エバレット・ケネディ・ブラウン (英語: Everett Kennedy Brown, 1959年7月14日 - ) は、京都市在住のアメリカ人写真家、湿板光画家、国際フォトジャーナリスト[1]、文筆家、日本文化研究者。元EPA通信社日本支局長。文化庁長官表彰(文化発信部門)被表彰者[2]。東京大学先端科学技術研究センター非常勤講師。一般社団法人京都会所代表理事。大学院大学至善館教授。[3]
略歴
アメリカ合衆国のワシントンD.C.出身。幕末にマシュー・ペリーと共に黒船来航した写真家のエリファレット・ブラウン・ジュニアは縁戚にあたる[4]。アンティオーク大学 文化人類学学科卒業。1988年から日本に定住。EPA通信社の日本支局を設立し、支局長を2012年まで務める。ジャーナリストとして日本中を旅し、伝統風俗を学ぶ。姫田忠義や宮本常一、柳田邦男に深く感銘を受ける。2011年より湿板写真を通じて、日本の古層を古典技法で映し続ける[5]。
まちおこしのアドバイザーとして、新潟県小千谷市[6]、福島県相馬市[7]、広島県府中市上下町[8]、佐賀県基山市[9]、福岡県宗像市[10]、島根県松江市[11]、福井県永平寺町などと関わり成果をおさめる。
千葉県にブラウンズフィールドを設立。執筆活動のほか講演を定期的に行う。諸省庁の文化推進カウンセラーを多く務める。観光庁のインバウンドのスローガン“Japan, Endless Discovery.”を提案。[12]
ナショナル・ジオグラフィック、GEO、ニューヨーク・タイムズ、CNN、ル・モンドなど国内外の媒体に広く作品を寄せている。『Kyoto Journal』寄稿編集者。近衞忠大と設立した会所プロジェクト理事。
フランスの権威ある写真雑誌『GEO』にて、現代において見るべきモノクロ写真に、世界10人の写真家として選出された。[13]
役職・受賞歴
- 日本内閣府、メディア戦略顧問(1999年)
- ドイツのGEO誌で「ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」(2001年)
- 日本内閣府、国際イメージ・ブランディング・プロジェクト顧問(2007年)
- 21世紀シンクタンクフォーラム・文化発展 顧問(2009年)
- 経済産業省クールジャパン 官民有識者会議委員諮問会議メンバー(2010-2012年)彼が提案した “Japan is a land of endless discovery”は、“Japan, Endless Discovery.”となり、観光庁のスローガンとなっている。
- 日本デザイン文化フォーラム幹事(2012年- )
- IBM経済文化会議(伊豆会議)メンバー(2012年- )
- 文部科学省顧問(2013年- )
- 文化庁長官表彰(文化発信部門)被表彰者(2013年)
- 文部科学省カルチャーヴィジョンサミットメンバー(2014年)
- 日本芸術文化国際センター顧問、クリエイティブアドバイザー(2014年-)
- 観光庁、東北地方観光推進顧問(2015年- )
- 広島県観光推進顧問(2015年- )
- 会所プロジェクト理事(2016年- )
- 京都府観光推進顧問(2016年- )
- 駐日アメリカ合衆国大使館の写真講師(2017年)
- びわ湖大津PR大使[14] (2018年- )
- 島根県ふるさと親善大使 遣島使[15] (2019年 12月-)
主な個展
- 『ガングロガールズ』(日本外国特派員協会、2002年)
- 日本の震災復興写真『After the Tsunami Collodions』(日本内閣政府主催 ダボス会議世界経済フォーラム、2011年)
- 『日本の回廊』(バチカン市国 Diocesano di Brescia美術館、2014年)
- 『日本の面影』(ギャラリーA4、2014年)松岡正剛と近藤誠一が、前書きに言葉を寄せる。
- 『日本の匠』(竹中大工道具館、2015年)[16]
- 『日本の面影』(三渓園ミュージアム、2015年)
- 『日本の匠』(フィンランド国立クラフト美術館、2015年)
- 『Japanese Samurai Fashion』(ニューヨーク・hpgrp gallery、2017年)福島県相馬地方の祭礼「相馬野馬追」を撮影したもの。CNN Style、ワシントンポスト紙や、フランス、ドイツなど各紙で取り上げられる。[17][18]
- 『Kimono Story』(ニューヨーク・Kosaka Art gallery、2017年)
- 『Japanese Samurai Fashion / Kimono Story』(アメリカ・オハイオ州 Antioch College、2017年)
- 『Japanese Samurai Fashionー野馬追の侍たちが纏う祝祭の精神』(青山スパイラルホール、2017年)[19]
- 『知られざる松江の面影』(松江テルサ、2017年)
- 『エバレット・ブラウン面影湿板光画展』(名古屋城・本丸御殿孔雀の間、2018年)[20]
- 『Seeking an Open Life: Photographs of Lafcadio Hearn's Japan』[21](The Historic New Orleans Collection Museum、2019年)
主な著作
- 『俺たちのニッポン』(小学館、1999年)
- 『ガングロガールズ』(Koenmann、2001年)
- 『日本力』(松岡正剛との共著・パルコ出版、2010年)
- 『日本の面影 - Echoes of Tradition』(Gallery A4出版、2014年)前書きは松岡正剛と、元文化庁長官の近藤誠一によって書かれた。
- 『匠の流儀: 経済と技能のあいだ』(松岡正剛、隈研吾らとの共著・春秋社、2015年)
- 『Japanese Samurai Fashion』(赤々舎出版、2017年)前書きは皇族の彬子女王殿下とファッションデザイナーの滝沢直己、後書きはファッションデザイナーのコシノジュンコ、帯は編集工学者の松岡正剛によって書かれた。
- 『失われゆく日本 / Japan Endless Discovery』(小学館、2018年8月)前書きは資生堂名誉会長の福原義春、帯は松岡正剛によって書かれた。
- 『先祖返りの国へ 日本の身体−文化を読み解く』(エンゾ早川との共著・晶文社、2020年8月)
- 『京都派の遺伝子 15人の海外クリエイター』(淡交社、2020年9月)
- 『Archaic Future ひとつながりの記憶』(Harvest出版、2020年11月)
主な寄稿・翻訳
- “Japan Through the Eyes of W. Eugene Smith(ユージン・スミスの目を通した日本)” カタログの翻訳。(東京写真美術館、1996年)
- 日本の四季コラムに、“In Search of the Japanese Spirit of Sport” を寄稿。(朝日新聞、2001年)
- Japanese Modern, “Ability to read feelings is a special gift” を寄稿。(経済産業省機関紙、2008年)
- 『意身伝心ーコトバとカラダのお作法』(田中泯, 松岡正剛 著)翻訳。(春秋社、2013年)
- 『和楽』(小学館、2014年)
- 『家庭画報インターナショナル』(世界文化社、2014年)2016年より『家庭画報インターナショナル』アンバサダーとして取材や寄稿を重ねる。
- 『月刊美術』連載(実業之日本社、2014−2017年)
- 『Kyoto Journal』湿板写真特集。(2017年)
- 『GEO』にて、現代において見るべきモノクロ写真に、世界10人の写真家として寄稿。(2017年)
- 『なごみ』にて『京都派の遺伝子』連載(淡交社、2019年ー)
- 京都新聞web版『THE KYOTO』にて『京都派の遺伝子』連載(2020年1月ー)
メディア出演
脚注
外部リンク