サンジーヴ・クマールの人気が高まると、南インド映画のプロデューサーたちは、彼やラージェーシュ・カンナー(英語版)を主演にして南インド映画のヒンディー語リメイク映画を製作することを企画するようになった。1974年には『Navarathri』をリメイクした『Naya Din Nai Raat』に出演し、1977年には『Kaliyuga Kannan』をリメイクした『Yehi Hai Zindagi』に出演している。このほかには『Chanda Aur Bijli』『Devata』『Swarg Narak』に出演している。1980年代に入ると北インド映画では『Khud-Daar』『Sawaal』『Zabardast』『Hero』『Silsila』など主に助演俳優として活動する機会が多くなったが、南インド映画では引き続きサンジーヴ・クマールを主演に起用したリメイク映画を製作していた。この時期には『Seeta Aur Geeta』『Biwi O Biwi』『Pati Patni Aur Woh』『Angoor』『Hero』などの出演作で、コミカルな演技が高い評価を受けていた[12]。『Charitraheen』『Angaare』『Grihapravesh』『Chehre Pe Chehra』『Sawaal』『Yaadgaar』などの興行成績は振るわなかったものの、批評家からは演技を高く評価されており、またテレビ放送された後には作品の再評価も行われた。サンジーヴ・クマールは型破りな役柄に挑戦することを好み、代表的な例としてはサタジット・レイの『チェスをする人(英語版)』で演じたチェス好きなミルザ・サッジャド・アリー役が挙げられる[13]。彼の代表作には『炎(英語版)』『Trishul』があり、特に『炎』で演じたタークル・バルデーヴ・シン役は彼の当たり役として知られている。
死去
1976年に心臓発作を起こしてアメリカ合衆国でバイパス手術を受けたものの、1985年11月6日に再び心臓発作を起こして死去した。この時点で弟ニクルはすでに死去しており、もう一人の弟キショールも半年後に死去した[6][14]。1993年に最後の作品となる『Professor Ki Padosan』の上映が終了するまでの間、10本以上の新作出演作がサンジーヴ・クマールの死後も上映され続けた。