長野総合車両センター(ながのそうごうしゃりょうセンター)は、長野県長野市西和田二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)首都圏本部管轄の車両基地および車両工場。
1888年(明治21年)5月1日に官設鉄道開業に併せて開設された長野機関庫を前身にもつ車両基地で、工場のある場所にはかつて平林城があり、1930年(昭和5年)には長野都市計画が認可され、城山公園と同規模の平林公園の建設が予定されていたが、戦時中の用途地域制限解除期間中に鉄道省長野工機部の工場が建設された[4]。
日本国有鉄道(国鉄)時代は長野工場と称し、車両検査・修繕だけでなく、蒸気機関車などの製造も行った。同じ敷地内には配置車両がある基地(長野運転所→長野第一運転区→北長野運転所、略号「長ナノ」)もあったが、1991年(平成3年)7月1日に長野工場と北長野運転所を統合し長野総合車両所が発足[5]、その時JRの在来線では初めて、車両基地と車両工場を一体化させた区所となった[注 1]。2004年(平成16年)6月1日に現名称に改称した[5]。
国鉄分割民営化によるJR東日本継承後から長野支社の管轄であったが、2022年11月に首都圏本部管轄内の車両センターとなった。それに伴い同センターの所属略号も「長ナノ」から「都ナノ」に変更された[6]。
当センター内には周知の埋蔵文化財包蔵地として、南側には平林城址と記した石碑が立ち[7]、国鉄車両基地遺跡[8]、西和田遺跡[9]がある。
歴史
配置車両に記される略号
- 旅客車 -「長ナノ」…長野支社を意味する「長」と、長野を意味する電報略号の「ナノ」から構成される。「都ナノ」は使用されていない。
- 機関車 - 〔長野〕[注 2]
整備車両に記される略号
- 「長野総合車セ」(「長野工」→「長総車所」→「長野総合車セ」と推移。)
- 「NN」(「長 Naga」と「野 No」の頭文字をそれぞれ採ったもの)
- 現在は「長野総合車セ」が主流。
業務内容と職場
当センターの主な業務は、車両の検査・修繕・改造である。また、車両配置もあるため車両基地の機能も有しており、車体の清掃業務なども行っている。
当センターには鋳物職場があり、鋳鉄制輪子やNN46ブレーキライニング(ブレーキパッド)などを製造している[13](後述を参照)。
さらに首都圏・近郊地域で使用された電車の廃車に伴う解体作業も実施している[14][注 3]。
下記にセンターの業務について、項目別に説明する。
検査担当形式と配置区所
出典:JR東日本テクノロジー株式会社HP 事業紹介
- 電車
- 気動車
上記の担当形式の他にも改造・機器更新等と同時に検査を行う場合がある。
2015年までは新潟車両センター所属車も当センターが検査を担当していたが、北陸新幹線が開業したことにより長野駅 - 直江津駅間がしなの鉄道北しなの線・えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインにそれぞれ経営分離されたことから、回送経路が全線JR線の大宮総合車両センターへ移行されている。
改造・機器更新など
しなの鉄道115系の塗色変更やリニューアル改造[15]、京葉車両センター所属の205系0番台を富士急行6000系への改造を施工[16][17][18][19]などの実績がある。
その他
2019年10月に首都圏でJR東日本と乗り入れを行っている相模鉄道の相鉄10000系10701F(E231系がベースの車両・なお10000系はJR東日本へ乗り入れは行っていない)が、機器更新のため同車両センターまで甲種輸送により入場[22]し、その後2020年1月に同車両センターからかしわ台車両センターまで甲種輸送された[23]。大手私鉄の電車がJRの工場へ入場するのは、大宮総合車両センターへ入場した小田急4000形に続き2例目となったが、こちらは、JR貨物のEH200形に牽引されたため甲種輸送で行われた[22][23]。
鋳物職場
前述したとおり、当総合車両センターでは鋳物職場を有しており、以下に示すもの(鋳物製品以外もある)を製造している[13]。
車両解体
|
|
|
解体線に留置中の、運用を離脱した車両群
|
|
|
もとより当センターや近隣の車両センターに所属する車両の解体を行なっていたが、2005年から開始した鉄道博物館の建設に伴い、大宮総合車両センターでの解体作業が終了したため、首都圏で使用された電車の廃車に伴う解体は、当センターへと機能を移した[14][注 3]。
JR以外の車両ではしなの鉄道115系が当センターで解体されている。
配置車両
2023年4月1日現在の配置車両は以下の通り[1][2]。
電車
|
気動車
|
機関車
|
客車
|
貨車
|
合計
|
192両
|
20両
|
0両
|
0両
|
0両
|
212両
|
電車
- 211系(192両)
- 6両編成(N601 - 614編成)14本、3両編成(N301 - 327・331 - 339編成)36本が配置されている。
- N601 - 606編成(0番台)およびN317 - 327編成(1000番台)はセミクロスシート、N607 - N614編成(2000番台)およびN301 - N316・N331 - N339編成(3000番台)はロングシートとなっている。
- 3両固定編成(1000・3000番台)は単独運用のほか2編成を連結した6両編成でも運用されるが、6両固定編成(0番台・2000番台)は単独運用のみで各番台共通運用である[注 4]。
- 2013年3月15日より、大糸線(松本駅 - 信濃大町駅間)で運用を開始し、翌16日のダイヤ改正より本格的に8編成(N301 - 305・331・332・339編成)が導入され、信越本線(篠ノ井駅 - 長野駅間)、篠ノ井線(全線)、中央本線(塩尻駅 - 富士見駅間)でも営業運転を開始した[24][25]。
- 2014年3月15日のダイヤ改正では、新たに12編成(N306・311 - 313・316・320・333 - 338編成)が導入され、中央本線(富士見 - 立川間)およびJR東海の中央本線(塩尻駅 - 中津川駅間)、飯田線(飯田駅 - 辰野駅間)まで運用範囲が広がった。また、これに伴い115系の半分以上が置き換えられた。
- 2014年10月までに16編成(N307 - 310・314・315・317 - 319・321 - 327編成)が転入し、1000番台と3000番台が出揃った。
- 2014年5月から0番台6両固定編成の転入が始まり、同年6月1日より運用を開始した。2015年10月までに2000番台と合わせて6両固定14編成(N601 - N614編成)が転入し、115系を完全に置き換えた。
気動車
- キハ110系200番台(18両)
- 両運転台構造のキハ110形12両(225 - 236)、片運転台構造のキハ111形・キハ112形2両編成3本(210 - 212)が配置されている。
- 飯山線(長野駅 - 豊野駅間北しなの線相互直通運転)と上越線・信越本線(越後川口駅 - 長岡駅間)で運用される。ごく稀に他線での臨時列車に投入されることもある。
- 全車両が特急「秋田リレー」で使用されていた300番台の改造編入車で、同列車の運転終了後、普通列車用に内外装が大幅に変更された。
- キハ110-235, 236は座席配置が独特だった「眺望車ふるさと」から飯山線観光列車「おいこっと」用に再改造され、2015年4月4日より同観光列車として運行されているが、平日や運休日を中心に定期運用に就く場合がある。
- HB-E300系(2両)
-
キハ110系200番台
-
キハ110系おいこっと
-
HB-E300系
過去の配置車両
電車
- 115系
- 1986年から2019年まで1000番台が配置されていた。
- 2015年3月14日のダイヤ改正までは中央本線(立川 - 塩尻 - 中津川・岡谷 - 辰野 - 塩尻間)、大糸線(松本 - 信濃大町間)、篠ノ井線(全線)、信越本線(篠ノ井 - 柿崎間)、飯田線(飯田 - 辰野間)およびしなの鉄道線(篠ノ井 - 軽井沢間)の普通列車で運用された。しかし、同日のダイヤ改正において信越本線長野 - 妙高高原間がしなの鉄道北しなの線およびえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインへと経営分離されたことにより、C編成を除く115系の長野支社管内での定期運用は終了[27]。また、しなの鉄道区間への当車両センター所属115系の乗り入れも終了した。さらに211系の導入が進んだことで、2015年10月をもって、C編成を含む115系の定期運用が全て消滅した。
- C編成は2007年3月に松本車両センターから転入した車両で、主に中央東線で運用されていた。また2010年(平成22年)12月のダイヤ改正までは、通常時は豊田車両センターM40編成を充当していた快速「むさしの号」代走運用に投入されたケースがある。
- N1 - 16編成は東海旅客鉄道(JR東海)がATS-P(ATS-PT)導入以前に使用していたATS(ATS-ST)に対応しているためJR東海管内である中央西線・飯田線やしなの鉄道線への入線が可能で、2007年にJR東海所有の115系が全廃となった後も引き続き2014年のダイヤ改正まではJR東海区間へ乗り入れていた。
- 全編成がセミクロスシートである。ただしN29編成は一時期、ロングシート化された。
- 塗装は基本的には長野色であったが、訓練車N15編成は湘南色であった。なお、2013年から2014年にかけてC1編成が横須賀色に、N9編成が湘南色に塗装変更された。
- C5 - 11編成および、N1・3・5 - 7・11 - 14・16・21・24 - 26・28・29・32・33編成は、内装などの更新を施工したリニューアル車両。
- 2014年3月15日のダイヤ改正以降、211系が追加導入されたことに伴い、多くの編成が廃車となった(C2・4 - 14編成、N2・4・5・8・10・16・22 - 24・26・28 - 33編成)。また、C3編成、N3・6・11・14・25・27編成は2015年3月15日までに、N9編成は2015年12月16日付で新潟車両センターへ転出した。
- 北陸新幹線金沢延伸に伴い信越本線(長野駅 - 直江津駅間)が経営分離された際、しなの鉄道に3両編成5本(N1・7・12・13・21編成)が譲渡された。
- C14編成、N4編成が引退、廃車されたことにより、当センター所属の115系長野色は消滅した。
- C1編成についても、2015年10月28日に定期運用を離脱し、同年11月22日のさよなら運転「ありがとう115系C1編成」をもって、完全に運用を離脱し、2015年11月25日付けで廃車となった。これにより、長野支社管内では115系全ての運用が終了した。
- 定期運用終了後も長野総合訓練センターに訓練用の3両編成(N15編成)1本が配置されていた[28]が、2019年10月15日付けで廃車され[29]、配置が消滅した。
- 183・189系
- 定期運用離脱前は、N102編成が平日朝に塩尻 - 長野間で運行される快速「おはようライナー」に充当されていた。
- 信越本線の長野 - 直江津間が経営分離されるまでは、普通・快速「妙高」や、しなの鉄道線の快速「しなのサンライズ号」などでも運用された。
- 主に、1997年の北陸新幹線(高崎 - 長野間)先行開通以前に在来線のエル特急「あさま」で運用されていた189系を、普通車のみの6両編成に組み替えた編成である。
- N101編成は制御車に房総・総武特急で使用後、「あずさ」で運用されていたクハ183-1525・1528が組み込まれていた。これは臨時特急「はまかいじ」を当センターで担当することになった際、京浜東北線・根岸線へ乗り入れることからATC-6形搭載の必要があったためで、元々東京地下駅乗り入れ用にATC機器室を装備していた同番台車が松本車両センターから転入したものである。
- N104編成は大宮総合車両センターからの転属車であり、2013年7月30日から運行を開始した。なお、N104編成は「妙高」などの定期運行列車には充当されず、「あずさ」の臨時増発時など、主に臨時列車として用いられていたが、2015年3月に廃車となった。また、車体の老朽化および189系電車の余剰化に伴い、N103編成も同月に廃車となった。
- また、183系2両が組み込まれていた国鉄色のN101編成についても2015年5月17日のさよなら運転終了後に廃車[30]、183系は廃形式となった。
- 2015年以降もN102編成が配置されていたが[28]、2019年3月ダイヤ改正で定期運用を離脱し、2019年6月25日付けで廃車[31]、配置が無くなるとともに、189系は廃形式となった。
- 485系
- 1000・1500番台→5000・5500番台6両編成1本(N201編成・ジョイフルトレイン「彩」)が配置されていた。
- 老朽化が進んでいた14系「浪漫」の置き換え用として、新潟車両センター所属の1000番台T21・T22編成から改造され、2007年1月5日付けで転入、同月21日に運用を開始した。その後2015年7月1日に交流機器の使用停止により5000番台へ改番、2017年9月30日のラストラン列車「ありがとういろどり号」をもって営業運転を終了し、同年10月20日付で廃車され[32]当センターで解体された。
- 165・169系
- 1968年に一部が新製配置され、信越本線の急行「信州」「妙高」「とがくし」や篠ノ井線の急行「天竜」「かもしか」で運用された。1978年に信越本線急行の特急化に伴い、多くが松本運転所に転出した。残存した4両編成はJR化後も長野県内の普通列車や篠ノ井線・飯田線直通の快速「みすず」で運用されていた。
- 1998年に一部が松本所属車と組成変更の上、しなの鉄道へ譲渡された。同年12月には115系1000番台の転入やE127系の運用開始により定期運用が消滅した。以降は波動用や115系のリニューアル改造に伴う代走で運用されていたが、2001年12月に最後の3両編成2本が廃車されたことで配置が消滅した。
- しなの鉄道譲渡車は2012年まで有料快速列車「しなのサンライズ・しなのサンセット」を中心に運用されていた。
- 489系
- 1986年に金沢運転所から200番台(N301 - N303編成)が「あさま」運用分として転入し、配置されたものである。
- 運用は「あさま」「そよかぜ」に限定され、「白山」「能登」など北陸本線へ乗り入れる運用はなかった。
- 1997年9月30日の特急「あさま」廃止に伴い順次廃車され、当センターで解体された。
- 381系
- 70系・80系
- 信越本線用の車両が配置されていた。
- 1972年3月ダイヤ改正に神領電車区などから転入し、70系は4両または6両編成が信越本線(軽井沢駅 - 柏崎駅間)で運用され、80系は横軽対策施工車で組成された6両編成が信越本線(高崎駅 - 直江津駅間)で運用された。
- 381系の新製増備により配置に余裕がなくなったため、1975年3月に全車両が松本運転所に転出。この頃にパンタグラフが狭小トンネル対応型のPS23形に換装され、転出後は中央本線でも共通運用されるようになった。
- その後1978年に松本運転所に新製投入された115系1000番台によって全車両が置き換えられている。
- クモヤ90形
- 中央本線狭小トンネル対応車の低屋根車800番台2両(801・805)が配置され、主に構内入れ換え用に使用されていた。
- 1993年9月1日に805が廃車され、801もクモユニ143形の転入により1997年11月4日に廃車され配置が消滅した。801は東京総合車両センターにて廃車後も保管されていたが、2010年2月に解体された。
- クモヤ143形
- クモヤ143-52の1両が配置されていた。
- 2018年3月17日付けで松本車両センターより転入し[33]、篠ノ井線の冬季霜取り運用についていたが、E127系などに置き換えられて以降は構内入れ換えに使用されている。
- 2022年8月2日付けで廃車。以降は本線走行が不可能となったが、2022年10月現在も構内でのみ入換用機械という位置付けで稼働している。
- クモユニ143形
- 1996年12月5日から廃車されるまでクモユニ143-1・3の2両が配置されていた。
- クモユニ143-3は2018年8月4日付けで除籍され[34][35]、東京・大宮総合訓練センターの訓練用機械に転用された。
- クモユニ143-1も2019年10月15日付けで廃車され[29]、廃形式となった。
-
115系
-
189系 あさま色
-
189系
-
485系 彩
-
169系
-
489系200番台
-
381系
-
クモヤ143-52
-
クモユニ143-1
気動車
- キハ58系
- 1997年にキハ110系に置き換えられるまで、飯山線で運用されていた。
- 塗色は、飯山線用の青と白を基本としたツートンカラーに、赤、橙色、黄色の三色の帯が斜めに入っていた。
- 運用終了後は廃車解体された。
- キハ52形
機関車
- DD16形ディーゼル機関車
- 11号機が配置されていたが、キヤE195系やHB-E300系の台頭と老朽化により2021年12月27日付で廃車となった[36]。これにより、DD16形はJR東日本では廃形式となった。
- 主に小海線や飯山線などの非電化区間で臨時列車や工事臨時列車の牽引に充当された。
客車
12系
- 波動用の座席車と、簡易お座敷車、そして正規お座敷列車のジョイフルトレイン「白樺」が配置されていた。
- 「白樺」は当センターの工場部門の前身である長野工場で、1983年に改造されたものである。
- 「白樺」は1995年に後継車として登場した14系「浪漫」に置き換えられ引退、1996年に廃車された。
- 14系
- 波動用の座席車と、お座敷列車のジョイフルトレイン「浪漫」が配置されていた。
- 「浪漫」は当センターの前身である長野総合車両所で1995年に改造されたもので、両端車にガラス張りの展望室を備えた。
- 「浪漫」は2007年に485系ジョイフルトレイン「彩(いろどり)」に置き換えられ引退、廃車された。
長野総合訓練センター
長野総合訓練センター訓練線
当センター南に併設される長野総合訓練センターは、鉄道車両の運転技術をはじめ、事故処理、連結作業、緊急時の対応などといった、乗務員に求められる技能を地上設備や車両を使用し実習するための施設である。
訓練線は、訓練用車両を留置するための基地線が3線、訓練走行をするための訓練線(電化済み)が東西に約300メートル敷設されている。東端には訓練用ホーム「あさま駅」が設置され、西端には「しなの駅」がそれぞれ設置されている。
訓練用機械には、京浜東北線で運用されていた209系電車の中間車(モハ208-40・モハ209-40)を先頭化改造した2両編成を使用し、他に車掌車と入換動車が使用されている。
1991年に訓練車が配置されてから2019年に現行の車両になるまでは専用の115系電車が3代にわたって使用されており、0番台のN00編成、300番台の2代目N00編成、1000番台のN15編成と推移している。
-
長野総合訓練センター(2022年12月4日)
-
訓練用機械(2023年10月)
115系電車 訓練車 編成表
編成
|
クモハ115形
|
モハ114形
|
クハ115形
|
使用年
|
N00
|
1
|
1※
|
611
|
1991年 - 2002年
|
N00(2)
|
326
|
362
|
392
|
2002年 - 2007年
|
N15
|
1074
|
1180
|
1222
|
2007年 - 2019年
|
- ※:車両番号はモヤ114-1
- N00編成(初代)のうちモヤ114-1は元モハ114-801、クハ115-611は元サハ115-1である。
長野スキルアップセンター
ここでは実際の鉄道車両を車両に搭載される装置の可動部を直接見ることができるように改造したもので、車両部品や機器を扱う作業員に対する教育を中心に使用される。
- 車両は京葉線で運用されていたクハ204-118を廃車後、長野色に塗装変更したものを使用。
- ドア稼働部はサハ209-556を解体後、稼働可能な状態に復元したものを使用。
-
クハ204-118(2023年10月)
-
サハ209-556ドア稼働部(2023年10月)
保存車
当センターでは博物館等での保存が見込まれる車両や余剰となった車両を屋外留置線で保存している。下記は2023年10月現在、確認されている保存車である。
屋外留置される車両は通常時をはじめ、一般公開の際も非公開となっている。
屋外留置されている車両
静態保存されている車両
-
115系T1040編成
-
EF65 1104
-
253系Ne-01編成
-
189系N102編成
-
クハ111-249
過去に屋外留置されていた車両(現在は解体済み)
- モハ188・189 - 32・40
- クモヤ143-8・9
- ED62 1
- EF62 3
- EF63 15・19
- DD16 1・302
一般公開
毎年(2020年から2022年を除いた)10月上旬に「JR長野鉄道フェスタ」(旧 「長野総合車両センターふれあいまつり」)を開催してセンター内を一般公開している。
2019年開催時の主な内容
- 車両展示(交検庫・修繕庫・工場棟)
- 電車床下探検隊(クモヤ143-52を展示)
- 工場・訓練センター公開
- 運転シミュレーション体験
- トラバーサー乗車体験
- 鉄道グッズ・部品販売
- Nゲージ鉄道模型展示
- 記念弁当(限定100個販売)
また、開催に伴って専用駐車場の用意や長野駅から同センター近隣のJR貨物北長野貨物基地まで30分間隔で無料シャトルバスを運行した[38]。
その他エピソード
配置車両以外の車両留置
当センターでは配置車両や検査入場以外での営業運転に使用される車両の留置も行っており、定期運用では篠ノ井線・信越本線等で運用される松本車両センター所属のE353系電車・E127系電車のほか、「特急しなの(名古屋 - 長野間)」で運用される東海旅客鉄道神領車両区所属の383系電車が乗り入れている。
臨時運用では、首都圏方面などからの団体臨時列車や臨時の「特急あずさ(新宿 - 松本間)」で運用されるE257系電車がある。
蒸気機関車の検査
梅小路蒸気機関車館開設当初、保存蒸気機関車の整備は当センターの前身の一つである長野工場で行っており、多くの車両は最後の全般検査を長野工場で受けている。また、C51形239号機の外装復元も行なっている。その後、現役蒸気機関車の全廃に伴って長野工場での整備を終了し、営業継続機関車については鷹取工場に引き継がれた。鷹取工場の閉鎖後は梅小路運転区で整備が行われている。
回送線
2015年3月14日に北陸新幹線が金沢駅まで延伸したことに伴い、信越本線・長野駅 - 直江津駅間が経営分離されたが、長野駅から当センターまでを連絡する回送線は経営分離後のしなの鉄道北しなの線とは別に敷設されているため、経営分離の影響は受けていない。
車両製造
長野工場時代は、車両を製造した実績があり、以下にそれを示す。
脚注
注釈
- ^ 当センターのように、車両工場と車両基地の機能を同じ敷地内でもつ車両基地は、JR東日本では新幹線総合車両センターや東京総合車両センターがあり、他にJR西日本網干総合車両所、東武鉄道南栗橋車両管区、相模鉄道かしわ台車両センターなどが該当する。なお、JR北海道の苗穂工場(JR貨物苗穂車両所も含む)も同じ敷地内に車両配置の基地があるが、そこは苗穂運転所という名称である。
- ^ 「長」で始まる名称を持つ他区との区別のため。長万部機関区の区名札にも「長」は使われず、「万」の旧漢字である「萬」とされていた。
- ^ a b JR東日本テクノロジーHPの長野支店の事業所紹介では「JR東日本長野総合車両センター内で、在来線車両の定期検査、改造工事、ブレーキ部品・転落防止外ホロの製造、廃車解体などの業務を行っています。」と記載されている[14]。
- ^ 後述の通り、115系3両編成がJR東海区間への直通運用に充てられていた時は搭載しているATSの関係上一部の編成がJR東海区間への直通運用に充てられていたが、211系に置き換えられた時はJR東海の在来線全線でATS-PTが導入された後であり、3両編成は全ての編成がJR東海区間に乗り入れる。
出典
参考文献
- 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2013年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2013年版「製造部門を持つ鉄道工場 長野総合車両センターを見る」30-42P
関連項目
座標: 北緯36度39分28秒 東経138度12分53.6秒 / 北緯36.65778度 東経138.214889度 / 36.65778; 138.214889