ケーリー (ノースカロライナ州)ケーリー(ケアリー、Cary、[ˈkɛəri])は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州中部にある町。州都ローリーの衛星都市として高成長が続いている。人口は17万4721人(2020年)[1]で、9万4536人(2000年)から大幅に増加している。2008年には、CNNでケーリーの成長率は全米5位であると報じられた[2]。ケーリーにはSAS Instituteが本社を置いている。 歴史![]() ケーリーの歴史は、1750年頃にこの地に設置された、ブラッドフォーズ・オーディナリー(Bradford's Ordinary)と呼ばれた入植地に始まった。そのおよそ100年後、ニューバーンとヒルズボロウを結ぶノースカロライナ鉄道が建設され、ブラッドフォーズ・オーディナリーに主要交通路をもたらした。町の創設者はウェイク郡の農夫であったアリソン・フランシス・ペイジであるとされている。アリソン・フランシスとその妻キャサリン・ラボトー・ペイジは1854年、この地にできた鉄道の分岐点の近くに300エーカー(約1.2km²)の土地を購入し、この地をケーリーと名付けた。ケーリーという名は、ペイジの尊敬するオハイオ州の下院議員で、禁酒論者であったサミュエル・フェントン・ケーリーから取ったものであった。ペイジは鉄道員、および町の開発者となった。ペイジはケーリーの最初の道を敷設し、製材所、商店、および郵便局を建設した。ペイジは最初の郵便局長も兼任した。1868年には、ペイジは鉄道でケーリーを経由する乗客を収容するためにホテルを建てた。1871年4月6日にはケーリーは正式に町制を施行し、ペイジが初代町長に就任した[3]。1879年には、南西方向からローリー・アンド・オーガスタ・エアライン鉄道(現CSXトランスポーテーション)が開通し、ケーリーの中心部の北に分岐点が作られ、ケーリーに更なる発展をもたらした。 しかし、ケーリーが本当に急成長を始めたのは、1959年に近隣にリサーチ・トライアングル・パークが設置されてからのことであった。初期のケーリーでは都市計画においてゾーニングとその他の条例をその場その場に応じて用いていた。しかし1971年以降、町はリサーチ・トライアングル・パークの発展に伴う成長に対処するため、計画ユニット開発(Planned Unit Development、PUD)による都市開発を進め始めた。PUDとは、開発者が実際に開発に取り掛かる前に、コミュニティ全体の計画を建てる余地を与えるものであった。そのため、開発予定のコミュニティに入居するであろう住民は、教会、学校、商業地域、工業地域の位置を、実際に利用し始める前に知っておくことができた。町の南にできた開発面積967エーカー(約3.9km²)のキルデイア・ファームズは、ノースカロライナ州初のPUDであった。このPUDを開発したのはトーマス・F・アダムズ・ジュニアのパイン・ステート・デイリー社であった。アダムズはキルデイア・ファームズの一部をファーミントン・ウッズと名付けた。町政府は美しく整備された街に高い価値を与えた。 地理ケーリーは北緯35度46分44秒 西経78度48分1秒 / 北緯35.77889度 西経78.80028度に位置している。町域はノースカロライナ州中央部のリサーチ・トライアングルと呼ばれる地域に広がっている。町域の大部分はウェイク郡西部に属し、一部がチャタム郡にかかっている。ケーリーは郊外都市であるため、明確なダウンタウンは有していない。北東には州都ローリーが隣接している。北西はモリスビルと町境を接しており、またリサーチ・トライアングル・パークを隔ててダーラムが位置している。南西はエイペックスに接し、少し離れてホリースプリングスが位置している。西にはジョーダン湖がある[4]。 アメリカ合衆国統計局によると、ケーリー町は総面積112.6km²(43.5mi²)である。そのうち109.0km²(42.1mi²)が陸地で3.6km²(1.4mi²)が水域である。総面積の3.17%が水域となっている。 政治![]() ケーリーはシティー・マネージャー制を採っている。町長は町議会の長であるが、町政の責任は町議会と契約しているシティー・マネージャーが行っている。町長および町議員の任期は4年であるが、2年ごと、奇数年に町議員の半数が改選される。町議員の定数は6名で、そのうち4名は町を4つに分けた選挙区からそれぞれ1名ずつ選出され、残り2名はワイルドカードで選出される。 経済最大の雇用主は(2014年)[5] 、SAS研究所、フィデリティ・インベストメンツ、HCLテクノロジーズ(HCL Technologies、本社:インド)、ベライゾン・コミュニケーションズ、アメリカン航空予約センターである。また隣接するリサーチ・トライアングル・パークにはIBM、グラクソ・スミスクライン、シスコシステムズなど多数の研究所・工場がある。 教育ケーリーのK-12課程はウェイク郡公立学区の公立学校によって支えられている。この学区は小学校15校、中学校4校、高等学校3校の計22校を抱えている[6]。また、私立学校も4校ある。 ケーリーには4年制大学は無いが、リサーチ・トライアングルには大学が集中している。隣接するローリーにはノースカロライナ州立大学が、北西のダーラムにはデューク大学が、またその西のチャペルヒルにはノースカロライナ大学がそれぞれキャンパスを置いている。25歳以上の住民のうち68.0%が準学士(2年制大学修了以上)の、また60.7%が学士の学位を持っている。博士の学位を持つ住民の率は、全米の人口75,000人以上の都市・町村の中で最も高い。 交通![]() ケーリーを含むリサーチ・トライアングルの玄関口となっている空港はローリーとダーラムの間の州間高速道路I-40沿いに位置するローリー・ダーラム国際空港(IATA: RDU)である。同空港の位置はケーリーからはちょうど北にあたる。主要3社がすべて就航し、各航空会社のハブ空港からの便を発着させているが、特に同空港に重要拠点を置いているのがアメリカン航空で、ロンドン・ヒースロー空港からの直行便を発着させている。 ケーリー町域の北側と東側にはI-40が走っている。また、南側には国道1号線が走っており、高速道路規格になっている。しかし、ケーリーの町の中心部には高速道路は通っていない。 アムトラックのケーリー駅はノースアカデミー通り211にある。ケーリー駅にはニューヨークとマイアミをローリー経由で結ぶ夜行長距離列車シルバー・スター号が1日1往復、[7]ニューヨークとシャーロットとを結ぶ昼行長距離列車カロリニアン号が1日1往復、ローリーとシャーロットを結ぶ昼行中距離列車ピードモント号が1日2往復停車する。[8] 町内の公共交通はCトラン(C-Tran)の運営する路線バスによってカバーされている。Cトランは南北線、東西線、およびメイナード循環線の3系統を有している。このCトランとは別に、ローリーやダーラム、チャペルヒルなど、リサーチ・トライアングル地域内の他都市とケーリーとを結ぶ、さらに広い範囲の路線バス網もあり、これはトライアングル交通局が運営している。 人口推移以下にケーリー町における1940年から2010年までの人口推移をグラフおよび表で示す[9]。
![]() 姉妹都市ケーリーは以下4都市と姉妹都市提携を結んでいる。 註
外部リンク
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