クリストファー・ハーゼ(Christopher Haase, 1987年9月22日 - )はドイツ・クルムバッハ出身のレーシングドライバー。2011年よりアウディスポーツ・カスタマーレーシングのドライバーとしてGT3レースを中心に活躍しており、同ブランドのファクトリードライバーの中心的な存在として、スパ24時間レース(2017年)やニュルブルクリンク24時間レース(2012年、2014年)など、多くの主要な耐久レースでの優勝経験を有する。
2007年のADAC GTマスターズ、2009年のFIA GT3ヨーロッパ選手権および、2012年のブランパン耐久シリーズのチャンピオン。
経歴
ハーゼは2006年にダチア・ロガンのワンメイクレースであるADAC ロガンカップで四輪レースのキャリアを開始した。
2007年、ハーゼはこの年より開催されたADAC GTマスターズにライター・エンジニアリングから参戦し、ジャンニ・モルビデリ、ヨス・メンテンと共に5勝を挙げて初代王者に輝いた。翌年はアルベルト・フォン・トゥルン・ウント・タクシスとコンビを組み、再びタイトル争いに加わってランキングを2位で終えた。また、ライター・エンジニアリングが開発を担当したKTM・クロスボウを駆り、FIA GT4ヨーロッパ選手権のライトクラスの王者を獲得している。
2009年にはフェニックス・レーシングからGTマスターズとFIA GT3ヨーロッパ選手権に参戦した。GTマスターズでは3勝を挙げてチームメイトであるアンリ・モーザーのランキング3位獲得を助け、FIA GT3ヨーロッパ選手権ではクリストファー・ミースとチャンピオンを獲得した。2010年は再びライター・エンジニアリングに所属し、ピーター・コックスと共にFIA GT1世界選手権に出場した[1]。
2011年、ハーゼはアウディスポーツ・カスタマーレーシングのファクトリードライバーに起用された。2012年にはこの年より投入されたアウディ・R8 LMS ウルトラを操り、ニュルブルクリンク24時間レースを初制覇した[2]。さらに、ステファン・オルテリ、クリストファー・ミースと共にW・レーシングチームから参戦したブランパン耐久シリーズでも安定した成績を残し、マルクVDS3号車を抑えてこの年のタイトルを獲得している[3]。
2014年にハーゼは北米に活動の場を移し、ポール・ミラー・レーシングからユナイテッド・スポーツカー選手権のGTDクラスに参戦した[4]。ハーゼはブライス・ミラーとマシンを共有し、最終戦プチ・ル・マンで優勝してランキング2位を獲得している。翌年はディオン・フォン・モルトケとコンビを組み、未勝利ながら4度の表彰台を獲得してランキング3位となった。2014年にはマルクス・ヴィンケルホック、レネ・ラスト、クリスチャン・マメロウと共にニュルブルクリンク24時間レースで2度目の優勝を飾っている[5]。
2016年からハーゼはサンテロック・レーシングよりブランパンGTシリーズの両カップに出場しており、翌年のスパ24時間レースではヴィンケルホック、ジュール・グーノンと共に最終ピット時に時間調整を強いられたAKKA ASP90号車を交わして総合優勝を果たした[6]。この勝利とカリフォルニア8時間レースでの2位により、インターコンチネンタルGTチャレンジでもヴィンケルホックに次ぐ2位を獲得している。
2018年のインターコンチネンタルGTチャレンジでは、この年よりカレンダーに加わった鈴鹿10時間耐久レースで2台のメルセデスAMGに次ぐ3位を獲得し[7]、加えて、カリフォルニア8時間レースでは優勝を果たしてメルセデス勢のトリスタン・ヴォーティエやラファエル・マルチェッロとタイトル争いを展開した[8]。
レース戦績
ADAC GTマスターズ
ブランパン耐久シリーズ/GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・耐久カップ
SUPER GT
GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・スプリントカップ
ユナイテッド・スポーツカー選手権
インターコンチネンタルGTチャレンジ
スパ・フランコルシャン24時間レース
ニュルブルクリンク24時間レース
バサースト12時間レース
脚注
外部リンク