音楽 (東京事変のアルバム)
『音楽』(ミュージック) は、2021年6月9日にユニバーサルミュージックより発売された日本のバンド・東京事変のオリジナル・アルバム(フルアルバムとしては6枚目、通算では8枚目)。前作『ニュース』以来約1年2ヶ月振りのアルバムであり、フルアルバムとしては『大発見』以来約10年ぶりの発表となる。 背景2012年に一時解散した東京事変は、2020年1月1日に公式Twitter・ホームページ上にてバンドの「再生」を発表し、活動を再開した。その後2021年4月23日、活動再開後初のフルアルバムとなる本作を、「ロックの日」である6月9日にリリースすることを発表した。同時にアルバムのジャケットと、東京事変の新たなアーティスト写真も公開され、さらにアルバムの特設サイトもオープンした[10]。その後5月13日には、3月末に先行配信した「緑酒」のミュージックビデオをYouTubeにて公開し[11]、発売が迫る6月3日にはYouTubeにて、本作のティザー映像「MUSIC」を公開した[12]。 制作アルバムの制作自体はバンド再生発表前の2018年からスタートしており、最初に「緑酒」「赤の同盟」が完成した。その後も断続的に楽曲制作は行われ、2020年1月1日に正式にバンドの再生が発表された。(YouTube特番より) アルバムは、2020年の時点で「出そうと思えば出せる」状態であったといい、椎名がメンバーからバトンを渡された後は椎名個人の作業だった[1]。その後椎名は少し時間を置き、アルバムで初めて収録される曲に関しては、翌年2021年の1月から3月に詞を書いて、歌を録って、全体を仕上げた。椎名はインタビューで、「建造物を新しく建てるとき、その外壁に現地の砂を混ぜるように、作詞段階で現地の砂を混ぜて仕上げるというのが、ずっと変わらない自分のやり方」としており、「今回は、砂に混ざっている危険物が減るのを、待ちたかったのかもしれません」と述べている[1]。 音楽性本アルバムは、ヒップホップ、ファンク、ソウル、ロックなどの様々なジャンルを内包している[13][14]。また特に前半部分においてファンク色が強く打ち出されている[1]。椎名はこれに対し、「コードワークに対するメロディメイクでいったら、ファンクというよりも、どっちかというとジャズなのかもしれないです。」と述べている[1]。 リリースとプロモーション本アルバムは、通常盤と初回限定盤の2種で発売された。初回限定盤は特製ハードケース仕様となり、メンバーの制作風景を追った40ページの写真帖「仕事中」が封入されるほか、配信のみでリリースされてファンからCD化が望まれていた3曲入りマキシシングル「赤の同盟」のCDが付属する。また各チェーン店ではポスター、メガジャケット、ポストカードといった購入先着特典が用意された[10]。 またバンドメンバーは、アルバム発売に前後して多数のメディアに出演した。5月14日にミュージック・ステーションに出演すると、先行配信した新曲「緑酒」をテレビ初披露[15]。6月4日には、YouTubeにてトーク番組「東京事変の花金ナイト『アジトなう。』」が生配信され、東京都内の某所メンバーの椎名林檎、亀田誠治、刄田綴色、浮雲、伊澤一葉が集まり、待望の新作にまつわる5人の思いが明かされた[16]。アルバム発売前日6月8日夜には、テレビ東京系「WBS」に椎名林檎がインタビュー出演した[17]。アルバム発売後の6月10日には、NHK総合にて東京事変の特番「NHK MUSIC SPECIAL 東京事変 ~人類と快楽~」が放送。番組では、「永遠の不在証明」「丸ノ内サディスティック」や、本作に収録されている「闇なる白」「緑酒」の4曲がフルサイズでパフォーマンスされた[18]。6月11日からは、4週連続YouTube企画「東京事変の花金ナイト」がスタートした[19][注 1]。6月13日には、テレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」にて東京事変特集が放送された。ゲストとして、King Gnuの常田大希や勢喜遊らが出演した[20]。6月18日には再びミュージック・ステーションに登場し、本アルバムから「銀河民」を披露した[21]。さらに翌日6月19日には、スペースシャワーTVにて特番「V.I.P. -東京事変-『スペシャのヨルジュウ♪』SPECIAL」が放送された。番組には東京事変から椎名林檎、伊澤一葉、浮雲が登場が登場し、ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)とR-指定(Creepy Nuts)とともに関するトークを行った[22]。7月に入ると、14日にフジテレビ系音楽特番「2021 FNS歌謡祭 夏」に[23]、17日にTBS系音楽特番「音楽の日2021」に[24] 出演し、本作収録曲を披露した。 2023年現在、本アルバムを引っ提げたツアーは行われていない。 チャート成績本アルバムは発売初週に、Billboard JapanにてCD売上2位 (43,599枚)、デジタル1位 (4,363DL) を獲得し、総合アルバムチャート「Hot Albums」で初登場2位を記録した[25]。またオリコン「週間アルバムランキング」では初週42,904枚を売り上げ、2位で初登場を果たした[6]。 収録曲各曲解説本作は、椎名が2019年に発表したアルバム『三毒史』の地続きのようなアルバムとなっているため、奇数曲に男性ボーカルが参加している(『三毒史』では偶数曲に男性ボーカルが参加)。なお収録曲のタイトルの多くに色名が入ってることに対して、椎名は「タイアップ作品の都合で、たまたま赤と青ができてしまって。まだ音楽というテーマもアルバムタイトルも決めていなくて、『カラフルな音楽にするのもいいなぁ』とだんだん思った」と話している。またフルアルバムとしては初めて全編英語詞の曲が収録されていない。
全作詞:椎名林檎 全編曲:東京事変(「一服」を除く)、椎名林檎(「一服」)
タイアップ
脚注注釈出典
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