DSQS-21
DSQS-21シリーズは、ドイツのクルップ・アトラス(のちにSTN アトラス、現在のラインメタル)社が開発した中周波ソナーのシリーズ。水上艦向けのDSQS(ASO)シリーズと、潜水艦向けのDBQS(CSU)シリーズがある。 スタンダード・ソナー801980年代初期、クルップ・アトラス社は、ドイツ海軍向けのスタンダード・ソナー80の開発に着手した。これによって開発されたのが、水上艦向けのASO-80 / DSQS-21と、潜水艦向けのCSU-83 / DBQS-21である。 CSU-83は、アレイそのものは既存のCSU-3ソナーのものを踏襲しており、0.3〜12kHzで動作するシリンダー型のパッシブ・アレイと、中周波数で動作するアクティブ・ソナー送信機、2〜8kHzで動作するパッシブ測距アレイ、そしてシリンダー型パッシブ・アレイ(10kHzまでの中周波数で動作)および専用アレイ(10〜100kHzの高周波数で動作)と連接される脅威受信機によって構成されていた。その後、改良型としては、水上艦向けには電子的に安定化されたASO-85 / DSQS-21 BZが、潜水艦向けには統合化を進めたPSU-83 / DBQS-21Fも開発された。
スタンダード・ソナー90スタンダード・ソナー80シリーズに続いて、より統合化を進めて開発されたのが、スタンダード・ソナー90シリーズである。本シリーズにおいては、単に目標の追尾軌跡を出力するだけでなく、目標運動解析(TMA)が行なわれる。システムはモジュール化されており、通常は一つのモジュールが一つの役割を主に行なう。システムは、MC68030マイクロプロセッサによる32ビットのEPR-2300プロセッサおよびTMS、ADSP-2100 DSPによって構成される。典型的なシグナルプロセッサボードは、30MIPSの性能を備えたプロセッサを1基搭載しており、それぞれ240キロバイトのRAMを備えたADSP-2100と連接された3基のDSPマクロセルを使用する。 本シリーズにおいては、水上艦向けのASO-90 / DSQS-21 Mod, DSQS-23, DSQS-24と、潜水艦向けのCSU-90 / DBQS-40が発表されている。CSU-90では、CSU-83と同様の艦首ソナーに加えて、全長20〜48メートルのFAS-1フランク・アレイ・ソナー(動作周波数 10Hz〜2.5kHz)が導入されている。
参考文献
|