第1特科団

第1特科団
創設 1952年(昭和27年)10月15日
所属政体 日本の旗 日本
所属組織 陸上自衛隊
部隊編制単位
兵科 野戦特科
兵種/任務 全般砲兵
所在地 北海道 千歳市
編成地 習志野
上級単位 北部方面隊
担当地域 北海道
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第1特科団(だいいちとっかだん、JGSDF 1st Artillery Brigade)は、北海道千歳市北千歳駐屯地に団本部が駐屯する北部方面隊直轄の野戦特科部隊。

概要

北部方面隊全般の火力支援および着上陸を企図する海上目標の撃破を担う戦略部隊。編成当初は野戦特科および高射特科における対ソ連戦を見据えた戦略的機動運用部隊として運用された。長らくの間、陸上自衛隊野戦特科部隊のうち唯一の団編成であり、最大で3個地対艦ミサイル連隊、4個独立特科大隊基幹の2個特科群を有していた。

23中期防以降、部隊の縮小・廃止対象とされており順次隷下部隊の統廃合が進められている一方、防衛力整備計画 (2023)にて西部方面隊隷下の西部方面特科隊(旧第3特科群)が新たに第2特科団へと改組されたため、今後は各種長距離ミサイルを主体とした対地上対艦戦闘における火力戦略部隊の一つとして運用されるとみられる。

沿革

北部方面特科団

  • 1952年(昭和27年)
    • 10月15日:北部方面特科団本部(習志野駐屯地)及び本部中隊(宇都宮駐屯地)、独立第1特科群(習志野駐屯地)が編成完結。
    • 12月10日:北部方面特科団本部(習志野駐屯地)及び本部中隊(宇都宮駐屯地)が札幌駐屯地へ移駐、北部方面隊に隷属。
    • 12月15日:独立第1特科群本部及び本部中隊が習志野駐屯地から千歳駐屯地へ移駐。
  • 1953年(昭和28年)
    • 4月1日:独立第61特科大隊が高田駐屯地から札幌駐屯地に移駐し、隷下に編合。
    • 5月16日:独立第1観測中隊が千歳駐屯地において編成完結。
  • 1954年(昭和29年)1月10日:北部方面特科団航空隊が北千歳駐屯地において編成完結[1]

第1特科団

  • 1954年(昭和29年)
    • 7月1日:陸上自衛隊発足により第1特科団に称号変更。
    1. 独立第1特科群(千歳駐屯地)が第1特科群に称号変更。
    2. 独立第61特科大隊(札幌駐屯地)が第105特科大隊に称号変更。
    3. 独立第1観測中隊(千歳駐屯地)が第301観測中隊に称号変更。
    4. 北部方面特科団航空隊(札幌駐屯地)が第1特科団航空隊に称号変更[1]
    • 8月25日:千歳駐屯地が北千歳駐屯地に改称。
    • 9月20日:第1特科団本部及び本部中隊が札幌駐屯地から東千歳駐屯地へ移駐。
    • 9月25日:部隊新編。
    1. 第1高射特科群本部、本部中隊及び第301高射運用隊が北千歳駐屯地において編成完結。
    2. 第113特科大隊が札幌駐屯地において編成完結。
  • 1956年(昭和31年)1月15日:第4特科群本部及び本部中隊(東千歳駐屯地)が編成完結。第105特科大隊、第113特科大隊を同群隷下に編合。
  • 1957年(昭和32年)11月25日:第301観測中隊が北千歳駐屯地から東千歳駐屯地へ移駐。
  • 1962年(昭和37年)1月18日:部隊改編。
  1. 第1特科団本部及び本部中隊、第301観測中隊が東千歳駐屯地から北千歳駐屯地へ移駐。
  2. 第1特科団航空隊(北千歳駐屯地)が第11飛行隊に改編され、第11師団隷下に編入。
  1. 第1高射特科群隷下の第118特科大隊及び無線誘導標的機隊を団直轄部隊として編合。
  2. 第3特科群第114特科大隊(飯塚駐屯地)を母体として第126特科大隊(67式30型ロケット弾発射機装備)を東千歳駐屯地に新編[2]し、団直轄部隊として編合。
  • 1972年(昭和47年)3月24日:部隊改編。
  1. 第118特科大隊を母体として第4高射特科群名寄駐屯地に新編。
  2. 第1高射団が新編され、第1高射特科群、第4高射特科群及び無線誘導標的機隊等が同団隷下に異動。
  1. 第4特科群(上富良野駐屯地)を廃止。
  2. 第4特科群第131特科大隊(上富良野駐屯地)を第1特科群に編合。
  3. 第306地対艦ミサイル中隊を北千歳駐屯地に新編し、第1地対艦ミサイル連隊に隷属。
  • 2025年(令和07年)3月:部隊改編
    • 第1地対艦ミサイル連隊第306地対艦ミサイル中隊、第3地対艦ミサイル連隊第305地対艦ミサイル中隊を廃止し、第4地対艦ミサイル連隊第2・第3地対艦ミサイル中隊として同連隊隷下に編入(予定)。

編成・駐屯地

編成
駐屯地

整備支援部隊

  • 北部方面後方支援隊第101特科直接支援大隊(北千歳駐屯地):2000年(平成12年)3月28日から
    • 第1直接支援中隊(北千歳駐屯地:第1特科群を支援)
    • 第3直接支援中隊(北千歳駐屯地:第1地対艦ミサイル連隊を支援)
    • 第4直接支援中隊(美唄駐屯地:第2地対艦ミサイル連隊を支援)
    • 第5直接支援中隊(上富良野駐屯地:第3地対艦ミサイル連隊を支援)

主要幹部

官職名 階級 氏名 補職発令日 前職
第1特科団長
兼 北千歳駐屯地司令
陸将補 香川賢士 2024年03月28日 西部方面総監部防衛部長
副団長 1等陸佐 松坂仁志 2024年03月18日 陸上幕僚監部監理部総務課行政文書管理室長
高級幕僚 2等陸佐 間瀬晃 2023年08月01日 自衛隊大阪地方協力本部
歴代の第1特科団長(前身を含む)
(1954年9月15日から1962年1月17日までの間、東千歳駐屯地司令兼補)
(1962年1月18日から北千歳駐屯地司令兼補)
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職
北部方面特科団長
01 高山信武 1952.10.15 - 1953.8.15 陸士39期・
陸大47期
第1管区総監部所属
→1953.2.1 保安監補昇任
第1幕僚監部所属
保安大学校派遣・保安大学校幹事
02 助川弘道
(1等保安正)
1953.8.16 - 1954.6.30 海兵55期・
海大38期
保安隊特科学校長
兼 習志野駐とん地部隊長
第1特科団長
第1特科団長(陸将補
01 助川弘道 1954.7.1 - 1955.11.15 海兵55期・
海大38期
北部方面特科団長
→1954.7.1 陸将補昇任
北部方面総監部
→1955.12.1 第7混成団長
02 浦部聖 1955.11.16 - 1958.5.1 海兵56期 第5管区副総監 第3管区副総監
兼 伊丹駐とん地司令
03 土井泰三 1958.5.2 - 1959.7.31 海兵56期・
海大37期
第2管区副総監
兼 旭川駐とん地司令
第1管区副総監
兼 練馬駐とん地司令
04 塚本政登士 1959.8.1 - 1961.7.31 陸士42期・
陸大53期
陸上自衛隊高射学校
兼 下志津駐とん地司令
第8混成団長
05 太田清 1961.8.1 - 1964.3.15 陸士43期・
陸大53期
第1管区総監部幕僚長 第10師団司令部付
006 岩野正隆 1964.3.16 - 1966.3.15 陸士46期・
陸大53期
北部方面総監部幕僚副長 陸上幕僚監部付
07 高波惇 1966.3.16 - 1968.6.30 陸士47期・
陸大58期
陸上自衛隊富士学校特科教育部長 陸上自衛隊高射学校長
兼 下志津駐とん地司令
08 中島直臣 1968.7.16 - 1970.6.30 陸士50期・
陸大58期
北部方面総監部幕僚副長
兼 札幌駐とん地司令
→1969.7.1 陸将昇任
陸上自衛隊高射学校長
兼 下志津駐とん地司令 
09 馬來祥介 1970.7.1 - 1972.6.30 陸士53期 陸上自衛隊幹部学校研究部長 北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐とん地司令
10 倉岡愛和 1972.7.1 - 1973.10.31 陸士53期 陸上自衛隊富士学校特科教育部長 陸上幕僚監部付
→1974.4.1 退職
11 澤山正明 1973.11.1 - 1976.3.15 陸士56期 北部方面総監部幕僚副長 防衛研修所副所長
12 大松和三郎 1976.3.16 - 1977.6.30 陸士57期 東部方面総監部幕僚副長 陸上自衛隊業務学校長
兼 小平駐とん地司令
13 今田敏之 1977.7.1 - 1979.3.15 陸士60期 陸上幕僚監部総務課長 陸上自衛隊高射学校長
兼 下志津駐とん地司令
14 近藤俊彦 1979.3.16 - 1980.7.31 陸士60期 第1師団司令部幕僚長 東北方面総監部幕僚長
兼 仙台駐とん地司令     
15 木下鎭 1980.8.1 - 1982.6.30 中央大学
昭和29年卒
第13特科連隊
兼 日本原駐とん地司令
陸上幕僚監部調査部長
16 合原博見 1982.7.1 - 1984.3.28 九州大学
昭和28年卒
自衛隊熊本地方連絡部長
→1983.7.1 陸将昇任
第12師団長
17 矢野龍男 1984.3.29 - 1986.3.16 神奈川大学
昭和29年卒
陸上自衛隊富士学校特科部長
→1985.10.1 陸将昇任
第8師団長
18 高比康之 1986.3.17 - 1987.7.6 防大1期 陸上自衛隊富士学校特科部長 陸上自衛隊北海道地区補給処長
兼 島松駐屯地司令
19 君嶋信 1987.7.7 - 1990.3.15 防大3期 中部方面総監部幕僚副長 第3師団長
20 田中賢一 1990.3.16 - 1992.3.15 防大4期 第9師団副師団長
兼 青森駐屯地司令
陸上自衛隊富士学校副校長
21 野原征夫 1992.3.16 - 1994.6.29 防大4期 調達実施本部副本部長
(調達管理第二担当)
退職
22 小川敏彦 1994.6.30 - 1996.12.15 防大6期 陸上自衛隊幹部学校副校長
兼 企画室長
23 澤田徹夫 1996.12.16 - 1998.6.30 防大10期 第2師団副師団長
兼 旭川駐屯地司令
陸上自衛隊東北補給処
24 塚田信一 1998.7.1 - 2001.1.10 防大10期 陸上自衛隊富士学校特科部長 退職
25 長野陽一 2001.1.11 - 2002.12.1 防大13期 陸上自衛隊調査学校長
26 山崎文夫 2002.12.2 - 2005.7.27 防大15期 陸上自衛隊富士学校特科部長
27 安部隆志 2005.7.28 - 2007.3.27 防大21期 西部方面総監部幕僚副長 西部方面総監部幕僚長
28 井上武 2007.3.28 - 2008.7.31 防大22期 中部方面総監部幕僚副長 陸上幕僚監部運用支援・情報部長
29 日髙政広 2008.8.1 - 2009.12.6 防大23期 北部方面総監部幕僚副長 中部方面総監部幕僚長
30 山本頼人 2009.12.7 - 2011.8.4 防大27期 中部方面総監部幕僚副長 陸上自衛隊研究本部幹事
兼 企画室長
31 阿部知己 2011.8.5 - 2013.8.21 防大23期 自衛隊札幌地方協力本部
→2011.12.1 陸将補昇任
退職
32 梶原直樹 2013.8.22 - 2015.8.3 防大32期 陸上幕僚監部人事部補任課長 自衛隊東京地方協力本部
33 德川泰久 2015.8.4 - 2017.7.31 防大28期 陸上自衛隊富士学校特科部長 退職
34 片岡義博 2017.8.1 - 2019.12.19 防大31期 第4師団副師団長
福岡駐屯地司令
陸上自衛隊教育訓練研究本部
訓練評価部長
35 大場剛 2019.12.20 - 2021.10.13 防大34期 第4師団副師団長
兼 福岡駐屯地司令
東北方面総監部幕僚長
兼 仙台駐屯地司令
36 牧野雄三 2021.10.14 - 2023.3.29 生徒34期・
防大39期
自衛隊東京地方協力本部長 東部方面総監部幕僚副長
37 中村雄久 2023.3.30 - 2024.3.27 防大41期 陸上幕僚監部人事教育部
人事計画課長
陸上自衛隊富士学校特科部長
兼 諸職種協同センター副センター長
38 香川賢士 2024.3.28 - 防大42期 西部方面総監部防衛部長

主要装備

廃止部隊

脚注

  1. ^ a b 北部方面航空隊 丘珠駐屯地の歴史”. www.mod.go.jp. 2020年7月25日閲覧。
  2. ^ 駐屯地の概要 - 陸上自衛隊飯塚駐屯地
  3. ^ a b c d e 北部方面隊 五十年のあゆみ, 2003年
  4. ^ “即応機動連隊に改編で隊員増へ”. 経済の伝書鳩. (2021年9月8日). https://denshobato.com/BD/N/page.php?id=124299 
  5. ^ @kitachitose_STA (2023年3月27日). "陸上自衛隊 北千歳駐屯地 【公式】". X(旧Twitter)より2023年3月28日閲覧

出典

  • 『北部方面隊50年のあゆみ:歩みつづけるつわものたちのきらめく記憶』(山藤印刷株式会社/編集,陸上自衛隊北部方面総監部/監修 2003)
  • 『日本砲兵史:自衛隊砲兵過去現在未来』(陸上自衛隊富士学校特科会 編 1980.6)

関連項目

外部リンク