鼓童
鼓童(こどう、Kodo)は、新潟県佐渡市小木を拠点に国際的な公演活動を展開するプロ和太鼓集団である。設立は1981年。 概要鼓童(こどう)という名称は、心臓の鼓動、および、子供(童)のように無心で太鼓を叩くという意味がある。 鼓童は、田耕と高山正行が立ち上げた太鼓集団「佐渡の國鬼太鼓座(さどのくに・おんでこざ)」をその前身としており、演目にある「モノクローム」(石井眞木作曲)は鬼太鼓座のために作曲された。「入破(じゅは)」は同じ作曲家が、鼓童誕生の際に書いた作品である。(鬼太鼓座からの分離独立については当該項目を参照。)また、「屋台囃子」などの民俗芸能を元とした楽曲も鬼太鼓座から受け継いだものである。鬼太鼓座の演奏は一種のストイックさが持ち味であったが、より演目や楽器の幅も広まり、わかりやすいものとなった。 「日本の伝統芸能を現代に再創造し、佐渡を拠点に、世界でコンサートを開いているプロの太鼓芸能集団」として、これまでにコンサートを開催した国は52ヶ国、総公演回数6500回(2020年11月26日現在)にのぼる。全米の主要都市、カナダ、イギリス(6都市)、ドイツ(8都市)、フランス、オーストリア、スイス、アイルランド、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、イタリア、ポルトガル、ノルウェー、フィンランド、エストニア、ギリシャ、トルコ、オーストラリア、ニュージーランド、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ、ブラジル、コロンビア、等々。 ベルリン市制750周年祭、オーストラリア建国200周年祭、ノルウェー・オスロ『ノーベル平和賞100周年記念コンサート』など、市主催・政府主催の公的イベントからの招聘も多い。海外でのコンサートライブDVD・CDなどの収益面も含め、欧米を中心に数多くのファンを持ち、ニューヨーク・タイムズでは高く評価されている[1][2]。 1994年には、アメリカ、日本公演を収録したビデオ・レーザーディスク「鼓童」が、フランス・カンヌ国際音楽産業見本市・映像音楽コンテストの「音楽ビデオ長編部門」にて最優秀賞を受賞している。 活動は、一年間の内、1/3が海外ツアー、1/3が日本国内ツアー、残り1/3を佐渡で過ごす。 毎年夏期になると、拠点の佐渡でアース・セレブレーションとよばれる国際芸術祭を主催している。 2017年には開催30周年を迎えた。アース・セレブレーションには海外から著名な奏者が招かれる他、日本国内からも様々な演奏者が集う。楽器や民族衣装などの販売も行われ、海外からの参加者も非常に多い。 正式な主催は鼓童を中心としたアース・セレブレーション実行委員会。大会長には佐渡市長が就任するなど、佐渡島をあげた祝祭となっている。助成に日本芸術文化振興会、佐渡市。後援は外務省、環境省、文化庁、新潟県、各国の大使館などが参加。 演目・楽器鼓童の舞台は和太鼓を主に使うが、笛・三味線・踊り・唄などもあり、全体で一つの流れを構成する。曲は、日本各地の伝統芸能を素材にしたもの(「大太鼓」「屋台囃子」「三宅」「山唄」「西馬音内」他)、現代音楽の作曲家などに依頼してつくられたもの(「モノクローム」「千里馬」「カデン」他)、それからメンバー自身によるオリジナル(「族」「彩」「七節」他)がある。ツアーごとに演目は異なるが、公演は通常約1時間40分である。 使用する太鼓は、宮太鼓(くり抜き胴のもの)と桶太鼓(桶胴で、ロープで締めてあるもの)と締太鼓(くり抜き胴で、ロープで締めてあるもの)に大きく分類される。宮太鼓はさらに胴の大きさ・長さによって「大太鼓」「中太鼓」「平胴太鼓」と呼ぶ。今では稀少な国産産ケヤキの胴に、牛の一枚皮が片面ごとに張った大太鼓は、面の直径は3尺8寸(1m25cm)、屋台の部分も含めると重さは400kgになる。使用する数は、国内の一般公演だと30個~50個程度になる。 近年の舞台ではティンパニやグランカッサ(バスドラム) ドラムセット、フルートなどの西洋楽器も使用される。 沿革
受賞
運営組織
鼓童村鼓童村は、伝統文化(特に民俗芸能・工芸)の調査研究や修得および再創造を通じて、特色ある地域文化を創り出すと同時に、世界中から集まった人々との交流の中から地球文化を模索し、生み出していく場である。豊かな自然と独特の文化・歴史をもつ佐渡は、こうした活動に理想的な場所である。その南端に位置する小木半島の中央部に3万坪の土地を確保し、1988年から1992年にかけて本部棟、住居棟、ゲストハウスである和泉邸、稽古場棟・工房が完成した。 鼓童村のある小木町で毎年8月第4週の土日に行われる小木港祭りには、小木港振興会より依頼を受け、祭り初日の午後に『祭り太鼓の会』として鼓童が祭りに参加している[6]。 メンバー舞台メンバー33名(男性24名、女性9名)、スタッフ31名、またこのほかに研修生、アルバイトなどを含めると、関係者は総勢で約120名程である。舞台メンバーの年齢は20代前半~60代後半まで幅広い。佐渡出身者はスタッフに数名のみ、大半が全国各地の出身者である(2017年9月現在)。 選考法研修生(スタッフ志望者も含む)は、佐渡島内の旧・岩首中学校校舎を利用した宿舎で2年間共同生活を実施、研修所修了後に準メンバー選考が行われ、さらに1年間の実地研修をした後、正式メンバー選考が行われる。 現メンバー(2024年8月現在)[7]
準メンバー•尾崎泰介 •勝部しずく (2024.8.23現在) 元メンバー
書籍
脚注関連項目外部リンク
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