空中要塞グレイプニル空中要塞グレイプニル(くうちゅうようさいグレイプニル、英: Gleipnir)は、バンダイナムコゲームスのPlayStation Portable用フライトシューティングゲーム『ACE COMBAT X Skies of Deception』に登場する架空の兵器。 レサス民主共和国が開発・建造した超大型戦略飛行艇で、その巨大な機体から「空中要塞(Airborne Fortress)」と呼ばれている。艦名は北欧神話に登場するグレイプニルに由来する。本稿では同iOS用『ACE COMBAT Xi Skies of Incursion』に登場するグレイプニルの試作機・ガンド(Gandr)も扱う。 概要レサス民主共和国が開発・建造した超大型戦略飛行艇。レサス軍の最高司令官であるディエゴ・ギャスパー・ナバロが組織するレサス軍産複合体の広告塔的な機体でもあり、商品の一つとして量産化も計画されていた。光学迷彩、衝撃波弾道弾「SWBM」、衝撃波砲「ショックカノン」など数々の新技術が投じられた機体で、その技術はレサスが開発した次世代攻撃機「フェンリア」の開発にも応用された。なお、試作機としてほぼ同様の機体構造を持つガンドが存在している。 特徴多数のエンジンを一体化した高翼配置の巨大な主翼と水平尾翼上に4枚の垂直尾翼を持つ漆黒の機体で、衝撃波弾道弾「SWBM」による遠距離空域制圧や、衝撃波砲「ショックカノン」による広域対地爆撃能力を有する他、光学迷彩システムを始めとしたステルス能力によってレーダーによる探知や、目視での視認も困難という高度な隠密性を持つ。巨大な機体の全体が迷彩機構で覆われており、コックピットも外観からは確認出来ない。乗員数は千数百名以上である[1]。 武装面ではSWBMやショックカノンといった特殊兵装の他に、機体各所に短射程SAMや機銃を装備。機動性に関しては大質量故に鈍重だが飛行安定性には優れており、超大型機にもかかわらず短時間であれば45度近い高迎角での飛行や背面飛行すら可能となっている。しかし、これらはあくまでも可能であるというだけで、実際にそういった機動をする事は想定されていない。グレイプニルの着陸に耐え得る滑走路は限られているため、開発初期の設計段階から大型河川や洋上に着水可能な飛行艇としての能力を持たされている[2]。 特殊兵装グレイプニルは以下の3つの兵装を備えるが、試作機のガンドはSWBMのみを備える。
戦歴
オーレリア戦争の緒戦でレサス軍は勝利を重ねており、オーレリア領の60%以上を瞬く間に制圧していたが、オーレリア空軍のファルコ隊によっていくつかの敗北も喫していた。グリスウォールは持ちこたえており、パターソン港から出港した無傷のオーレリア軍艦隊はレサス海軍機動部隊の包囲網を突破しグリスウォールに向けて北上していた。これを受けてレサス空軍の上層部は開発部門の反対を押し切り、完成間近だったガンドの投入を決定した。北上するオーレリア軍艦隊に対し、ガンドはSWBMを発射して水上で炸裂させ艦隊を壊滅に追い込んだ。しかし航空戦力の撃破はできず、艦隊を護衛していたファルコ隊と交戦状態に突入した。ガンドはSu-37戦闘機からなるキマイラ隊の護衛を伴っていたものの、ファルコ隊の攻撃を受けて撃墜された。結果的にガンドは失われたものの、オーレリア軍艦隊を撃滅しグリスウォールへの救援を断ったことの戦果は大きく、続くグレイプニルの投入によってグリスウォールは開城し、開戦から10日でレサス軍はオーレリア領の95%を占領することに成功する。
レサス軍将兵にオーレリアへの侵攻が通達される一週間前にナバロ司令官の采配でフランク・バーリントンが艦長となった[4]。 グレイプニルはガンドが撃沈されてから程なくして実戦投入された。SWBMによる圧倒的な制圧能力と姿無きグレイプニルのプレッシャーはオーレリア軍の戦意を喪失させるに十分で、緒戦でのレサス軍の快進撃の原動力となった。グリスウォールはグレイプニルの存在によって無血開城を余儀なくされた[3]。 レサス軍によるオーレリア侵攻開始から10日が経過し、オーレリア領の95%を占領下に置いたレサス軍は、その仕上げとしてオーレリア西南部に唯一残ったオーレリア軍のオーブリー空軍基地への空爆支援にグレイプニルを投入した。辺境の基地の制圧作戦に投入する戦力としては明らかに過剰ではあったが、これには重要な広告塔であるグレイプニルの活躍を望んでいたレサス軍上層部の意向があったと見られている。空爆作戦は基地所属の航空隊により阻止されたものの、グレイプニルが発射したSWBMにより敵航空隊に大きな損害を与えることに成功した。しかし、偶然にも一部のオーレリア軍機がSWBMによる撃墜を免れ、一定高度以下を飛行する航空機や地上目標に対しては効果が低いというSWBMの欠点がオーレリア軍に露呈した。 空爆作戦の終了後、グレイプニルはオーレリア南端に構築した補給拠点の一つ、ターミナス島に後退した。オーレリア中南部の渓谷地帯スタンド・キャニオンで立ち往生していた敵地上部隊に対して、弾道弾による長距離攻撃を行った。オーレリア軍は反攻作戦を実施した。グレイプニルはオーレリア軍に存在を知られていなかったショックカノンを使用して大打撃を与えるが、損傷を受けて長距離攻撃を中止せざるを得なくなり、オーレリア南部の要衝サンタエルバまで後退した。 行き過ぎた快進撃はレサス軍に油断を生み、再編されたオーレリア軍に各地の戦闘で敗北を重ねた。グレイプニルも後退を続け、オーブリー基地での戦闘以降はSWBMの解析も進み、その威光も陰りを見せていた。勢いを増すオーレリア軍はサンタエルバへと進攻を開始した。グレイプニルは致命的な損傷を受け、街中央を流れるレナル河に墜落し、付近一帯に響き渡る大爆発を起こして爆沈した。グレイプニル墜落によるサンタエルバの被害は河川に墜落した事で奇跡的に極めて軽微であったが、一方のグレイプニルでは千数百名に及ぶほとんどの搭乗員が戦死し、レナル河には折れたグレイプニルの主翼が墓標の如く残された。 参考資料
脚注注釈出典
関連項目 |