サーフズ・アップ (アルバム)
『サーフズ・アップ』 (Surf's Up) は、1971年にリリースされたザ・ビーチ・ボーイズのアルバム。タイトルは『スマイル』の中核をなす予定であった収録曲「サーフズ・アップ」から付けられた。 概要1970年の秋、『サンフラワー』の商業的失敗の後、ビーチ・ボーイズはカリフォルニアのDJであったジャック・ライリーをマネージャーとして起用した。彼の最初の仕事は、ビーチ・ボーイズと彼らの歌に、政治的・環境的な社会的注目を集めることであった。11月にウィスキー・ア・ゴーゴーで行われた一連の「カムバック」コンサートが好意的に受け入れられた後、バンドは新しいアルバムの製作に着手した。 本作は当初『ランドロックド』というタイトルで、曲目も異なっていたが、ライリーは伝説となっていた「サーフズ・アップ」をアルバムに収録することを要求した。メンバーはそれに同意し、「サーフズ・アップ」はカール・ウィルソンがヴォーカルを担当することで完成させられた。作曲者であるブライアンは「サーフズ・アップ」の収録に難色を示した。『スマイル』崩壊にトラウマを感じ、失敗を思い出したくなかったためである。しかし、ブライアンの嘆願は無視された。 前作『サンフラワー』にてソング・ライターとしての才能を示したデニス・ウィルソンは、映画『断絶』出演のためにほとんど参加せず、曲の提供もしなかった。しかし、カールやアル・ジャーディンがメッセージ色の強いオリジナル曲を提供した。カールは演奏面でも複数の楽器を担当し、マルチ・プレイヤーとしての存在感も示している。なお、カールの作品である「フィール・フロウズ」で聴かれるフルートはジャズ・ミュージシャンのチャールズ・ロイドによるものである。この曲はのちに映画『あの頃ペニー・レインと』のエンドロールに使用され、サウンドトラックにも収録されている。ブルース・ジョンストンはその後多くのアーティストにカヴァーされた甘美な代表曲「ディズニー・ガールズ (1957)」を提供した。 ブライアンはジャック・ライリーにリード・ヴォーカルを取らせ、ヴァン・ダイク・パークスにヴォーカルで参加させた「ア・デイ・イン・ザ・ライフ・オブ・ア・ツリー」と、自身の厭世感を表現した「ティル・アイ・ダイ」を提供してビーチ・ボーイズの新たな側面を示した。 本アルバムは当時の世相にもある程度受け入れられ、『ビルボード』誌アルバム・チャート最高29位を記録した。 収録曲
脚注
外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia