会田誠
会田 誠(あいだ まこと、1965年10月4日 - )は、日本の現代美術家、アーティスト[1][2]。ミヅマアートギャラリー所属[3]。 来歴1965年、新潟県新潟市に生まれる。父は社会学者で新潟大学名誉教授の会田彰。また本人によると、母親はフェミニストであった[4]。 小さい頃は授業中に走り回るなど落ち着きがなく「いまでいう典型的なADHD(注意欠陥・多動性障害)」[5]だったという。「基本的に飽きっぽくて同じ絵を繰り返し描くことができない」と本人が語っている[6]。 新潟県立新潟南高等学校卒業後、代々木ゼミナール造形学校を経て、1989年東京芸術大学油画専攻卒業、1991年東京芸術大学大学院修了(油画技法材料第一研究室:佐藤一郎)。在学中に小沢剛、加藤豪らと同人誌『白黒』(1 - 3号)を発行。1993年、レントゲン藝術研究所で開催された「fo(u)rtunes part2」でデビュー。 2003年には、会田自身の制作を追ったドキュメンタリー映画『≒会田誠』(ビー・ビー・ビー株式会社)が公開。 2005年、写真「Girls Don't Cry 2003」の一つが香港クリスティーズにおいて9253ドル(約110万円)で落札された。 2012年11月10日には渡辺正悟監督によるドキュメンタリー映画『駄作の中にだけ俺がいる』が公開。 私生活現代美術家岡田裕子と2001年に谷中墓地で式を挙げ結婚した。会田は、岡田裕子の半生を描いたドキュメンタリー風ドラマ『ふたつの女』(監督・ダーティ工藤、2007年)にも出演した。 息子は会田寅次郎[7]。 論争・訴訟森美術館での問題2012年12月に森美術館で開催された個展「会田誠展: 天才でごめんなさい」の際に、性暴力に反対する市民団体が、児童ポルノで性的虐待を肯定する表現として、公共空間である美術館で展示することを問題視した[8]。「食用人造少女・美味ちゃん」、「犬」シリーズ、等身大のゴキブリの像と女性が性行為をしている様子の写真は性的虐待を肯定しており、女性の尊厳を傷つけていることなどを取り上げた[9]。また、美術評論家の松岡久美子は「欧米の美術館では決して許されない、女性は弱い立場であってこそエロとして感じる男性の見方が背景にあるのではないか」と疑問を呈した。美術館側は「われわれが作者の業績をたたえるためにも網羅するために展示する必要があった」と説明した[10]。それに対し、米国の法務研究者であるダグラス・マクレーンは、「欧米ではこのような女性やこどもへの暴力を賛美するような絵が美術館で公開されることはほぼ無く、国によって法律は異なるが、仮に違法でなくとも展示が避けられるのは、このような絵の展示は性暴力を正当化するという市民の共通の認識があるからだ」と森美術館の展示を厳しく批判した[11]。一方、一部の欧米のメディアからは、会田の作品は日本における "bad boy" 目線の象徴的芸術として受け取られている[12]。 東京都現代美術館での問題2015年7月に東京都現代美術館で開催された子ども向けの企画展「おとなもこどもも考える ここは誰の場所?」にて、会田家名義で発表された作品「檄」について、同館から撤去、または改変が要請されたとして物議を醸した[13]。市民からの一件の抗議を受けての都、美術館側の判断であった。同館はおよそ一週間後、要請を撤回。作品は会期中そのまま展示された[14]。 京都造形大学での問題2018年4月から6月に京都造形芸術大学・東京藝術学舎で開かれた全五回別々の講師が来る社会人向け「ヌードを通して、芸術作品の見方を身につける」という公開講座を受講していた39歳の美術モデルの女性が、5月15日の第3回ゲスト講師会田の講義も受講した。女性は、これが大学の授業なのかと激しい衝撃を受け、急性ストレス障害を発症、「作家の作品の是非ではなく、環境を作り出したことが問題だ」「大学は、セクハラ禁止のガイドラインをもうけており、公開講座を運営するにあたっても、セクハラ対策をすべき」「作家の作品の是非や、セクハラ言動そのものでなく、そうした環境を作り出したことに問題があった」として、大学側を提訴した。これに対し、会田は「僕は芸術が『落ち着いた文化教養講座』の枠に押し込められることへの抵抗を、デビュー以来大きなモチベーションとしてきた作り手だ」とツイッター上で反論した。また、女性は男性器が露出した作品を何枚も拡大して見せる第5回目の鷹野隆大の講義に関しても、自分自身が過去に露出狂に遭遇した経験を思い出すとして、問題だとした。鷹野は、講義に当たって、これから見せる作品に男性器が写ったものがあるが、見たくない人は挙手すればその写真は省くと事前に通告したが、誰も挙手しなかったため、見せたと弁明した。女性は裁判の焦点は、あくまでも会田の作品が芸術か、わいせつかという視点ではなく、大学側の企画・運営責任の追及にあるとしている。大学を運営する学校法人「瓜生山学園」に対して、慰謝料など計約333万円を求める訴訟が起こされた[1][2]。判決は2020年12月4日、東京地方裁判所(伊藤繁裁判長)にて言い渡され、約35万円の賠償を命じた[15]。 作品
展覧会(出典:[20])
注釈
関連項目外部リンク
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