血の轍
『血の轍』(ちのわだち、Blood on the Tracks)は、ボブ・ディランが1975年に発表した15枚目のスタジオ・アルバム。 ビルボード200チャートで1位[1]、全英アルバム・チャートで最高4位を記録した。RIAAよりダブル・プラチナ・ディスクに認定されており[2]、ディランのスタジオ・アルバムの中でもベスト・セラーとなったアルバムである。 『ローリング・ストーン』誌による大規模な投票「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」(2020年版)において9位(ディランのアルバムでは最上位)にランクインした[3]。 解説レコーディング『血の轍』は、アサイラムからコロムビアに戻って最初にリリースされたアルバムとなった。レコーディングは、1974年9月にディラン自身のプロデュース、フィル・ラモーンのエンジニアリングによりニューヨークで行われた。11月リリース予定だったのだが、直前になってディランがそれをキャンセル。12月にミネアポリスで弟のデヴィッド・ジマーマン(David Zimmerman)により集められた地元のセッション・ミュージシャンを起用して数曲を録り直し、5曲を差し替えてアルバムは1975年1月にリリースされた。 楽曲シングル・カットした「ブルーにこんがらがって」は、ビルボードでチャート最高31位を記録した。 "You're A Big Girl Now"という言い回しはスタイリスティックスの同名ヒット曲になぞらえたもの。また、歌詞中の"But what's sense of changing horses in the midstream"という行はその当時ヒットしていたタワー・オブ・パワーの"Don't Change Horses"のパロディ。 表ジャケットについて表ジャケットは絵画のようなディランの横顔だが、これは写真のフィルムに特殊な加工をしてプリントし着色したもの(オリジナル)。この写真は、1974年1月トロントのメイプル・リーフ・ガーデンズ(Maple Leaf Gardens)での2ndコンサートの際、カナダ・オンタリオ州を拠点にしている写真家ポール・ティル(Paul Till)が撮影したものである。プレスでさえも無断でディランの写真撮影は厳しく禁じられていたため、ポールは自費でチケットを購入しポケットにライカIIIを忍ばせて、巨大スピーカーに近い前列横方向から、許可なくその姿を撮影したのである。後日ディランのオフィスの住所を調べ、プリントした写真を直接送ったところジャケットに使用されることになった。ただし、ディラン側から何のフィードバックもなかったとのことである[4]。 裏ジャケットについてこのアルバムには、裏ジャケットが三種類存在する。
収録曲全曲ボブ・ディラン作詞・作曲 Side 1
Side 2
アウトテイクミネアポリス録音は、「ブルーにこんがらがって」、「きみは大きな存在」、「愚かな風」、「リリー、ローズマリーとハートのジャック」、「彼女にあったら、よろしくと」の5曲。「きみは大きな存在」のオリジナル・ニュー・ヨーク・ヴァージョンが『バイオグラフ』(1985年)に収録されている。 『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』(1991年)には、ニュー・ヨーク・セッション時の録音による「ブルーにこんがらがって」、「愚かな風」、「彼女にあったら、よろしくと」と、未発表になった「コール・レター・ブルース」が収録されている。 映画『ザ・エージェント』(1996年)に「嵐からの隠れ場所」のオルタネイト・ヴァージョンが挿入歌として使用され、サウンドトラック盤と『ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン』(1997年)に収録されている。 パーソネル参加ミュージシャン
制作スタッフリリース日本2004年、再発CDがオリコン・チャートで最高248位を記録した[5]。
脚注
関連項目外部リンク
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