ウイングベイ小樽
ウイングベイ小樽(ウイングベイおたる、WING BAY OTARU)は、北海道小樽市に所在する大型複合商業施設(ショッピングセンター)である。 小樽築港駅の貨物ヤード跡地の土地区画整理事業「小樽築港駅周辺地区土地区画整理事業」に伴う再開発により、マイカル(当時)が建設した大型商業施設「マイカル小樽」として開業した[6]。 歴史マイカルグループによる開発小樽市は、1985年(昭和60年)策定の『小樽港港湾計画』において小樽築港駅周辺地区の土地利用の見直しを決定し[7]、ウォーターフロント開発に民間活力を導入する計画を立てた[7]。 1990年(平成2年)に小樽市がマイカルグループと再開発について協議し、翌1991年にマイカルグループが北海道旅客鉄道(JR北海道)などから出資を受け株式会社小樽ベイシティ開発を設立[7]。会社設立後に国鉄清算事業団から18.3haの土地を取得した[7]。再開発地区の基盤整備は小樽市による土地区画整理事業「小樽築港駅周辺地区土地区画整理事業」(ふるさとの顔づくりモデル土地区画整理事業)として1994年(平成6年)に区域が決定し、1996年(平成8年)から事業を着工した[8]。 複合商業施設は1997年(平成9年)に着工し[9]、1999年(平成11年)に日本国内最大級(当時)となる大型複合商業施設「マイカル小樽」として開業した。 当施設は「マリンロード」で小樽築港駅と直結し、さらにホテル「グランドパーク小樽」(旧・ヒルトン小樽)と直結している。 経営破綻と差押え2001年(平成13年)、マイカルの経営破綻に連鎖して小樽ベイシティ開発も民事再生法を申請した[10][11]。同年10月に民事再生手続開始の決定を受けた[12]。負債総額は約492億円であった[13]。 2003年(平成15年)に施設名を「ウイングベイ小樽」と改称して再スタートした。しかし多額の固定資産税滞納が続いたことから、2003年9月に小樽市はウイングベイ小樽の土地を差押えた[14]。また同年には、市がマイカル小樽と合わせて誘致したホテル「ヒルトン小樽」も経営破綻し民事再生法を申請している[12]。 ポスフール(旧:マイカル北海道)は日本政策投資銀行が持っていた債権133億円を譲受し、旧・マイカル北海道が持っていた61億円を合わせた別除権の付いた債権約194億円を所有した[12]。小樽ベイシティ開発の民事再生計画案では、認可決定確定後1年以内かつ一般再生債権に対する支払前に別除権協定を締結するとしていたものの、予定時期までに協定を締結できず、2005年(平成17年)に民事再生手続は協定未定のまま終結された。 2007年(平成19年)8月10日、小樽ベイシティ開発は債権を減免するため、ポスフール(現:イオン北海道)に対する特定調停の申立てを札幌地方裁判所に起こし[12][14]、この特定調停により小樽市は同年9月に差押えをいったん解除した[14]。翌2008年(平成20年)、別除権付債権の取扱いについて評価額など約29億円を一括弁済することで中間合意していた[15][16]。しかし、経営再建のスポンサーに名乗り出ていた北武グループとの交渉が難航したため、弁済期限の延長を申し入れていた[17]。 その後、北武グループは経営再建から撤退し[18]、イオン北海道など他の債権者との合意に至らなかったため、2009年(平成21年)に特定調停は取り下げられた[19]。これによりイオン北海道は2回目の特定調停が成立した後、2012年(平成24年)10月からはイオン北海道がイオン小樽店の賃料を支払わない措置などを取った[20]。 2017年(平成29年)2月10日、小樽市は特定調停の申立てにより解除していたウイングベイ小樽の土地を再び差押えた[14]。同年には企業再生ファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)のルネッサンスキャピタルがイオン北海道が保有する債権を買い取って小樽ベイシティ開発のスポンサーとなり[21][22]、債務圧縮を目的とする2度目の民事再生法適用を申請した(負債総額は約280億円)[23][24][25][26]。その後、小樽市も再び2018年3月に差し押さえを解除した。今後は、ルネッサンスキャピタルによって再建を進める[26]。
ウエルネスタウンとしての街の再生2020年(令和2年)7月、済生会北海道支部との間で小樽築港地区におけるウエルネスタウン構築に関する協定を締結。2021年(令和3年)3月にはウイングベイ小樽内に、済生会地域ケアセンターを済生会小樽病院から移転し、新規事業として発達支援センターきっずてらすを開業した。同時に地域の課題解決のための健康福祉ゾーン済生会ビレッジを開設し、ウエルネスタウン構想の基幹事業をスタートしている。[27] また、2022年(令和4年)12月にウエルネスタウンとして福祉、医療、介護系の教育機関や介護サービス付き高齢者住宅等の土地利用を可能とするため、小樽市に地区計画変更を提案し、条例の一部改訂となった。[28][29] 小樽市による支援その後、ウイングベイ小樽には正看護師養成学校の開設の構想も出たが実現しなかった[30]。 2023年(令和5年)12月14日、小樽市は小樽市保健所と小樽市総合福祉センターをウイングベイ小樽4階に2025年4月にも移転する方針を発表した[31][32]。 2024年(令和6年)12月2日、小樽市保健所・こども家庭課が1番街4階に移転した。 沿革
小樽ベイシティ開発
小樽ベイシティ開発(おたるベイシティかいはつ)は、北海道小樽市に本社を置く日本の企業。マイカル小樽の開発にあたり、マイカルグループが北海道旅客鉄道(JR北海道)などの出資によって設立した[7]。商業施設「ウイングベイ小樽」の管理運営を事業内容とする。 フロアとテナントフロア概要ホテルのグランドパーク小樽、核店舗のイオン小樽店・イオンシネマ小樽と120の専門店で構成される。
主なテナントウイングベイ小樽の出店テナント全店の一覧詳細情報は公式サイト「専門店」「フロアマップ」を、営業時間の詳細は公式サイト「主な営業時間と電話番号」を参照。 1番街![]()
2番街
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5番街
6番街 イオン
※テナント情報は2025年4月時点。 イオン小樽の出店テナント全店の一覧詳細情報は公式サイト「フロアマップ」を、営業時間およびATMを設置している金融機関の詳細は公式サイトを参照。 過去の施設やテナント撤退したテナント
過去のアトラクション
交通アクセス小樽港マリーナ、JR北海道 小樽築港駅そば、国道5号 日本海オロロンライン沿いに位置している。 鉄道バス→「札樽線 (北海道中央バス)」および「北海道中央バスおたもい営業所」も参照
自動車近隣施設脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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