独り芝居の道化師
『独り芝居の道化師』(原題:Script for a Jester's Tear)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、マリリオンが1983年に発表した初のスタジオ・アルバム。 背景マリリオンのデビュー・シングル「マーケット・スクエア・ヒーローズ」(1982年)はデヴィッド・ヒッチコックによってプロデュースされたが、フィッシュによれば、EMIは「よりモダンなプロデューサーを起用すべき」と判断し[4]、最終的にはシン・リジィやToyah等の作品を手掛けたニック・タウバーが本作をプロデュースした[5]。収録曲の中には、デビュー前にバンドを脱退したディズ・ミニット(ベース)とブライアン・ジェリマン(キーボード)が作曲に関与したものもある[6]。 シングル「マーケット・スクエア・ヒーローズ」のジャケットの絵を描いたマーク・ウィルキンソンが、本作のジャケットも引き続き手掛けた。ウィルキンソンはRockpages.grによるインタビューにおいて、本作のジャケットのイメージを「ゴミゴミした部屋の中で成功を目指している孤独なソングライター」と説明している[7]。また、マリリオンが次作『破滅の形容詞』(1984年)で発表した「パンチ&ジュディ」や「彼女はカメレオン」といった曲は、本作のジャケットに描かれた事物がヒントになって生まれた[4][7]。イギリスでは、ジャケットの絵を使用したピクチャー・ディスク仕様のLPも発売されている[8]。 反響・評価本作は1983年3月26日付の全英アルバムチャートで初登場7位となり[9]、31週チャート圏内に入るヒットを記録した[1]。本作からの先行シングル「ヒー・ノウズ、ユー・ノウ」は全英シングルチャートで35位に達し、その後「ガーデン・パーティ」がシングル・カットされて全英16位に達した[1]。 スウェーデンでは1983年6月14日付のアルバム・チャートで42位を記録[2]。アメリカでは本作がBillboard 200で175位に達し、シングル「ヒー・ノウズ、ユー・ノウ」は『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートで21位を記録した[3]。 John Franckはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「過剰とも言えるほど難解で複雑でシアトリカル」「なおもバンドの最高傑作であり続け、彼らが後に発表していく作品の基準となっている」と評している[10]。 収録曲特記なき楽曲はデレク・ディック(フィッシュ)、スティーヴ・ロザリー、マーク・ケリー、ピート・トレワヴァス、ミック・ポインター、ディズ・ミニット、ブライアン・ジェリマンの共作[6]。
1997年リマスターCDボーナス・ディスク
参加ミュージシャンアディショナル・ミュージシャン
脚注
|
Portal di Ensiklopedia Dunia