飯山トンネル
飯山トンネル(いいやまトンネル)は、北陸新幹線の飯山駅 - 上越妙高駅間にある、全長22.251 km[1]の鉄道トンネルである。北陸新幹線の既開業区間では最長のトンネルであり、日本の鉄道山岳トンネルとしては東北新幹線の八甲田トンネル、岩手一戸トンネルに次いで3番目に長い。 概要長野県 - 新潟県境は、幾重にも重なる褶曲構造、膨張性の泥岩など複雑な地質構造、地質条件を持つため着工前より難工事が想定された。工事を進めていく中で、想定は現実的なものとなり、地山の膨張、メタンガスの発生が見られた[2]。前者については変位量を見込んで支保工を二重にするなど特殊な工法が採用された[3]ほか、後者についてはガス抜き用のボーリングの施工、送風量の増加などの対策が講じられた。新潟県内でかつて掘削された鍋立山トンネルにおける土木技術的経験が生かされたと言える。なお、一部工区では向斜構造(凹型の褶曲構造)を掘り抜く際には、原油がにじみ出すなど新潟県の地質らしい現象も見られた。大成建設は、本トンネルの施工において「超膨張性と高圧帯水層を有する特殊地山に適したトンネル施工技術の確立」により2008年の土木学会技術賞Iグループを受賞している。 工区工事は6工区に分割して施工された。各工区には各1箇所の斜坑が設けられた。
崩落事故2003年9月11日、上倉工区で大規模な崩落が発生、坑内に土砂が流入し、直上の地表面が陥没した。最初に崩落があったのは3時5分で、その後、22時までに合計4回の崩落が発生した。崩落箇所は、起点側坑口から3,067 mの地点の切羽天端で、流入土砂により重機などが約500 m押し流された。地表部は直径190 m、深さ30 m、容積30,000 m3に渡って陥没した[4]。 歴史
脚注
関連項目外部リンク
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