エドサル級護衛駆逐艦
エドサル級護衛駆逐艦(エドサルきゅうごえいくちくかん、Edsall Class Destroyer Escorts)は、第二次世界大戦時にアメリカ海軍が建造・保有した護衛駆逐艦。主機方式・配置からFMR型 (Fairbanks-Morse Reduction-geared) とも呼ばれる。ネームシップはノーマン・エドサルに因んで命名されている[1]。 設計本級の設計は、長船体型のバックレイ級およびキャノン級の船体に、ギヤード・ディーゼル(CODAD)方式の主機を組み合わせたものとなっている。 主機としては、潜水艦で搭載されたのと同系列のフェアバンクス・モース社製38D8-1/8-10 2サイクル垂直対向8気筒ディーゼルエンジンを4基搭載する。ディーゼルエンジンは、それぞれ2基ずつ1組となって、逆転機構を備えた歯車減速機を介して両舷の推進器に接続されて駆動している。当時、歯車減速機の生産能力には限界があり、蒸気タービン搭載の主力艦・揚陸艦に優先的に供給されるために護衛駆逐艦においては不足気味であった[2]が、低馬力であれば製造も比較的容易であることからこのような主機構成となった[1]。機関部は2区画で構成され、左右にタンデム配置とされている[3]。 装備武器システムについては、おおむね、長船体のバックレイ級およびキャノン級に準じたものとされている。Mk.22 3インチ単装緩射砲は、艦首甲板と前部甲板室上に背負式に1基ずつ、また艦尾甲板にも1基と、計3基を備えている。 主砲用の主方位盤は艦橋上に設置されており、測距レーダーを備えたMk.52や、より本格的な射撃指揮レーダーを備えたMk.57(直視式)またはMk.63(斜視式)など、対空射撃を主とする機種が搭載された[4]。 40mm機銃は、当初は上部構造物後端に連装砲架として搭載し、その直前にMk.51 射撃指揮装置を1基配していた。しかし第二次世界大戦末期には雷撃の機会がなくなったことから、煙突後方の上部構造物上に設置されていた3連装長魚雷発射管を撤去して、ここにも単装ないし連装の砲架と方位盤を配した艦が多くなった。また近接防空用の20mm機銃も多数が搭載された[1]。 配備本級は、計画通りに下記の85隻が建造され、全艦がアメリカ海軍に引き渡され、1943年に運用が開始された。
主に大西洋戦線で船団護衛や哨戒任務に従事し、このうちの5隻が第二次世界大戦で戦没、戦後に5隻が海外に供与されたが、残りは最後までアメリカ海軍での運用を継続し、1974年までに全艦が除籍された。 本級のうち、「スチュワート」のみテキサス州ガルベストンで博物館船として保存されている[5]。 運用者参考文献
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