アルピーヌ・A310
アルピーヌ・A310 (Alpine A310) は、フランスのアルピーヌが、親会社のルノー製自動車のエンジンなどを流用して開発し、1971年から1984年まで生産したスポーツカーである。 ラリーカーとして傑出した成績を収めたA110の後継車として開発されたが、実際にはより豪華で快適なグランツーリスモの性格が強く、A110も根強い人気のため1977年まで並行生産された。当初の搭載エンジンは直列4気筒であったが、途中でV型6気筒(PRVエンジン)に変更し、同じくリアエンジンのポルシェ・911をターゲットとするようになった。 歴史鋼管バックボーンフレーム、リアエンジン方式、FRP製車体など、基本的な構成はA110を踏襲している。一方でエクステリアは大幅に変更され、補助灯などを含む6つの角型ライトを並べ、左右を通したプレキシグラスで覆ったシトロエン・SMにも通ずる前衛的なフロントフェイスが特徴である。 デビュー当初のグレードは「1600VE」の1種類で、初期の78台にはルノー・12ゴルディーニと同じ半球型燃焼室を用いたクロスフロー・シリンダーヘッドの水冷直列4気筒1,605ccの807-20型OHVガソリンエンジンにウェーバーツインキャブレターを組み合わせ127馬力(DIN) / 6,000rpmを発生するエンジンを搭載、その後のモデルには844-30型を搭載する。1973年にはルノー・17TSゴルディーニと同じインジェクション付きの844-34型で127馬力の「1600VF」、1975年には廉価版としてルノー・16TXと同じ1,647ccの843型にシングルキャブレターを組み合わせ95馬力を発生する「VG」が追加された。 4気筒のA310は同じエンジンのA110と比較すると装備が豪華で居住性に優れる分車体が重く、A110ほどの運動性能は期待できず、アンダーパワーという評価が付いて回った。
V6モデル![]() ![]() ![]() 元シトロエンのチーフデザイナーとしてGSやCXを生み出し、シトロエンがプジョー傘下に入った後にルノーに移籍していたロベール・オプロンがフロントエンドを中心にデザインを変更したボディに、ルノー・ボルボ・プジョーの共同開発によるPRV 水冷90°V型6気筒2,664cc(150馬力(DIN)/6,000rpm)を搭載した「V6」が1976年に登場した。最高速度は220km/hに達し、ライバルのポルシェ・911にも引けを取らぬ動力性能と、高い直進性による独自の操縦性、独特のPRVエンジンのサウンドで存在感を示した。 V6は1981年にバンパー等が変更されてシリーズ2となり、翌1982年には、オーバーフェンダー、ワイドタイヤ、エアロパーツが装備された「GT」「GTブローニュ」が追加された。「GTブローニュ」のエンジンは2,842cc193馬力に強化された。 V6の方がはるかに生産台数が多いことからも、V6になってようやく本来の面目を発揮できたことが窺える。後継となるGTA(V6 ターボ)にもその基本構成とスタイリングは踏襲され、その後もスープアップと改良によりアップデートを図り、最終作となるA610まで受け継がれた。 このV6モデルは日本にも当時のルノー日本総代理店であるキャピタル企業、後に日英自動車によって輸入された。
関連項目
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