長谷川 億名(はせがわ よくな)は、日本の映画監督。
経歴
栃木県那須塩原市生まれ。
中学時代、ハーモニー・コリンの映画「ガンモ」を再生したテレビ画面を、ホームビデオカメラで撮影したことをきっかけに、映像を作り始める。
2006年頃よりウィリアム・フォークナーのヨクナパトーファ・サーガからとった、Yokna Patofa名義で作品を発表。インターネット上で国内外のアーティストと交流し、公式、非公式に映像制作を始める。2010年頃より、フィルムカメラによる写真撮影も始める。
2012年、この頃出会ったKID FRESINOを主演に、「日本零年三部作」を着想。2014年、ガジェットを使用しない思考実験SFである、「イリュミナシオン」を完成させる。
また、映画制作の際、日本風の名前で活動するため、国民的な漫画家・長谷川町子の姓とヨクナという愛称を組み合わせ、「長谷川億名」という名義を新たに作る。
2015年、長編作品「デュアル・シティ」を監督。第15回ニッポン・コネクションにおいてニッポン・ヴィジョンズ審査員特別賞を受賞[1]、SCI-FI LONDON FILM FESTIVAL[2]、BOSTON SCI-FI FILM FESTIVAL、ほか、シドニー、サンティアゴなど各国の映画祭で上映され、日本映画としては珍しい本格的なSFへのアプローチが高く評価される。[3]
2017年、第9回恵比寿映像祭において、日本零年シリーズの特集上映が行われる。
2019年、第69回ベルリン国際映画祭タレント部門に監督として招待。
2020年、飛鳥時代の伝承「海女の玉取り物語」に登場する海女と、葛飾北斎による江戸時代の春画「蛸と海女」の海女を同一人物として解釈した短編映画「海女の珠取り物語 -北斎の海女と蛸に基づいて The Pearl Diver's Tale - After Hokusai's Ama to Tako」を監督。ダンサー・振付家の奥野美和、詩人のShin Yu Paiとコラボレーションを行う。新型コロナウィルス感染症流行の影響でオンライン開催された NorthWest Film Forum のCadence 2020にて特別賞となる "Wild Card" Honorable mention awardを受賞。
同年、モントリオールのシアター・カンパニー Infrarouge の演出家、マリー・ブラッサール(Marie Brassard)の新作舞台、"Violence"のドラマトゥルクを務めることを発表。FTA (Festival TransAmériques)での上演を皮切りにスタートする予定であったワールドツアーもまた、2021年以降に延期された。[4]
特徴
人物
作品
映像作品
映画
- イリュミナシオン illuminations(2014)- 監督・撮影・脚本・編集
- デュアル・シティ Dual City(2015)- 監督・脚本・編集
短編映画
- 始祖鳥なんとかかんとかの死 第一章 鎖骨の消失 The last day of archaeopteryx Chapter 1 the vanishment of clavicular(2005)
- 海女の珠取り物語 -北斎の海女と蛸に基づいて The Pearl Diver's Tale - After Hokusai's Ama to Tako (2020)
- 虚祀鼎 The Uncarved Block (2020) - 山井隆介との共同監督
ビデオ
- ポップ・グループ「Forces Of Oppression」 (2007)- 監督、撮影、編集
- DARKSIDE MIRRORS「TELEPHONE」(2007)- 監督、撮影、編集
- In Broken English「Time is a thief」(2008)- 監督、撮影、編集
- Milhaven「The east is red」(2008)- 監督、撮影、編集
- Susan Matthews「Splinters」(2008)- 監督、撮影、編集
- HTRK「Look Down the Line」(2009)- 監督、撮影、編集
- Stormy (2010) - 監督、撮影、編集
- Rahole (2010) - 監督、撮影、編集
- lloy「scaredy catty / New wave ver」 (2010) - 監督、編集
- HTRK「Eat Yr Heart」(2011)- Fan video - 監督、編集
- Evade live documentary in Mush・room Macau (2016) - 監督、撮影、編集
- Vessel「Paplu (Love That Moves the Sun)」(2019)- Fan video - 監督、CG制作
写真
- アセンション・リバー Ascension River(2013)
- KID FRESINO「Conq.u.er」カバー(2015)- 撮影
- 67eyes (2017)
テキスト
- Poetic Response For Barry Doupé (100 Amiga paintings、Wil Aballe Art Projects、2017)
書籍
- 67 eyes (SPACE CADET、2017)
ミックス・テープ
- Amoeba(29:59 project、2017)
展覧会
受賞
- 2013年、第36回 キヤノン写真新世紀 入選(佐内正史選)。
- 2015年、第15回 ニッポン・コネクション(フランクフルト)、ニッポン・ヴィジョンズ審査員特別賞。
- 2020年、NorthWest Film Forum-Cadence 2020 "Wild Card" Honorable mention award
脚注
関連項目
外部リンク