JUNK LAND
『JUNK LAND』(ジャンクランド)は、日本のシンガーソングライターである玉置浩二の6枚目のオリジナル・アルバム。 1997年9月21日にSony Recordsからリリースされた。前作『CAFE JAPAN』(1996年)より1年ぶりとなるオリジナル・アルバムである。ほぼ作詞・作曲を玉置が行い、須藤晃が数曲で玉置と詞を共作している。プロデュ-スは須藤と玉置が担当している。 レコーディングは日本国内で行われ、玉置、須藤、安藤さと子の3名でほぼ全てのレコーディングが行われた事や、前作に増して玉置の作詞の割り合いが増している事を特徴としている。音楽性としては様々なジャンルの楽曲が取り入れられており、歌詞に関しては玉置による生活環境の変化を求めたものとなっている。 先行シングルとしてリリースされ、フジテレビ系木曜劇場『こんな恋のはなし』(1997年)の主題歌として使用された「MR.LONELY」を収録している他、本作のリリースから約7年後の2004年にリカットシングルとしてリリースされ、テレビ朝日系バラエティ番組『いまどき!ごはん』(2004年 - 2007年)のエンディングテーマとして使用された「しあわせのランプ」を収録している。 オリコンチャートでは最高位9位となった。 1993年から4年間在籍したSony Recordsからの最後のオリジナル・アルバムとなった。 背景前作『CAFE JAPAN』(1996年)リリース後、玉置は「Concert Tour 1996 CAFE JAPAN」と題したライブツアーを9月13日の和光市民文化センターサンアゼリア 大ホールから翌1997年2月3日の北海道厚生年金会館まで全国42都市45公演におよんで敢行した[2][3]。しかし、同ツアー中の11月29日、腹部に異常を感じた玉置はそのままライブを行ったものの、ライブ終了後に激痛を訴え入院する事となった[4]。病名は憩室炎と診断され、腸の病気のため食事が出来ず、点滴のみで10日間過ごしたために15キロも体重が減少する事態となった[4]。12月31日にはNHK総合音楽番組『第47回NHK紅白歌合戦』に出演し、バックバンドをTOKIOが担当した上で「田園」を歌唱し59.9%の歌手別最高視聴率となった。 1997年に入り、俳優業としては1月5日から3月30日まで放送されたTBS系東芝日曜劇場『メロディ』に出演した[5]他、5月17日公開の長谷川康夫監督による映画『恋は舞い降りた。』に出演[6]、さらに7月3日から9月18日まで放送されたフジテレビ系木曜劇場『こんな恋のはなし』に出演した[7]。同ドラマの主題歌として使用された「MR.LONELY」を8月6日にリリース、オリコンチャートでは最高位15位であったが売上枚数が25.9万枚となるヒット曲となった。その他に10月9日放送のフジテレビ系テレビドラマ『コーチ』(1996年)の特番となる『コーチ スペシャル』に出演[8]、さらに10月11日放送のNHK総合土曜ドラマ『もうひとつの心臓』に出演した[9]。 録音『JUNK LAND』はまったくデモ・テープのまま。全部の楽器のリズムがきちんと合ってないんだけど、それが嬉しくてしょうがない。合ってないのに、こんなに気持ちよいサウンドってないでしょ?
玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから[10] 本作のレコーディングは1997年にソニー・ミュージック信濃町スタジオおよびセディックスタジオにて行われた。本作は前作に続き須藤晃と玉置の共同プロデュース作品となっている。 本作のレコーディングはほぼ全て玉置と安藤さと子、須藤の3名で進められた[10]。ほぼ全ての楽器を玉置が単独で担当しており、キーボードは全て安藤が担当、部分的に須藤がベースで参加している。また本作収録曲はデモテープの段階で玉置が「狙って作れるものじゃない」と非常に気に入っていたため、デモテープのままアルバムに収録される事となった[10]。 この時期に玉置はスタジオの近辺に自宅があったため、自宅へは寝るために帰る程度であり、ほぼスタジオに缶詰めとなる生活であった[11]。玉置は自宅へ招いた人物と共に風呂に入る習慣があり、須藤も毎日のように風呂に入っていたという[12]。須藤はこの件に関して「もう大変でしたよ。仕事してんのか風呂入ってんのかわからない」とコメントしたが、「しんどいと思ったことはないです。楽しかったですよ」ともコメントし、24時間体制で付きっ切りになったアーティストは玉置と尾崎豊だけであると述べている[13]。 しかし親密になりすぎた事もあり、須藤と玉置は「しばらくいっしょに仕事をするのやめましょう」と確認し合い、本作を以て須藤は玉置との共同作業から離れる事となった[14]。 音楽性本作の製作には前述のライブツアー中の急病による入院が影響しており、入院後の玉置は生活環境を大きく変える事となった[16]。本作において玉置は生活を変更する意思を明確にしており、前作『CAFE JAPAN』と共通したジャケット・コンセプトを持つ事から連作のような作品となった[10]。この件に関して安全地帯のメンバーである矢萩渉は「生き方に直結してますよね。すごく正直なんですよ。その時にしか作れないものですよね」とコメントしている[15]。 少人数で制作された作品でもあり、生活の環境を変えようとしていた玉置自身の思惑がストレートに反映されたアルバムとなった[15]。この後玉置は東京を離れて活動拠点を軽井沢へと移転する事となった[17]。 リリース1997年9月21日にSony RecordsよりCD、MDの2形態でリリースされた。 2018年8月15日にはBlu-spec CD2、紙ジャケット仕様で再リリースされた[18][19]。 アートワーク本作のジャケット写真に関して玉置は、病気になった事に影響され全裸の姿にした事や、右上に『CAFE JAPAN』のジャケットに登場した建物がある事を指摘、『CAFE JAPAN』の裏側の土地は荒れ果てた大地であった事を表現しており、積まれたスクラップの山は東京を表しているという[16]。玉置は音楽と続けていく土地として東京は相応しくないと判断し、本作を最後に一度東京を離れる事となった[10]。 ツアー本作を受けてのツアー「CONCERT TOUR 1997 "JUNK LAND"」は同年9月から12月まで全37公演が行われた。また、ツアーの中から11月22日の東京国際フォーラム公演の模様を収録したライブ・ビデオ『WE CAN BELIEVE IN OUR "JUNK LAND"』が1998年3月21日にリリースされた。 批評
チャート成績オリコンチャートでは最高位9位、登場回数6回となり、売上枚数は10.6万枚となった。 収録曲
スタッフ・クレジット参加ミュージシャン
スタッフ
リリース履歴
脚注
参考文献
外部リンク |
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