『カッコウの許嫁』(カッコウのいいなずけ、英題:A Couple of Cuckoos)は、吉河美希による日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて2019年43号に読み切り作品として掲載後、読者アンケートの結果から同誌の2020年9号より連載を開始[1]。
概要
同作者にとって『ヤンキー君とメガネちゃん』、『山田くんと7人の魔女』に続く連載作品。
掲載当初から反響があり、2020年24号で同誌最速となる初表紙を飾った[2]。その他、コミックス第1巻が4週連続で重版を記録する(講談社としては21世紀初)。
「次にくるマンガ大賞2020コミックス部門」にノミネートされて14位となり、上位入賞した。
第1巻発売を記念してPVが制作された。声優の内田真礼と内田雄馬が起用され、メインキャラクター4人の声を演じ分けている。また、「取り違えVer!」として、男女の配役が入れ替わったPVも制作されている。
話数カウントは「〇羽目」。サブタイトルは作中に登場した台詞が使われている。各話の扉ページはInstagramを模したものになっていることが多い。
あらすじ
名門・私立目黒川学園に通っている海野凪は、産まれて16年越しに「取り違え子」の事実を知らされる。本当の両親に会いに行く途中、これから許嫁に会いに行くという天野エリカと偶然出会い、彼氏のフリをしてほしいと半ば強引に頼まれてしまう。すると実は凪と取り違えられたのはエリカであり、凪はエリカの許嫁であったことを知らされる。また、凪の想い人である瀬川ひろと凪の義妹である海野幸と凪の幼馴染の望月あいも恋の関係に乱入し、恋の五角関係として物語が進んでいく。
登場人物
声の項はテレビアニメ版の声優。
メインキャラクター
- 海野 凪(うみの なぎ)
- 声 - 石川界人[3]、島田愛野(幼少)
- 本作の主人公。私立目黒川学園2年生。血液型A型[4]。身長171cm[5]。
- 嬰児交換された乳児の片割れ。本来は資産家の次男として生まれたが、取り違えにより庶民として育ってきた[6]。勉学を怠らない優等生であり、学費免除の特待生として入学した。ドライな理屈家だが、時折オーバーなリアクションをする。義両親の影響により、腕っぷしが強い上に家事全般が得意。ただし、ヤモリなどの生物は「予測不可能な動きをする」という理由で苦手。
- 物語当初、瀬川ひろに密かな想いを寄せていたが、同棲生活が始まってからエリカや幸に心を動かされていく。
- 天野 エリカ(あまの エリカ)
- 声 - 鬼頭明里[3]
- 本作のメインヒロイン。凪の許嫁。私立目黒川学園2年生[注釈 1]。血液型AB型[7]。身長160cm[8]。趣味はSNSやコスプレ。
- 嬰児交換された乳児の片割れ。本来はヤンキー家族の長女として生まれたが、取り違えにより令嬢として育ってきた。自撮り写真を上げられてみれば、巷で話題になるほど美人。
- 明るく勝気な性格だが、人付き合いはやや苦手。学業はあまり振るわないが、スポーツは得意。
- 瀬川 ひろ(せがわ ひろ)
- 声 - 東山奈央[9]
- 本作のヒロインの1人。凪の恋人。私立目黒川学園2年生。血液型O型[10]。身長162cm[11]。趣味は御朱印集め。
- 学年トップの才女。男女を問わず人気を得ているが、素は天然のドジっ娘。平安時代から続いている目黒明神の後継ぎであり、未登場の許嫁がいる。
- 非常に負けず嫌いな性格であり、定期テストでいつも凪と首位を争っている。格闘技に精通しており、空手三段の腕前でキックボクシングも嗜んでいる[注釈 2]。
- 海野 幸(うみの さち)
- 声 - 小原好美[12]
- 本作のヒロインの1人。凪の義妹。誕生日は9月3日[13][14]。血液型B型[15]。身長156cm[16]。好物はスイカバー。
- 海野家の次女として生まれ、実姉であるエリカに負けず劣らずの美人。以前からブラコン気味であり、凪に対して特別な想いを抱いていた。同棲生活が始まって早々、無理やり大豪邸に居候する。
- 元より手先が不器用だったらしく、料理の出来栄えも悪い(味は問題ない)。学業もあまり芳しくない模様。凪やエリカと違ってコミュニケーション能力が高く、店の手伝いは専ら接客担当。
- エリカと初めて顔を合わせた際、緊張のあまり最初は会話ができなかった。その後はすぐに打ち解け、行動パターンの一致しているところがあることが発覚。
- 望月 あい(もちづき あい)
- 本作のヒロインの1人。凪の幼馴染にして初恋相手。
- わずか13歳で大学に入り、卒業を果たすと同時に歌手となった経歴を持つ。代表曲は「漏電」。中国に引っ越す際に凪に告白され、彼と結婚するために日本へ戻ってきた。
海野家
- 海野 洋平(うみの ようへい)
- 声 - 木村良平[17]
- エリカ・幸の実父で、凪の義父。ヤンキー上がり。お食事処『海野亭』の店主。趣味は釣り。
- ツーブロックの金髪オールバックにサングラスというチンピラのような容姿だが豪快で快活な性格の好人物。奈美恵とは喧嘩するほど仲が良い夫婦関係。
- 海野 奈美恵(うみの なみえ)
- 声 - 日笠陽子[17]
- エリカ・幸の実母で、凪の義母。夫同様、ヤンキー上がり。お食事処『海野亭』の女将。
- 本人は自覚していないが、二児の母親とは思えないほど若々しい美人。洋平とは喧嘩するほど仲が良い夫婦関係。
天野家
- 天野 宗一郎(あまの そういちろう)
- 声 - 森川智之[17]
- 凪の実父で、エリカの義父。1965年度生まれ。私立目黒川学園の卒業生[18]。
- 貧乏な家庭の生まれだが、現在はホテル経営をしている資産家。腹が読めない性格で、掴みどころがなく飄々としている。凪とエリカの共同生活を設けた張本人。浮世離れした大富豪であり、容易く豪邸を用意するレベル。義娘のエリカとは反りが合わず、彼女からも苦手意識を持たれている。
- 天野 律子(あまの りつこ)
- 声 - 有賀由樹子[17]
- 凪の実母で、エリカの義母。旧姓は「佐伯」。1965年度生まれ。私立目黒川学園の卒業生[18]。
- 裕福な家庭の生まれであり、現在はテレビ局の敏腕プロデューサー[19]。デリカシーに欠けた屈託のない性格。宗一郎とは文化祭のM-1(目黒川1グランプリ)でコンビを組んだこときっかけに結婚する[18]。
- 天野 宗助(あまの そうすけ)
- 声 - 島田愛野(幼少)
- 本作のキーパーソン。凪の実兄で、エリカの義兄。喫煙者。
- 顔立ちは凪と瓜二つ。詳細については不明だが、幼い頃から実家を離れている。現在は不動産業に携わっており、父に負けず劣らずの大富豪。
- 長らく回想シーンのみの登場だったが、第135話でようやく本編に登場する。
瀬川家
- 瀬川 あさみ(せがわ あさみ)
- 声 - 渡辺弥咲
- ひろの母。目黒明神の宮司。
- 凪をあまり快く思っておらず、娘に危害を与える存在と認識。
- ひろの父(仮称)
- 山伏のような風貌。あさみと見合い結婚した婿養子。
- 妻曰く「相撲しかできない人」。
私立目黒川学園
- 遊馬 シオン(あすま シオン)
- 声 - 松岡禎丞[20]
- エリカに想いを寄せる男子生徒。遠足の際には先生に言って無理やり凪・エリカ・ひろの班に入ってきた。
その他
- そばっしー
- 前作『山田くんと7人の魔女』に登場した架空のキャラクター。焼きそばパンの妖精。
- 本キャラクターの登場により、前作のクロスオーバーという扱いになっている。
- 柴田(しばた)
- 声 - 鈴木裕斗
- いわゆる非モテの人物。自分自身はエリカのファンと断言しているが、ただのストーカー。毎回、凪にボコボコにされ、退散させられている。凪を倒すため鍛えたという割には、全く相手になっていない。また毎回殴り合いに参加せず、口だけしか出さない二人の男(声 - 角田雄二郎・川島慶嗣)を引き連れている。
- 堂島 理人(どうじま りひと)
- エリカの幼馴染。『堂島リゾートホテル』の御曹司。大学1年生(建築家専攻)。
書誌情報
コミックス
ノベライズ
テレビアニメ
2022年4月から10月までテレビ朝日系列『NUMAnimation』枠ほかにて第1期が連続2クールで放送された[57]。
第2期は2025年に放送予定[58]。
スタッフ
- 原作 - 吉河美希[3]
- 総監督 - 赤城博昭[3]
- 監督 - 白幡良志之[3]
- シリーズ構成 - 中西やすひろ[3]
- キャラクターデザイン - 髙野綾[3]
- サブキャラクターデザイン - 島崎知美
- プロップデザイン - 今野幸一
- 色彩設計 - 山上愛子
- 美術監督 - 松本浩樹
- 美術設定 - 平義樹弥
- 撮影監督 - 衛藤英毅、浜尾繁光
- CG監督 - 神林憲和
- 編集 - 肥田文
- 音響監督 - 小沼則義
- 音楽 - 石塚玲依[59]
- 音楽制作 - イマジン
- プロデューサー - 高橋伸明、立花耕、森悠紀、荒木元道、黒須信彦
- アニメーションプロデューサー - 櫻井洋介、三浦俊一郎
- アニメーション制作 - シンエイ動画、SynergySP[3]
- 製作 - カッコウの許嫁製作委員会
主題歌
- 「凸凹」[17]
- 吉岡聖恵による第1期第1クールオープニングテーマ。作詞・作曲は長屋晴子(緑黄色社会)、編曲はNaoki Itai、緑黄色社会。
- 「Glitter」[60]
- sumikaによる第1期第2クールオープニングテーマ。作詞・作曲は片岡健太、編曲はハヤシベトモノリ、sumika。
- 「四角運命」[61]
- 三月のパンタシアによる第1期第1クールエンディングテーマ。作詞はみあ、作曲・編曲は片山将太。
- 「HELLO HELLO HELLO」[62]
- 藍井エイルによる第1期第2クールエンディングテーマ。作詞はEir、山本玲史、作曲は山本玲史、編曲は山田竜平。
各話リスト
放送局
日本国内 インターネット / 第1期 配信期間および配信時間[63]
配信開始日 |
配信時間 |
配信サイト |
2022年4月24日 |
日曜 1:30(土曜深夜) 更新 |
ニコニコチャンネル[66]
|
|
日曜 1:30 - 2:00(土曜深夜) |
ABEMA[67] |
|
日曜 22:00 - 22:30 |
ニコニコ生放送[66] |
2022年4月24日以降順次 |
日曜 1:30(土曜深夜) 以降順次更新 |
|
BD / DVD
巻 |
発売日[68] |
収録話 |
規格品番
|
完全数量限定版 |
BD |
DVD
|
第1期
|
1 |
2022年7月27日 |
第1話 - 第3話 |
KAXA-8371 |
KAXA-8381 |
KABA-11161
|
2 |
2022年8月24日 |
第4話 - 第6話 |
|
KAXA-8382 |
KABA-11162
|
3 |
2022年9月28日 |
第7話 - 第9話 |
KAXA-8383 |
KABA-11163
|
4 |
2022年10月26日 |
第10話 - 第12話 |
KAXA-8384 |
KABA-11164
|
5 |
2022年11月25日 |
第13話 - 第15話 |
KAXA-8385 |
KABA-11165
|
6 |
2022年12月23日 |
第16話 - 第18話 |
KAXA-8386 |
KABA-11166
|
7 |
2023年1月25日 |
第19話 - 第21話 |
KAXA-8387 |
KABA-11167
|
8 |
2023年2月22日 |
第22話 - 第24話 |
KAXA-8388 |
KABA-11168
|
ミニアニメ
2022年4月28日より、YouTube KADOKAWA Anime Channelにて『カッコウのいいかげん』が配信[57]。
- 脚本 - 斉藤青
- 演出 - よしとも
- 音楽 - 石塚玲依
- 音響監督 - 小沼則義
- 音響制作 - クロービジョン
- ミニアニメ制作 - AQUS ARIS
話数 |
サブタイトル |
配信日
|
#1 |
いせかいてんせい! |
2022年 4月28日
|
#2 |
いせかいすきる! |
5月6日
|
#3 |
いせかいさいこー! |
5月13日
|
#4 |
いせかいじん! |
5月20日
|
#5 |
いせかいめし! |
5月27日
|
#6 |
いせかいなかま! |
6月3日
|
#7 |
いせかいおう! |
6月10日
|
#8 |
いせかいぎるど! |
6月17日
|
#9 |
いせかいそうび! |
6月24日
|
#10 |
いせかいばとる! |
7月1日
|
#11 |
いせかいさかば! |
7月8日
|
#12 |
ぞく!いせかいさかば! |
7月22日
|
#13 |
いせかいやどや! |
7月29日
|
#14 |
いせかいもーにんぐ! |
8月5日
|
#15 |
いせかいでーと! |
8月12日
|
#16 |
いせかいさきゅばす! |
8月19日
|
#17 |
いせかいゆうしゃ! |
8月26日
|
#18 |
いせかいまおう! |
9月2日
|
#19 |
いせかいだんじょん! |
9月9日
|
#20 |
あくやくれいじょう! |
9月16日
|
#21 |
はめつのふらぐ! |
9月23日
|
#22 |
さよならいせかい! |
9月30日
|
Webラジオ
アニメ第1期放送と前後して、天野エリカ役の鬼頭明里、瀬川ひろ役の東山奈央、海野幸役の小原好美が交代制でパーソナリティーを務める『カッコウのプチラジオ』が配信される。
パイロット版は2022年1月28日[69]、2月25日[70]
、3月25日[71]に配信された。本放送開始後は4月末より月1回の生放送ラジオとして配信[57]。
評価
リアルサウンドのライターである苫とり子は、「王道ラブコメディの系譜」であると評価し、吉住渉の『ママレード・ボーイ』や古味直志の『ニセコイ』といった過去のヒット作との共通点があるとしている[72]。
脚注
注釈
出典
外部リンク
|
---|
テレビアニメ |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
|
|
劇場アニメ |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 |
| ドラえもんシリーズ (大長編・第1期) | |
---|
ドラえもんシリーズ (併映作品) | |
---|
|
---|
1990年代 |
|
---|
2000年代 |
|
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
---|
ローカルセールス時代 | |
---|
ネットワークセールス時代 | |
---|
関連項目 |
本枠と共に「tv asahi animation」レーベルに内包される放送枠・作品 | |
---|
|
---|
- 共同製作局・製作子会社
- 備考
カテゴリ |