烏帽子岳 (鈴鹿山脈)
烏帽子岳(えぼしだけ)は、岐阜県大垣市と三重県いなべ市にまたがる鈴鹿山脈の北部に位置する標高865 mの山。続ぎふ百山に選定されている[3]。 概要山容が「烏帽子」に似ていることが、山名の由来である[4][5]。平安時代の末期に、熊坂長範がこの山を拠点として旅人を襲ったという伝説がある[2][4][6]。三重県では昔から「熊坂山」と呼ばれていた[7]。古くから北側の山麓は、大垣市上石津町から鈴鹿山脈の五僧峠を越えて滋賀県彦根市に至る要路であった[2]。 以前の2万5千分1地形図には、山頂の点名「烏帽子岳」の三等三角点[1]の90 mほど西に最高点である標高点972の数値が表記されていたが[8]、現在は表記されていない[9]。山麓周辺では、炭焼窯跡が見られる[10][11]。山麓の集落からは三角錐の端正な山容を望むことができ、[10]「美濃富士」とも呼ばれている[5]。「冠橋付近から見た烏帽子岳」が、大垣市景観遺産の一つに指定されている[12]。 山頂付近にはツツジ科のホンシャクンゲやベニドウダンの岐阜県下有数の群落があり、岐阜県自然環境保全条例により北斜面の山域は、1979年(昭和54年)12月28日に「烏帽子岳自然環境保全地域」に指定された[13]。山頂の北西1.6 kmには、時山バンガロー村(キャンプ場)がある[14]。 登山登山道各方面からの以下の登山道がある[15]。 2009年には「時まちづくり実行委員会」や「大垣山岳協会」などの人々により細野ルートの烏帽子岳登山道が開設され、大垣市が登山口の「烏帽子岳林間広場」を整備した[16]。2009年(平成21年)5月17日にその記念式典が開催された[17]。 春には山頂付近の登山道でイワウチワやカタクリなどの花が見られる[8]山頂からは、麓の上石津の集落や養老山地、伊勢湾などを望むことができる。一部の登山道は送電線の巡視路となっていて、階段が設置されている箇所がある。
植物山域の登山道では、イカリソウ、イワウチワ、カタクリ、ベニドウダン、ホンシャクナゲなどの花が見られる。牧田川を挟んで東側にある養老山地の笙ヶ岳西山腹(大垣市上石津町一之瀬)にもホンシャクナゲの自生地があり、国の天然記念物に指定されている[21]。
地理周辺の山鈴鹿山脈の北部の主稜線上にある三国岳から東に派生する尾根上にある。この尾根は北の岐阜県側を流れる牧田川と南の三重県側を流れる員弁川の分水嶺となっている。山頂から南南東1.1 kmの稜線上には、狗留尊岳(標高772 m)がある。
源流の河川交通・アクセス
脚注
参考文献
関連項目 |
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