アルタイルへのメッセージ(正式名称CALL to the COSMOS'83)は、1983年にアメリカ合衆国カリフォルニア州スタンフォードの電波望遠鏡からわし座アルタイルへ向けて送信された電波である[1][2]。集英社の週刊少年ジャンプが創刊15周年を記念して行った。
送信
メッセージ子供たちの音声によるメッセージと、森本雅樹、平林久によって考案された13枚のビットマップ画像からなる[2]。旧暦の七夕に当たる8月15日に、アメリカ合衆国カリフォルニア州スタンフォードより音声メッセージと画像メッセージの送信が各30分かけて行われた。
13枚の絵では数やDNAのほか、生物の形や進化も示す。下図は送信画像の概要図で、実際は71ビット四方のビットマップである。71と71と13の積が2の16乗に近いことから、この数が選ばれた。
番号 |
画像の概要 |
解説
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1[2] |
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数、元素
(自然数、素数、3の冪乗、加法、乗法)
(元素)21.1cm
(分子とその波長)18.6cm、18.0cm、18.0cm、17.4cm、6.2cm
1.3cm、6.9mm、3.4mm
2.6mm、3.4cm×62=21.1cm
(原子構造)
それぞれ2進法で表現されている。黒で示されているものは1行目の数列が数字であることを示し、次の行から2進法の小さい桁が始まっている。
緑も1列目と4列目がが元素であることを示している。
青も同様に長さである。元来のメッセージは色分けがされているわけではないが、見やすくするためである。アレシボ・メッセージと同様である。
一番下は原子番号8の酸素と原子番号11のナトリウムを意味している。左は核子とその周りの電子を表現している。
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2[2] |
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太陽系
(赤道半径、太陽からの平均距離)
(Rの定義)10m
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3[2] |
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ヌクレオチドの構造
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4[2] |
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DNAの構造と複製
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5[1][2] |
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原始生物
0.5mm
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6[1][2] |
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クラゲ類
10cm
一番下の行はC+O2=CO2と読む。酸素呼吸を意味する。
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7[1][2] |
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魚類
50cm
周囲の文字はH2O、つまり水の中の生き物であることを表す。
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8[1][2] |
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両棲類
1m
O2×1、N2×4、つまり大気の組成を表す。
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9[1][2] |
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両棲類、は虫類、哺乳類の中間種
1m
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10[1][2] |
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類人猿
2m
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11[1][2] |
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人間
2m
(遺伝子情報数)約2億
(世界の人口)約43億
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12[1][2] |
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女性の顔
36.4cm
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13[2] |
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発信パラメータとお祝いのメッセージ
(ビットの総数)
(発信周波数=423MHz)70.8cm
(電波望遠鏡半径)23.0m
乾盃の文字の下はC2H5OH、すなわちアルコールである。
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返信
メッセージは2000年ごろにアルタイルに到着した。平林は、可能性は高くないとしつつも、もしアルタイルに知的生命がいた場合、最短で2017年に返信が期待できるとしている[1][2]。
森本と交流のあった鳴沢真也が宇宙航空研究開発機構(JAXA)に協力を依頼し、旧暦の七夕に当たる2023年8月22日に臼田宇宙空間観測所でアルタイルからの返信を観測することを決めた。鳴沢はその後も、他の研究機関にも呼びかけて観測を続ける方針だという[3]。
脚注
関連項目
外部リンク
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