ムックは E. delfsi のタイプ標本がそれまでに記載されていた他の中鰐類(英語版)と大きく異なることに気付いた。タイプ標本の内鼻孔はそれまでに記載されていた同サイズの標本よりも顕著に長く、この極端に伸長した内鼻孔を以て新種として判断された。また、ムックは内鼻孔の前方に口蓋突起で分けられた小さな開口部が位置していることも記載し、突起が鼻腔内に入っていたと仮説を立てた。ムックによると、これらの特徴はゴニオフォリス科の間での幅広い特殊化を示唆しており、記載された標本が新属のホロタイプ標本であることを示唆してもいる[3]。
後の研究で、追加の鼻の開口部についてのムックの原記載は不正確であったこと、そしてこの開口部が口蓋骨の張り出しにより内側に極端に狭窄された後鼻孔の一部であることが提唱された。他の E. delfsi、Amphicotylus lucasii、A. gilmorei の標本に共通して見られるように、その砂時計状の形状ゆえに、前方に別の開口部があるように見えたのである[5]。
特徴
頭骨
E. delfi の頭骨の特徴には、頭骨全体が伸長していて板状の吻部を持つ点、上顎歯槽骨突起の後側方に窪みが存在する点、上顎骨歯の側方のうねりが小さい点、前前頭骨の前方に位置する鼻孔の幅が拡大している点、鼻骨と外鼻孔が接していない点、縁が上側頭窓に沿って上昇している扁平で幅広な innerfenestral bar、鋤骨突起の前方の拡大により形成される nasopharyngeal septum がある[6]。涙骨は長方形で、背側から見ると前後方向の長さが幅の2倍である[6]。涙骨はその長さの全体に渡って前前頭骨により側方から接触されており、前前頭骨はそれにより鼻骨から分けられている[6]。断面が三角形である大型の postorbital bar により、眼窩と下側頭窓が分けられている[6]。方形頬骨は2つの部位を持つ。より小型の背側部は皮膚のピッティング(窪み)を欠いていて、より大型の腹側部はピッティング(窪み)があり、下側頭突起の底半分を形成し、本属の特徴と考えられている顕著な切れ込み(indentation)を形成している[6]。
^ abcFoster, J.R. Paleoecological Analysis of the Vertebrate Fauna of the Morrison Formation (Upper Jurassic), Rocky Mountain Region, U.S.A.: Bulletin 23. United States, New Mexico Museum of Natural History & Science, 2003. pp 28-37.
^Foster, J.R. 2006. The mandible of a Juvenile Goniopholidid (Crocodylefomes) From The Morrison Formation (upper Jurassic) of Wyoming. Paleontology and Geology of the Upper Jurassic Morrison Formation. New Mexico Museum of Natural History and Science Bulletin 36. Pp 101-105
^Marco Brandalise de Andrade; Richard Edmonds; Michael J. Benton; Remmert Schouten (2011). “A new Berriasian species of Goniopholis (Mesoeucrocodylia, Neosuchia) from England, and a review of the genus”. Zoological Journal of the Linnean Society163 (s1): S66–S108. doi:10.1111/j.1096-3642.2011.00709.x.