蛸と海女
![]() 『蛸と海女』(たことあま)は、鉄棒ぬらぬら(葛飾北斎)による文化11 (1814) 年[1] の艶本(春画)『喜能会之故真通』(きのえのこまつ・全三巻)中の一場面である。 なお、「蛸と海女」は通称であり、原本にそのような題は記されていない。 女性(海女)が2匹のタコに捕らえられ、性的快楽を受ける様を描いている。小蛸の方からは口吸い(接吻)を受け、大蛸は彼女にクンニリングスしている。 右の画のように、背景が喘ぎ声や局部からでる音等、詞書で満たされているのが本編の特徴である[1]。 先行する類似作品として、北尾重政の艶本『謡曲色番組』や勝川春潮の艶本『艶本千夜多女志』などが知られており、北斎がこれらを参考にした可能性が考えられる[要出典]。 このタコは吸盤の大きさがそろっていることからメスであるとの説もある。 台詞
いつぞハいつぞハと、ねらいすましてゐたかいがあつて、けう(今日)といふけう、とうとう、とら(捕ら)まへたア。ても(ママ)、むつくりとしたいいぼぼた(ママ)。いもよりハ、なを(尚)、こうぶつだ。サアサア、すつてすつて、すいつくして、たんのふ(堪能)させてから、いつそ、りうぐうへつれていつて、かこ(囲)つておこうか。 ![]()
ズウツズツズツニ、チユツチユチユツ、ズウツズウツ、フゝゝゝウ。アレ、にくいたこだのう。うフゝゝゝ。ヱゝ、いつそ、アレアレ、おくの、フゝゝゝ、こつぼのくちをすハれる(吸われる)ので、いきがはづんで、アゝヱゝモ。イツク(一句)、『それなア、いぼ(疣)で、ヱゝフウフウ、いぼで、ヱゝフウフウ』。そら、われをいろいろと、ヲゝヲゝアレアレ、こりやアどうするのだ。アゝヨウヲゝヲゝヲゝホヲゝ、アゝレヱヲゝヲゝ、いゝいゝ、ヲゝいゝいゝいゝ。ハアゝ、アゝいゝいゝ、ハアいゝ、フゝゝゝウ、フゝゝゝウ、まただヨウヨウ。いままで、わたしをば、人が、アア、フゝゝゝウゝウゝウゝ、たこだ、たこだといつた(言った)がの、ヲゝフゝウゝウゝ、どふして(どうして)どふして、ヱゝヱゝ、この、ヲゝ、ヨヨヨウ、サアデヱハ(さては)、アゝアゝアゝ、ズウズウズウ、ひちやひちや、ぐちやぐちや、じゆつちうちゆちゆちゆ、ぐうぐう、ズウズウ。なんと、八ほんのあしのからミあんばい(塩梅)ハ、どふだ(どうだ)どふだ。あれあれ、中がふくれあがつて、アゝアゝ、ゆ(湯)のやうなゐんすい(淫水)、ぬらぬらぬら、どくどくどく。ヱゝ、モゝウ、くすぐつたくなって、ぞつぞつと、こしにおぼへ(覚え)がなくなって、フゝゝゝウ、フゝゝゝウ。きり(切り)もさかい(境)もなくの、ヲゝヲゝヲゝ、いきつづけ(行き続け)だアな。アゝアゝアゝ、アレアレ、ソレソレ、ウゝゝくゝゝ、フンムフウム、ウゝウゝ、いゝヨいゝヨ。
おやかた(親方)がしまふ(しまう)と、また、おれがこのいぼで、さねがしら(核頭)からけつのあなまで、こすつてこすつて、き(気)をやらせたうへ(上)で、また、すいだしてやるにヨ、チウチウ。 引用
これは様々な芸術家により引用され、様々な作家にインスピレーションを与えている。
17世紀より、類似したテーマの海洋生物と女性が性行為に及ぶ題材で、多くの根付が彫られている。現代に於いても、所謂「触手責め」の嚆矢として認識されている。 脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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