2011年のセントラル・リーグクライマックスシリーズ
2011年のセントラル・リーグクライマックスシリーズは、2011年10月から11月に開催された、日本プロ野球セントラル・リーグのクライマックスシリーズである。 概要クライマックスシリーズは、日本選手権シリーズの出場権を懸けたプレーオフトーナメントである。 →「クライマックスシリーズ § 実施方式」も参照
東日本大震災の影響によりレギュラーシーズン開幕が遅れたため、当初の予定日より開催日時が変更されている[1]。この年で初めてファーストステージ開催がヤクルトの本拠地の神宮球場開催となった。 なお、同年のレギュラーシーズンで実施した節電のための「3時間半打ち切りルール」は採用しなかった。 ファーストステージ2011年度レギュラーシーズン第2位の東京ヤクルトスワローズと第3位の読売ジャイアンツが3戦2勝先取制で争い、勝者がファイナルステージに進出する。 ファーストステージ限定でモブキャスト(モバプロ)が冠スポンサーとなり、「モバプロプレゼンツ クライマックスシリーズ ファーストステージ・セ」として開催する。 会期:10月29日から10月31日(予備日:11月1日 - 1日までにすべての試合が消化できない場合は打ち切り) 球場:明治神宮野球場 ファイナルステージ2011年度レギュラーシーズン第1位の中日ドラゴンズ(1勝分のアドバンテージが与えられる)とファーストステージ勝者の東京ヤクルトスワローズが6戦4勝先取制で争い、勝者が日本選手権シリーズへの出場権を得る。過去4回のクライマックスシリーズファイナル(セカンド)ステージは巨人対中日(2009年まで3年連続で巨人主管、2010年は中日主管)の組み合わせが続いたが、巨人がファーストステージで敗退し、初めて巨人が出場しないこととなった。前年度に続いて全試合先制したチームの勝利となった。 会期:11月2日から11月7日(9日までにすべての試合が消化できない場合は打ち切り) 球場:ナゴヤドーム トーナメント表
日程ファーストステージ
ファイナルステージ
試合結果ファーストステージ第1戦(10月29日)○ヤクルト 3-2 巨人●(明治神宮野球場) オーダー
巨人が4回表一死一・三塁から高橋由の適時打で先制するが、ヤクルトは5回裏二死一・二塁から代打・藤本の適時打で同点に追いつくと、6回裏には一死満塁から宮本の犠飛、続くバレンティンの適時打で勝ち越しに成功。6回からは2番手で登板した先発要員の村中が好投、最後は守護神・林昌勇が締めてファイナルステージ進出に王手をかけた。巨人はファイナルステージを見越して先発・澤村を5回で降板させたが、その直後に守備のミスから失点。最終回に大村の本塁打で1点差まで追い上げたが、反撃もここまでだった。 第2戦(10月30日)●ヤクルト 2-6 巨人○(明治神宮野球場) オーダー
巨人が4回表に阿部のソロ本塁打で先制すると、続く5回表には一死一・三塁から内海がスクイズバントを成功させて追加点を奪った。ヤクルトは5回裏二死三塁から代打・川本の適時打で1点差として試合は終盤に入るが、巨人は9回表、高橋由の満塁走者一掃の適時二塁打と寺内の適時打で4点を奪い、ここで試合の行方は決まった。巨人先発の内海は6回を投げて被安打3・1失点の好投。一方、ヤクルトは5番手で登板した守護神・林昌勇の乱調が誤算。対戦成績は1勝1敗のイーブンとなり、ファイナルステージへの切符は第3戦に持ち越されることとなった。 第3戦(10月31日)○ヤクルト 3-1 巨人●(明治神宮野球場) オーダー
ヤクルトが3回裏に相川のソロ本塁打で先制し、7回裏二死二塁から森岡の適時打、続く8回裏にも二死二塁から福地の適時打で追加点を挙げ、3投手の継投で逃げ切った。ヤクルト先発の赤川は6回2/3を被安打5・無失点の好投。巨人は第1戦同様に失策絡みで終盤に失点。最終回に小笠原のソロ本塁打で1点を返したものの、反撃が遅すぎた。ヤクルトは初のファイナルステージ進出。巨人は初のファーストステージ敗退となった。 ファイナルステージ第1戦(11月2日)○中日 2-1 ヤクルト●(ナゴヤドーム) オーダー
史上初の11月開催となったファイナルステージは、中日が吉見、ヤクルトが増渕の先発。 中日が初回1死2塁から森野の適時二塁打で先制し、3回裏にも1死2塁から森野が2打席連続の適時打で追加点を挙げた。中日先発の吉見は7回1/3を投げて被安打5・1失点。走者を得点圏に置いても、持ち前の粘り強い投球でまとめ、その後は浅尾・岩瀬の強力救援投手陣をマウンドに送り、1点差で逃げ切った。先発投手の台所事情が苦しいヤクルトは、ファーストステージ第2戦で救援登板し、2回を投げていた増渕を中2日で先発に起用したが、序盤の失点で早いイニングからの継投策を余儀なくされた。また打線は好機を作りながらもあと一本が出ず、8回表1死1・3塁から福地の内野ゴロの1点のみに終わった。中日はアドバンテージの1勝を含めて対戦成績を2勝0敗とした。 第2戦(11月3日)●中日 1-3 ヤクルト○(ナゴヤドーム) オーダー
ヤクルトは不調の畠山をスタメンから外し、4番に青木、1番には一軍公式戦出場のないルーキー・山田を抜擢するという、大胆なオーダー変更で臨んだ。試合はチェン・石川の両先発投手が共に譲らず、両軍ともに好機が作れないまま進むが、ヤクルトは8回表に代打・飯原のソロ本塁打で均衡を破ると、9回表には二死二・三塁から途中出場の畠山が2点適時打を放って中日を突き放した。ヤクルトは中3日登板の先発・石川が7回を被安打1・無失点の好投。2番手には第3戦の先発が予想された館山を送り込む継投で勝利をものにした。中日は最終回、森野のソロ本塁打で1点を返したが、打線はヤクルト左右の両輪の前にわずか2安打と沈黙。先発・チェンは好投しながらも1球の失投に泣き、救援投手陣も踏ん張りきれなかった。 第3戦(11月4日)●中日 1-2 ヤクルト○(ナゴヤドーム) オーダー
ヤクルトが2回表二死一・二塁から森岡の適時打で先制。中日は4回裏一死満塁から大島の適時打で追い付くが、ヤクルトは5回表一死二塁から青木の適時打で再度の勝ち越しに成功。この1点を守り切って対戦成績を2勝2敗のイーブンに戻した。ヤクルトはファーストステージで中継ぎに回っていた村中を先発に起用したが、制球に苦しみ3回1/3で降板。早いイニングからの継投となったが、バーネット以降の救援投手陣が要所を締めて、中日に得点を与えなかった。中日は打線がヤクルト投手陣の前に5安打に抑えられた一方で8四球を選び、再三得点圏に走者を進めたものの決定打が出ず、終わってみれば12残塁の拙攻。先発・山井も同点に追い付いた直後に失点するなど、踏ん張りきれなかった。 第4戦(11月5日)○中日 5-1 ヤクルト●(ナゴヤドーム) オーダー
中日が初回一死一・三塁からブランコの適時打、さらに二死満塁から平田の走者一掃適時二塁打で4点を奪って試合の主導権を握り、5回裏にはブランコのソロ本塁打でヤクルトを突き放した。中日先発の川井は持ち前の制球力と緩急を生かした投球で内野ゴロの山を築き、5回を被安打2・1失点にまとめると、6回からは質量ともに豊富な救援投手陣の継投でヤクルト打線を封じた。ヤクルトは3回表二死二塁から山田の適時打で1点を返したが、反撃はこの1点のみ。好機は作ったものの、追加点は最後まで奪えなかった。また先発・赤川は立ち上がりから制球に苦しみ、バックの失策も重なって、初回に致命的とも言える失点を喫した。中日は対戦成績を3勝2敗として日本シリーズ出場に王手をかけ、ヤクルトは後がなくなった。 第5戦(11月6日)○中日 2-1 ヤクルト●(ナゴヤドーム) オーダー
吉見・館山の両先発投手が序盤から中盤にかけて共に譲らず、投手戦が展開されたが、中日が6回表一死一塁から井端の2点本塁打で均衡を破った。ヤクルトは最終回二死二塁から青木の適時打で1点を返したが、反撃もここまで。最後は浅尾が畠山を三邪飛に打ち取り、1点差で逃げ切り。中日が対戦成績4勝2敗で、2年連続10度目の日本シリーズ進出を決めた。中日先発の吉見は第1戦から中3日での先発となったが、8回を被安打3・無四球・無失点。得点圏に走者を置いたのも6回表のわずか一度と、ヤクルト打線を寄せ付けなかった。ヤクルト先発の館山は第2戦の救援登板から中2日での先発。疲れを感じさせない力投で、中盤までは中日打線を封じたが、最後は1球の失投で沈んだ。 表彰選手
テレビ・ラジオ放送テレビ放送ファーストステージ放送日程
ファイナルステージ放送日程NHK BS1では、パ・リーグのファイナルステージが同時刻に開催される11月3日・4日について、臨時放送用チャンネルを用いたマルチ編成を行い、3日は101チャンネル(ハイビジョン放送)でパ・リーグの第1戦、102チャンネル(16:9標準画質放送)でセ・リーグの第2戦を同時進行で放送。4日はチャンネルが入れ替わり、101チャンネルでセ・リーグの第3戦を、102チャンネルでパ・リーグの第2戦を同時進行で放送した。
第6戦が開催された場合、以下の放送局でテレビ中継が予定されていた。
ラジオ放送ファーストステージ放送日程クライマックスシリーズのラジオ中継権は公式戦と同様になるため、ヤクルト主催となるファーストステージはニッポン放送のみが制作を行う。そのため、在阪局の朝日放送(ABCラジオ)向けの裏送り中継も担当した。
ファイナルステージ放送日程在阪局の毎日放送(MBSラジオ)と朝日放送(ABCラジオ)は在名局からのネット受けで中継を行ったが、シーズン中の中継体制に準じて、水・木曜開催の第1・2戦は中部日本放送と朝日放送、東海ラジオと毎日放送がネットを組み、金〜月曜開催となる第3戦以降は中部日本放送と毎日放送、東海ラジオと朝日放送がネットを組んで中継した。
第6戦が開催された場合、以下の放送局でラジオ中継が予定されていた。
脚注関連項目
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