9位と出遅れたが、FSではほぼミスのない演技をして5位入賞を果たした。カナダで開催された世界選手権ではメダルが期待されていたが、SP、FSともにミスがあり、7位入賞にとどまった。
2008-2009シーズンは好調で、GPファイナルこそSPでの出遅れが響いて4位に終わったものの、その前のスケートカナダ、エリック・ボンパール杯で2連勝。カナダ選手権では5連覇を達成し、続く四大陸選手権、世界選手権ではともに大きなミスのない演技で銀メダルを獲得した。カナダの女子シングル選手が世界選手権の表彰台に上るのは、1988年大会銀メダルのエリザベス・マンリー以来21年ぶり。
2009-2010シーズン、カナダ選手権で6連覇を果たし、地元開催となったバンクーバーオリンピック代表に選出された。オリンピックでは200点の大台を超え銅メダルを獲得。閉会式ではカナダ選手団の旗手を務めた。続く世界選手権は欠場した。
2010-2011シーズンと2011-2012シーズンは10月のジャパンオープンに出場したのみで、ISU公式競技会はすべて欠場した。
2012年10月5日、日本で開催された第1回メダルウィナーズオープンに出場し荒川静香に次いで2位となる。
引退後は2015年からマギル大学の医学部に進学[8]。2020年4月に学位を取得し、医師となり、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の期間、ケベック州の介護施設で働く事を明かしている[4]。
バンクーバー五輪での母の死
バンクーバー五輪では女子シングル開幕直前に母親が心臓発作で死去した[9]。母親の死のショックで欠場を本気で考えたが、母の「私はあなたに“強くなりなさい”って言ってきたでしょう」という声が聞こえたという。フリースケーティング後半では力尽きていたが、最後のトリプルサルコウを飛べたのはママが持ち上げてくれたからだと語っている。また「(キム・)ヨナと(浅田)真央にも感謝したい。二人が果敢に3回転-3回転や3回転アクセルに挑んだ姿を見て、私は悲しいことなんか忘れて正直、燃えたわ。ありがとう」とコメントしている[10]。2月27日、バンクーバー五輪組織委員会から、痛みや障害を克服して世界を感銘させた選手に贈る「テリー・フォックス賞」が贈られた[11]。
主な戦績
詳細
プログラム使用曲
脚注
外部リンク
ISUグランプリシリーズ(1995-) |
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名称の変遷:スケートカナダ(1973-現在)/ISUグランプリシリーズ スケートカナダ(1995-現在) |
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名称の変遷:ラリック杯(1987-2003)/ISUグランプリシリーズ ラリック杯(1995-2003)/ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯(2004-2015)/フランス杯(2016)/フランス国際(2017-2021)/フランスグランプリ(2022-) |
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名称の変遷:富士フイルム杯(1986-1987)/ネイションズ杯(1989-1994)/ISUグランプリシリーズ ネイションズ杯(1995-1996)/ ISUグランプリシリーズ スパルカッセン杯(1997-2001)/ISUグランプリシリーズ ボフロスト杯(2002)/ボフロスト杯(2003-2004) |
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