『LOVE! LOVE! & LOVE!』(ラヴ ラヴ アンド ラヴ)は、1991年7月12日 (1991-07-12)に発売されたORIGINAL LOVE通算1作目のスタジオ・アルバム。
解説
数回のメンバー・チェンジを経てリリースされた、2枚組のメジャー・デビュー・アルバム。書き下ろし曲のほか、インディーズ・アルバム『ORIGINAL LOVE』[注釈 1]収録曲のリアレンジによる再レコーディング曲、田島がピチカート・ファイヴ在籍時に発表した楽曲のセルフ・カヴァー、本作レコーディング時のセッションから発展した曲を収録。メジャー・デビュー以前のキャリアが長かったバンドにとっては、これまでの活動の集大成という側面もあった。田島貴男によれば音楽的な変遷からすれば本作リリース時、バンドはすでに第四期くらいに入っていたという。そのため結成当時から考えると、すでに3枚くらいアルバムが作れていたはずだという。さらに田島は、「オリジナル・ラヴってデビュー以前に、もう何回も変わってるんです。第三期ぐらいのオリジナル・ラヴって本当に独自な、完成されたものだったと思うんですけど。そういう時期を経てメンバー・チェンジ。新しいメンバーになって一年もたたないうちに、練りきれないまま作っちゃったのがこのアルバム。そんなこともあって、自分がこれまでやってきたことを改めて一からやり直さなきゃ…みたいな気持ちが強かったですね。ある意味ですごく未完成な作品だと思います」[1]と振り返っている。
本作収録曲「BODY FRESHER」は、2007年 (2007)リリースの小西康陽選曲・解説による渋谷系コンピレーション・アルバム『bossa nova 1991: shibuya scene retrospective』[注釈 2]に収録された。
アートワーク、パッケージ
アルバム・ジャケットについて信藤三雄は、デザインの元はジミ・ヘンドリックス『エレクトリック・レディランド』で、唇に蛍光の文字は具体的に何かを元にということではなく、自身の曖昧な記憶が元になったという[2]。オリジナル盤はCDシングル用プラケースを2つ重ねたものを透明プラスチックの外箱に収納するパッケージになっている。
評価
雑誌『レコード・コレクターズ』2016年7月 (2016-07)号の特集「90年代の邦楽アルバム・ベスト100」では34位に選出。コメントで「ジャケットが象徴するように華やかでゴージャス、なにより青さが魅力の2枚組。ロック、ソウル、ジャズなど多様な洋楽を吸収しながら、“渋谷系”前夜に放たれたレア・グルーヴ感たっぷりな内容。発表したのはバンド・ブーム末期。その潮流には乗らず、まさに『オリジナル』な音楽性を追求した結晶がここに収められている」[3]と評された。
本作で第33回日本レコード大賞最優秀アルバム・ニュー・アーティスト賞を受賞。1991年12月31日 (1991-12-31)に日本武道館で行われたテレビ放送では授賞式の後、「BODY FRESHER」が演奏された。
収録曲
PART-1 (TOCT-6196)
- BODY FRESHER – (4'56")
- 作詞 · 作曲:田島貴男
- BLUE TALK – (4'52")
- 作詞 · 作曲:田島貴男
- DEEP FRENCH KISS – (4'40")
- 作詞:宮田繁男、作曲:田島貴男
- GIANT LOVE – (4'11")
- 作詞 · 作曲:田島貴男
- SWEAT AND SUGAR NIGHT – (7'24")
- 作詞:田島貴男、作曲:オリジナル・ラヴ
- FAT LOVE STORY – (4'49")
- 作詞 · 作曲:田島貴男
- TIME – (4'44")
- 作詞 · 作曲:田島貴男
- 夜をぶっとばせ – (3'43")
- 作詞:小西康陽、作曲:田島貴男
PART-2 (TOCT-6197)
- LOVE VISTA – (12'18")
- 作詞:田島貴男、作曲:オリジナル・ラヴ
- WITHOUT YOU – (5'04")
- 作詞:木原龍太郎、作曲:田島貴男
- I WANT YOU – (4'12")
- 作詞:井上トミオ、作曲:田島貴男
- DARLIN' – (4'18")
- 作詞:田島貴男・村山孝志、作曲:田島貴男
- JUMPIN' JACK JIVE – (3'12")
- 作詞 · 作曲:田島貴男
- LOVE SONG – (5'56")
- 作詞:田島貴男・森宣之、作曲:オリジナル・ラヴ
- ORANGE MECHANIC SUICIDE – (5'45")
- 作詞 · 作曲:田島貴男
クレジット
Standard of 90'sシリーズ
解説
2007年10月24日 (2007-10-24)に『standard of 90's』シリーズの一つとして、24ビット・デジタル・リマスタリング、田島貴男監修・公認盤として紙ジャケット仕様にてリリース。ボーナス・トラックとしてにPART2に2曲を収録。「BODY FRESHER (Pre-Debut CD Version)」は1990年 (1990)、メジャー・デビュー前にマスコミのみに配られた一般未発表2曲入りCD「KING OF LOVE "SOFTER AND SEXIER THAN VELVET"」[注釈 3]収録曲で、レコーディング・メンバーもメジャー・デビュー後のラインアップと異なっている。「夜をぶっとばせ (BRAND NEW MIX)」は、レコード会社移籍後にリリースされたアーティスト非監修のベスト・アルバム『The Very Best of ORIGINAL LOVE』[注釈 4]からの先行シングルとしてリリースされた未発表ミックス。エンディングもフェード・アウトせず終止まで収められ、最後に「悲しみをぶっとばせ」というフレーズが入っている。両曲とも1995年 (1995)にリリースされたシングルに収録されている[注釈 5]。
ダブル・ジャケットの内側はPART-2と同じ写真が使われている。また、復刻された歌詞カードはCDシングル用のサイズを通常のCD用にサイズ変更されているため、上下が空白になっている。また、復刻インナースリーブとは別に、表面に二見裕志によるライナーノーツ、裏面には全シリーズ共通で、太田浩と山崎二郎による監修者対談が印刷された紙が封入されている。
収録曲
PART-1 (TOCT-26390)
- BODY FRESHER – (4:54)
- BLUE TALK – (4:50)
- DEEP FRENCH KISS – (4:39)
- GIANT LOVE – (4:10)
- SWEAT AND SUGAR NIGHT – (7:23)
- FAT LOVE STORY – (4:48)
- TIME – (4:47)
- 夜をぶっとばせ LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER – (3:43)
PART-2 (TOCT-26391)
- LOVE VISTA – (12:17)
- WITHOUT YOU – (5:03)
- I WANT YOU – (4:14)
- DARLIN' – (4:17)
- JUMPIN' JACK JIVE – (3:11)
- LOVE SONG – (5:56)
- ORANGE MECHANIC SUICIDE – (5:44)
- <BONUS TRACK>
- BODY FRESHER (Pre-Debut CD Version) – (5:34)
- 作詞 · 作曲:田島貴男、編曲:オリジナル・ラヴ
- 夜をぶっとばせ LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER (Brand New Mix) – (3:55)
- 作詞:小西康陽、作曲:田島貴男
クレジット
マスタリング監修:田島貴男
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マスタリング・エンジニア:小鐵徹(JVC マスタリングセンター)
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ロゴ・デザイン:コンテムポラリー・プロダクション
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シリーズ総合監修:太田浩 ⁄ 山崎二郎(バァフアウト! 編集長)
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ライナーノーツ:二見裕志
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脚注
注釈
出典
外部リンク
- Original Love Official Web Site
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- その他
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田島貴男 |
元メンバー |
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シングル |
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アルバム |
オリジナル | |
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ベスト | |
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ライブ | |
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リミックス |
- SESSIONS (1992年8月26日 (1992-08-26))
- XL (1999年4月21日 (1999-04-21))
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カヴァー | |
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コンピレーション | |
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その他 | |
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参加オムニバス | |
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映像作品 |
- UNCHAINED (1994年9月7日 (1994-09-07))
- Original Love Tour 1996 Live at AKASAKA BLITZ (1997年4月 (1997-04))
- TV-Rex (1997年9月19日 (1997-09-19))
- Love, Sick, Devil (1998年10月7日 (1998-10-07))
- FIREWALKING (1999年12月 (1999-12))
- 太陽に吠えろ (2000年8月2日 (2000-08-02))
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関連項目・人物 | |
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