本記事では、2024年パリオリンピックのサッカー競技のアジア予選(アジアよせん)について述べる。
本記事では女子競技のアジア予選を詳述する。男子競技のアジア予選についてはAFC U23アジアカップ2024を参照。
大会方式
本大会はAFC(=アジアサッカー連盟)の管轄で実施される。大会方式は以下の通り[1]。
- 1次予選
- シード順の上位5チームは1次予選を免除。残るチームが7組に分かれ、それぞれ1回総当たりで対戦する。集中開催で実施される。各組1位のチームが2次予選に進出する。
- 2次予選
- 1次予選免除の5チームと1次予選突破の7チーム、合計12チームが4チームずつの3組に分かれ、それぞれ1回総当たりで対戦する。集中開催で実施される。各組1位のチームと、各組2位のチームのうち成績最上位のチーム(合計4チーム)が最終予選に進出する。
- 最終予選
- 2次予選突破の4チームが2チームずつの2組に分かれ、それぞれホーム・アンド・アウェーで対戦する。各勝者がオリンピック出場権を得る。
出場チーム
組み合わせ抽選
1次予選の組み合わせ抽選は、2023年1月12日にマレーシアのクアラルンプールにあるAFCハウスで行われた[1][2]。
シード順は2022年12月9日付けのFIFA女子ランキングにより、以下の通り定められた[1]。
1次予選出場チーム
ポット1
|
ポット2
|
ポット3
|
ポット4
|
|
|
|
|
- 注釈
- かっこ内の数字は2022年12月9日付けのFIFA女子ランキング[3]で、ランキング外(NR表記)のチームはシード順にて最下位と扱う。
- (H): 1次予選主催国。
- (N): 国際オリンピック委員会のメンバーではないため、オリンピックへの出場資格がない。
- (W): 組み合わせ抽選後に出場辞退した。
- 不参加国
日程
ラウンド
|
節
|
日付
|
1次予選
|
第1節
|
2023年4月1日,4月4日,4月5日
|
第2節
|
2023年4月4日,4月7日,4月8日
|
第3節
|
2023年4月7日,4月11日
|
2次予選
|
第1節
|
2023年10月26日
|
第2節
|
2023年10月29日
|
第3節
|
2023年11月1日
|
最終予選
|
第1戦
|
2024年2月24日
|
第2戦
|
2024年2月28日
|
|
1次予選
出場国を7つのグループに分けたが、組み合わせ抽選後に出場を辞退した国があったため、グループによりチーム数が異なることになった。各グループ1位のチームが2次予選へ進出する。各グループごとに集中開催の総当たり戦で行われた。
順位決定方式
総当たり戦において勝利したチームは勝ち点3、引き分けは1、敗戦は0点加算される。勝ち点が並んだチームについては、以下の優先順位により順位を付ける[4]。
- グループ内の全試合における得失点差
- グループ内の全試合における総得点
- 該当チーム間での直接対戦における勝ち点
- 該当チーム間での直接対戦における得失点差
- 該当チーム間での直接対戦における総得点
- 該当チーム間での直接対戦におけるアウェーゴール数(ホーム・アンド・アウェーによる総当たり戦の場合のみ)
- フェアプレーポイント(1枚目のイエローカード: -1点、2枚目のイエローカードによるレッドカード: -3点、直接のレッドカード: -4点、イエローカードを受けてからの直接のレッドカード: -5点)
- FIFAによる抽選
グループA
開催地:ウズベキスタン(UTC+5)
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
ウズベキスタン (H)
|
3
|
3
|
0
|
0
|
19
|
0
|
+19
|
9
|
2次予選に進出
|
2
|
ブータン
|
3
|
2
|
0
|
1
|
5
|
11
|
−6
|
6
|
|
3
|
ヨルダン
|
3
|
1
|
0
|
2
|
4
|
10
|
−6
|
3
|
4
|
東ティモール
|
3
|
0
|
0
|
3
|
2
|
9
|
−7
|
0
|
グループB
開催地:ミャンマー(UTC+6:30)
- バングラデシュ・ モルディブは出場を辞退した。
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
イラン
|
2
|
1
|
1
|
0
|
2
|
1
|
+1
|
4
|
2次予選に進出
|
2
|
ミャンマー (H)
|
2
|
0
|
1
|
1
|
1
|
2
|
−1
|
1
|
|
グループC
開催地:ネパール(UTC+5:45)
- パレスチナ・ アフガニスタンは出場を辞退した。
- アフガニスタンは、国外で活動していた選手が代表チームを編成しようとしたものの、同国連盟がこれを認めなかったこともあり、出場が断念されるに至った[5]。
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
ベトナム
|
2
|
2
|
0
|
0
|
7
|
1
|
+6
|
6
|
2次予選に進出
|
2
|
ネパール (H)
|
2
|
0
|
0
|
2
|
1
|
7
|
−6
|
0
|
|
グループD
開催地:タイ(UTC+7)
- スリランカは、同国連盟が2023年1月21日に国際サッカー連盟(FIFA)から資格停止処分を受けた[6]ため、出場が認められなかった。
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
タイ (H)
|
2
|
2
|
0
|
0
|
12
|
0
|
+12
|
6
|
2次予選に進出
|
2
|
シンガポール
|
2
|
0
|
1
|
1
|
2
|
8
|
−6
|
1
|
|
3
|
モンゴル
|
2
|
0
|
1
|
1
|
2
|
8
|
−6
|
1
|
グループE
開催地:タジキスタン(UTC+5)
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
フィリピン
|
3
|
3
|
0
|
0
|
16
|
0
|
+16
|
9
|
2次予選に進出
|
2
|
香港
|
3
|
2
|
0
|
1
|
5
|
4
|
+1
|
6
|
|
3
|
パキスタン
|
3
|
1
|
0
|
2
|
1
|
6
|
−5
|
3
|
4
|
タジキスタン (H)
|
3
|
0
|
0
|
3
|
0
|
12
|
−12
|
0
|
グループF
開催地:レバノン(UTC+3)
グループG
開催地:キルギス(UTC+6)
- トルクメニスタンは出場を辞退した。
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
インド
|
2
|
2
|
0
|
0
|
9
|
0
|
+9
|
6
|
2次予選に進出
|
2
|
キルギス (H)
|
2
|
0
|
0
|
2
|
0
|
9
|
−9
|
0
|
|
2次予選
1次予選を勝ち上がった7チームとシードされた5チームを4つのグループに分け、集中開催の総当たり戦で行われた。順位の決定方法は1次予選と同じ。
組み合わせ抽選
2次予選の組み合わせ抽選は2023年5月18日に行われた[7][8]。
シード順は2023年3月24日のFIFA女子ランキングにより、以下の通り定められた[7]。かっこ内はFIFA女子ランキング[9]で、ランキング外(「NR」表記)のチームはシード順にて最下位と扱う。また2次予選での組み合わせ抽選では、事前に開催地となる国・地域が3つ決まっているため、それらの3チーム(「(H)」表記)は異なる組に入るよう抽選される[7]。
グループA
開催地:オーストラリア(開催地はUTC+8)
- 当初は全試合がパース・レクタンギュラー・スタジアムで開催される予定だったが、チケットの完売を受け、10月29日の試合のみ、収容人員が多いパース・スタジアムへ変更された[10]。
グループB
開催地:中国(UTC+8)
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
北朝鮮
|
3
|
2
|
1
|
0
|
9
|
1
|
+8
|
7
|
最終予選に進出
|
2
|
韓国
|
3
|
1
|
2
|
0
|
11
|
2
|
+9
|
5
|
|
3
|
中華人民共和国 (H)
|
3
|
1
|
1
|
1
|
5
|
3
|
+2
|
4
|
4
|
タイ
|
3
|
0
|
0
|
3
|
1
|
20
|
−19
|
0
|
グループC
開催地:ウズベキスタン(UTC+5)
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
日本
|
3
|
3
|
0
|
0
|
11
|
0
|
+11
|
9
|
最終予選に進出
|
2
|
ウズベキスタン (H)
|
3
|
2
|
0
|
1
|
4
|
2
|
+2
|
6
|
3
|
ベトナム
|
3
|
1
|
0
|
2
|
3
|
4
|
−1
|
3
|
|
4
|
インド
|
3
|
0
|
0
|
3
|
1
|
13
|
−12
|
0
|
各グループ2位チームの順位
順
|
グ
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
C
|
ウズベキスタン
|
3
|
2
|
0
|
1
|
4
|
2
|
+2
|
6
|
最終予選に進出
|
2
|
A
|
フィリピン
|
3
|
2
|
0
|
1
|
5
|
9
|
−4
|
6
|
|
3
|
B
|
韓国
|
3
|
1
|
2
|
0
|
11
|
2
|
+9
|
5
|
最終予選
最終予選は2024年2月24日・28日にホーム・アンド・アウェーで開催された。
()はFIFAランキング
最終予選の組み合わせは、2次予選においてグループ2位で最終予選に進出したチームが2次予選で属していたグループによって、以下の通り決定される[12]( 太字 が最終的に適用された条件)。
2次予選でグループ2位で 最終予選に進出したチーム
|
最終予選の組み合わせ (先に書いたチームが第1試合でホーム)
|
グループA |
グループC 1位 - グループA 1位 |
グループA 2位 - グループB 1位
|
グループB |
グループA 1位 - グループB 1位 |
グループB 2位 - グループC 1位
|
グループC |
グループB 1位 - グループC 1位 |
グループC 2位 - グループA 1位
|
フォーマット
- 2試合の総得点で上回ったチームが出場権を獲得。
- 総得点が同じ場合、2戦目終了後に延長戦を行う。 延長戦でも決まらなかった場合はPK戦。
- アウェーゴールは適用されない。
2試合合計13-0でオーストラリアが出場権獲得
2試合合計2-1で日本が出場権獲得
出場国
AFCからは以下の2チームが2024年パリオリンピックのサッカー競技・女子の出場資格を得る。
出場国・地域
|
予選順位
|
出場決定日
|
出場回数
|
最高成績
|
FIFA
RANK
|
オーストラリア |
最終予選通過 |
000000002024-02-28-00002024年2月28日 |
5 3大会連続 5回目 |
04 4位 (2021)
|
11
|
日本 |
最終予選通過 |
000000002024-02-28-00002024年2月28日 |
6 2大会連続 6回目 |
02 準優勝 (2012)
|
8
|
脚注
注釈
出典
外部リンク