P・O・P
『P・O・P』(ピー・オー・ピー)は、日本のロックバンドであるTHE MAD CAPSULE MARKET'Sの2枚目のアルバム、及びメジャーでのファースト・アルバム。 1991年11月21日にビクターエンタテインメントのInvitationレーベルよりリリースされた。 背景前作『HUMANITY』(1990年)リリース後、1991年1月にギターの室姫深が脱退する。その後、ギターとして当時ローディーをしていたISHIG∀KIが加入する。 8月21日にはシングルとして「ギチ」、「あやつり人形」、「カラクリの底」を3枚同時、さらにビデオ『ギチ・あやつり人形・カラクリの底』を同時リリースという形でメジャーデビューする。 その後、9月9日より京都ビッグバンを皮切りに全国12か所を回るライブツアーを行い、後に本作がリリースされた。 録音レコーディングは東京都中野区にあるサウンドスカイスタジオにて行われた[1]。ドラムスのMOTOKATSU(宮上元克)は、当時横浜に住んでいたため通うのが大変だったと語る[1]。また、ディレクターが本作のためにドラムチューナーの担当者を起用したが、音に不満を持った宮上が改善を要求すると、ドラムチューナーの担当者は怒って帰ってしまったという[1]。 CRA¥(上田剛士)はレコーディング前日に指を怪我しており、3本指だけで演奏している[1]。この事に関し、上田は後に「ミスだらけだけど、でもそれがまたいい感じになってるから。すげえ歯くいしばって頑張ってる」と語っている[1]。 また、KYONOは本作のレコーディングに関して、歌入れをした記憶が全くないと語っている[1]。 音楽性先行シングルの3曲である「ギチ」、「あやつり人形」、「カラクリの底」は全てシングルとバージョンが異なっている。 また、インディーズで発売した前作アルバム『HUMANITY』(1990年)からの再録音曲もある。 6曲目と最終曲の後のCDのギャップ部分に音源(曲名は不明)が収録されている。 内容はザ・スターリンやアナーキーなどの影響によるパンク色が強く、曲によっては歌詞の一部に修正音が挿入されている。 上田は本作に関し、「ただ一つ意識したのは、メジャーで出すからこそより激しいもの、よりメジャーっぽくないものを出す、自分らの攻撃的な部分を全面的に出すってこと」と語っている[1]。 KYONOは「当時のメジャーにあんまなかった激しいものを出したいっていうのは、意識してた」と語っている[1]。 歌詞の修正に関してKYONOは、「音としてその部分が『ピー』になっちゃうのがもったいないというか、言葉のリズムもあるし、そこがサビだった曲もあったから、単純に言葉があったほうがカッコいいなって思ってたんだけど。(中略)だから逆に遊んじゃったりもしたよね。消す部分を『ピー』じゃなくて『しゅぱぱぱぱー』とか変な音入れて遊んじゃったりして」と語っている[1]。 プロモーション先行シングルとしてリリースされた「ギチ」、「あやつり人形」、「カラクリの底」の3曲のミュージック・ビデオが制作されている。その映像はシングルと同時リリースされたビデオ『ギチ・あやつり人形・カラクリの底』に収録されている。 アートワークジャケットは晴れやかな南国の海の写真だが、内側には「こちらのジャケットはごみ箱にお捨てください。」というメッセージが書かれており、内部に本当のジャケットが用意されている。そのジャケットには表紙の南国の海岸が実際にあった死体の写真で覆い尽くされている。また、メンバーの顔写真が載せられている部分の背景は、局部にボカシの入った女性の裸体となっている。 ツアー本作リリースと同時に全国7か所を回るライブツアー「P・O・P TOUR」を実施している。 批評
音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「SEも効果的なサウンドはシャキッとしていて、特にうなりを上げるベースがいい」、「初期スターリンに似すぎているのと歌詞に深みがないのが惜しい」と評されている[2]。 収録曲
曲解説
スタッフ・クレジット参加ミュージシャンスタッフ
脚注
外部リンク |