コア部隊コア部隊(こあぶたい)とは、陸上自衛隊の部隊編成上、教育訓練を主体とする部隊の事を指し、即応予備自衛官制度が発足するまでは各連隊や大隊等に新隊員等教育を担当する教育隊を位置づける観点から編成されていた。現在、広域には即応予備自衛官を主体とする部隊のことを指している。コアの意であるが、師団・旅団(作戦基本部隊)の主戦力を意味するものではなく、平時は指揮官及び幕僚機能といった、運用上最小限の組織(すなわち「核」)を有する部隊のことである。コア部隊の2割が常備自衛官で残りの8割が教育を受ける隊員・即応予備自衛官で構成される。 概要コア化大隊・中隊陸上自衛隊発足初期の普通科は当初、3個大隊基幹で普通科連隊を編成していたが、分割され1個連隊を4個の普通科中隊と1個の重迫撃砲中隊から構成する改編が行われた。この際、多くの中隊において人員充足率が低下したことから1個中隊を通常時は教育を主体に行う教育中隊(コア化中隊)として編成し、その人員を残り3個普通科中隊へ配置させる事で部隊運用のバランスを維持していた。 1980年代後半からのバブル好景気においては陸上自衛隊へ入隊する新隊員が激減し部隊運用に支障が生じてきたことから、大規模なコア化改編がなされ、第4中隊を教育中隊へ特化(特科連隊においては第4大隊など、末番ナンバーの部隊が該当)することで各部隊の充足を図る策が採られた。 2000年代に入り不況の影響から自衛隊志願者が増大すると、今度は既存の中隊では充足率が高まり新規配属や教育訓練での受け入れが困難な事態が生じたことからコア化部隊は順次整理されていった。2018年現在、新入隊員の基本教育は原則として方面混成団隷下の教育大隊が担任している(教育大隊の許容量を超える場合に限り連隊等に臨時編成される教育隊が担当)。 即応予備自衛官によるコア部隊有事に招集される即応予備自衛官を配置する部隊であり、幾つかの師団・旅団では隷下の普通科連隊から1個連隊をコア化、同じ師団・旅団の各職種部隊と協同し(普通科連隊以外にも即応予備自衛官が在籍する部隊がある)、現役隊員からなる部隊と共に第一線の任務に就くことを目的として改編・新設された。 基本的な作戦単位となる師団・旅団において、小規模の教育部隊を多数設置・維持することは運用面・管理面から支障があった。そこで以前から新入隊員(二等陸士での通年採用、現在の自衛官候補生)の共通教育や予備自衛官補の教育、陸曹候補生への初等陸曹教育を担当してきた教育団や教育連隊を方面混成団へ改編した際、師団・旅団のコア普通科連隊をこの隷下とすることで運用面での効率化・合理化を図ることになった。 この施策に伴い、即応予備自衛官の定員は平成16年度に9,000名、平成17年度には15,000名へ拡充された。しかし平成18年度防衛大綱においては7,000名に削減される事となった。更に平成29年度末までに6個師団(第1・第4・第6・第7・第8・第10)及び3個旅団(第5・第12・第13)隷下のコア部隊を廃止した[1]。 なお、平成24年9月に防衛省が公開した「平成25年度防衛予算の概算要求」[2]によると、即応予備自衛官の定員は平成25年度末には7,337名(前・平成24年度末の8,175名と比較し798名減)にまで削減されることとなっていたが、自由民主党の政権復帰を経て新たに示された概算要求資料において平成24年度末定数が維持されることとなった[3]。但し、第7・第10師団の即応近代化改編はこの概算要求資料にも引き継がれ平成25年度末改編において実行された[4]。 即応予備自衛官を主力とする部隊連隊全部がコア部隊である連隊としては次のものがある。部隊名が太字のものは過去にコア連隊として運用されていた部隊であることを示す。
大・中隊規模のコア部隊
補給大隊
弾薬大隊
弾薬中隊
補給大隊・弾薬大(中)隊の沿革
小隊規模のコア部隊施設小隊
施設小隊の沿革
脚注
関連項目 |
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