クロナゼパム (Clonazepam)は、ベンゾジアゼピン 系の抗てんかん薬 である。抗不安作用も有する[ 1] 。日本では1981年より、商品名ランドセン 、リボトリール で販売され、適応はてんかんである。また、自律神経系統の疾病であり、抗不安作用も強いことからパニック障害の治療に使用されることもある。
連用により依存症 、急激な量の減少により離脱症状 を生じることがある[ 2] 。中止の際には漸減が原則である[ 3] 。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されている。麻薬及び向精神薬取締法 の第三種向精神薬である。
適応
日本における適応は以下である。
応用
応用として、むずむず脚症候群 やパニック障害 、躁病 、鬱病 の治療にも用いられる。
剤形
リボトリール 0.5mg錠
錠剤: 0.5mg, 1mg, 2mg
細粒: 0.1%, 0.5%
有効性
神経発作を鎮める作用があることから、むずむず脚症候群 にも使用されている。[ 4] [ 5] 。様々な睡眠時異常行動の治療に用いることもできる[ 6] 。レム睡眠行動障害 に低用量で良好な効果がある[ 7] [ 8] 。
作用機序
クロナゼパムは、脳 の神経細胞 の細胞膜に存在するGABAA 受容体 のベンゾジアゼピン結合部位に作用し、抑制性神経伝達を強めることで抗てんかん作用を示す。[ 9]
禁忌
抗コリン作用を持つため、次の患者に対しては禁忌である。
副作用
眠気 、倦怠感 、頭痛 、集中力低下、体重増加、体重減少、いらいら、ふらつき、脱力感、失禁 、性欲 減退、興奮など
中止の際には漸減が原則であり、急な中止は痙攣重積が発生することがある[ 3] 。
日本では2017年3月に「重大な副作用」の項に、連用により依存症 を生じることがあるので用量と使用期間に注意し慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状 が生じるため徐々に減量する旨が追加され、厚生労働省よりこのことの周知徹底のため関係機関に通達がなされた[ 2] 。奇異反応 に関して[ 10] 、錯乱や興奮が生じる旨が記載されている[ 2] 。医薬品医療機器総合機構 からは、必要性を考え漫然とした長期使用を避ける、用量順守と類似薬の重複の確認、また慎重に少しずつ減量する旨の医薬品適正使用のお願いが出されている[ 11] 。調査結果には、日本の診療ガイドライン5つ、日本の学術雑誌8誌による要旨が記載されている[ 10] 。
出典
^ Cowen PJ; Green AR, Nutt DJ (March 1981). “Ethyl beta-carboline carboxylate lowers seizure threshold and antagonizes flurazepam-induced sedation in rats”. Nature 290 (5801): 54?5. doi :10.1038/290054a0 . PMID 6259533 .
^ a b c 厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長『催眠鎮静薬、抗不安薬及び抗てんかん薬の「使用上の注意」改訂の周知について (薬生安発0321第2号) 』(pdf)(プレスリリース)。https://www.pmda.go.jp/files/000217230.pdf 。2017年3月25日 閲覧 。 、および、“使用上の注意改訂情報(平成29年3月21日指示分) ”. 医薬品医療機器総合機構 (2017年3月21日). 2017年3月25日 閲覧。
^ a b 日本神経学会(監修)『てんかん治療ガイドライン2010 』医学書院、2010年、102頁。ISBN 978-4-260-01122-8 。http://www.neurology-jp.org/guidelinem/tenkan.html 。
^ Grupo Brasileiro de Estudos em Síndrome das Pernas Inquietas (GBE-SPI) (September 2007). “Síndrome das pernas inquietas: diagnóstico e tratamento. Opinião de especialistas brasileiros [Restless legs syndrome: diagnosis and treatment. Opinion of Brazilian experts]” (Portuguese). Arq. Neuro-Psiquiatr. 65 (3a): 721–7. doi :10.1590/S0004-282X2007000400035 . ISSN 0004-282X . PMID 17876423 .
^ Trenkwalder C, Hening WA, Montagna P, Oertel WH, Allen RP, Walters AS, Costa J, Stiasny-Kolster K, Sampaio C (December 2008). “Treatment of restless legs syndrome: an evidence-based review and implications for clinical practice” . Mov Disord 23 (16): 2267–302. doi :10.1002/mds.22254 . PMID 18925578 . http://www.movementdisorders.org/publications/ebm_reviews/treatmentofrls.pdf .
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^ 『新しい疾患薬理学 』Katsunori Iwasaki, Shōgo Tokuyama, 岩崎克典., 徳山尚吾.、南江堂、Tōkyō、2018年、173頁。ISBN 978-4-524-40335-6 。OCLC 1030482447 。https://www.worldcat.org/oclc/1030482447 。
^ a b 医薬品医療機器総合機構『調査結果報告書 』(pdf)(プレスリリース)医薬品医療機器総合機構、2017年2月28日。http://www.pmda.go.jp/files/000217061.pdf 。2017年3月25日 閲覧 。
^ 医薬品医療機器総合機構 (2017-03). “ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について” (pdf). 医薬品医療機器総合機構PMDAからの医薬品適正使用のお願い (11). https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf 2017年3月25日 閲覧。 .
関連項目
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* 非定型活性プロフィール(GABAA受容体 リガンドではない)
Category:ベンゾジアゼピン系
アルコール バルビツール酸系 ベンゾジアゼピン 類ウレタン フラボノイド イミダゾール カヴァ 成分ウレイド (英語版 ) 神経ステロイド 非ベンゾジアゼピン系 フェノール 類ピラゾロピリジン 類キナゾリノン 類吸入麻酔薬 /ガスその他/未分類
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臭化物 化合物 (例:臭化リチウム , 臭化カリウム , 臭化ナトリウム )
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クロメチアゾール (英語版 )
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スチリペントール (英語版 )
スルホニルアルカン (英語版 ) 類 (例:スルホンメタン (英語版 ) , テトロナール (英語版 ) , トリオナール (英語版 ) )
トピラマート
セイヨウカノコソウ 成分 (例:3-メチルブタン酸 , イソバレルアミド , バレレン酸 (英語版 ) )
未分類のベンゾジアゼピン部位陽性調節因子: MRK-409 (英語版 )
TCS-1205 (英語版 )