若林真

若林 真（わかばやし しん、1929年4月3日[1] - 2000年3月14日）は、日本のフランス文学者・作家・翻訳家・批評家。慶應義塾大学名誉教授。

新潟県佐渡郡生まれ[1]。1948年、慶應義塾大学文学部予科に入学[1]。1949年、新制の慶應義塾大学文学部に入学[1]。翌年、仏文学専攻に進学[1]。同窓に山川方夫、田久保英夫がおり、親しく交流した[1]。在学中は小説を執筆したり、『三田文学』で批評を行ったりした[1]。1953年、慶應義塾大学文学部仏文学専攻を卒業[1]。1956年、慶應義塾大学文学研究科仏文学専攻修士課程修了[1]。1959年、同大学院博士課程満期退学[1]、慶應義塾大学文学部助手[1]。1961年同専任講師[1]、1965年同助教授[1]、1970年同教授[1]。1972年、大学紛争で心身を疲弊したことから、小説「海を畏れる」を執筆し、『新潮』に掲載された[1]。1980年、慶應義塾大学理事[1]。

1995年、定年退職[1]、名誉教授。

著書

• 『海を畏れる』文芸春秋、1973年
• 『絶対者の不在』第三文明社、1973年

翻訳

• 『蠱惑の夜』（ジョルジュ・バタイユ、大日本雄弁会講談社） 1957、のち改題『C神父』（二見書房、ジョルジュ・バタイユ著作集） 1971
• 『小説の時代』（G・ブレー,M・ギトン、佐藤朔共訳、紀伊国屋書店、現代文芸評論叢書） 1959
• 『ロベルトは今夜』（ピエール・クロソウスキー、遠藤周作共訳、河出書房新社） 1960、のち河出文庫 2006
• 『ジル』（ドリュ・ラ・ロシェル、集英社、世界文学全集、20世紀の文学10） 1968

  『ジル』上・下（国書刊行会、1945：もうひとつのフランス1） 1987.7

• 『快楽の館』（アラン・ロブ＝グリエ、河出書房新社、今日の海外小説） 1969 、のち河出文庫 2009
• 『ロンドンの夜 / 聖遺骨』（アンリ・トマ、田中倫郎共訳、白水社、現代フランス小説） 1971
• 『背徳者』（ジッド、講談社文庫） 1971
• 『イザベル』（ジッド、講談社、世界文学全集） 1974
• 『キリスト教文学の世界 1 (J・グリーン / ジッド)』（主婦の友社） 1977.3

  「モイラ」（J・グリーン、福永武彦訳）

  「地を旅する者」（J・グリーン、川村克己訳）

  解説「キリスト教は肉欲を否定するか - 「モイラ」をめぐって」（遠藤周作）

  「狭き門」（ジッド、若林真訳）

  「汝も亦…」』（ジッド、若林真訳）

  解説「「狭き門」はキリスト教小説か」(遠藤周作)

• 『内部』（エレーヌ・シクスス、新潮社、新潮・現代世界の文学） 1978.2
• 『夢の貨幣』（マルグリット・ユルスナール、集英社、世界文学全集24 ユルスナール） 1978

  『夢の貨幣』（マルグリット・ユルスナール、白水社、ユルスナール・セレクション） 2001.10

• 『さようなら、友よ』（パトリック・ベッソン、読売新聞社） 1982.4
• 『癩者への接吻 ほか』（モーリヤック、春秋社、モーリヤック著作集1） 1982
• 『歓待の掟』（ピエール・クロソウスキー、永井旦共訳、河出書房新社） 1987.10
• 「アンドレ・ジッド代表作選」全5巻（アンドレ・ジッド、慶應義塾大学出版会） 1999.6

  第1巻『詩的散文』

  「アンドレ・ワルテルの手記」

  「アンドレ・ワルテルの詩」

  「ナルシス譚」

  「ユリアンの旅」

  「愛の試み」

  「地の糧」

  「新しい糧」

  第2巻『ソチ』

  「パリュード」

  「鎖が解けたプロメーテウス」

  「法王庁の抜け穴」

  第3巻『レシ 第1部』

  「背徳者」

  「放蕩息子の帰宅」

  「狭き門」

  「田園交響楽」

  「汝も亦……」

  第4巻『レシ 第2部』

  「エル・ハジ」

  「イザベル」

  「女の学校」

  「ロベール」

  「ジュヌヴィエーヴ」

  「テセウス」

  第5巻『ロマン』

  「贋金つかい」

  「贋金つかいの日記」

参考文献

• 『日本近代文学大事典』（日本近代文学館編、講談社）

出典

1. ^ 「若林眞教授 略年譜・主要論文・著訳書一覧」『藝文研究』第67巻、慶應義塾大学藝文学会、1995年3月、13-21頁。 

関連項目

• 日本の小説家一覧