深井だんじり祭り深井だんじり祭り(ふかいだんじりまつり)は、大阪府堺市中区深井周辺で行われる野々宮神社の秋祭り。 概要深井地域には各自治会に全部で8台のだんじりがあり、泉北1号線(大阪府道34号堺狭山線)を境に2つの地区に分かれる。
毎年10月の第一土曜日と翌日曜日(平成24年度は10月6日・7日)に行われる。2日間の祭礼には、早朝午前6時頃から一斉に各町のだんじりを各々のだんじり小屋から曳き出し、準備を始める。初日は「宵宮(よいみや)」、2日目は「本宮(ほんみや)」と呼び、大阪府堺市中区深井清水町にある野々宮神社に宮入する。両日とも深井地域内を曳行(えいこう)し、夜間は午後7時頃から午後10時頃までだんじりに100~150個ほどの提灯が装飾された「灯入れ曳行(ひいれえいこう)」を行う。また、本宮の2週間前の日曜日(平成24年度は9月23日)には、祭礼に先立って「試験曳き」と呼ばれる、曳行コースの路面状況確認や、だんじりの走行状態確認・調整が行われる。東部連合、西部連合共に、自地区内でそれぞれ東部連合パレード、西部連合パレードを行う。南海泉北線深井駅周辺での八町連合パレードも行われ、駅前の下り坂を一気に駆け下りた後の、右方向へのやりまわしは最大の見せ場(通称「りそな前」)であり、多くの観客を集める。祭礼時には、管轄署である、中堺警察に曳行許可を取って曳行され、周辺道路は通行禁止、または交通規制が敷かれる。 安全曳行祈願試験曳きや宵宮の日の早朝には、野々宮神社にて神前に榊と玉串を奉納し安全曳行祈願を行い、御神酒を授かる。曳行関係者全員が出席する。 出発式出発に際して行われる。町内会長を始め、曳行責任者などが挨拶をし、安全曳行祈願で授かった御神酒で乾杯する。 やりまわしだんじり祭り最大の特徴にして見せ場である「やりまわし」は大阪弁の「やって回す」が転訛したものと「槍を廻す」を言い換えたものとがあると言われる。京都の祇園祭の鉾では、車輪の下に、割った竹を敷いて滑らせる「辻まわし」を行う。祇園祭発展系の、飛騨高山祭の山車は、「戻し車」という進行方向に対して横向きに付けられた車輪を使い、変則の三輪となって角を曲がる。だんじり祭りでは、慎重に角を曲がるのではなく、走りながら直角に向きを変える。その迫力とスピードにおいては、だんじり祭りを上回るものは無いと言える。だんじりを前へ曳く青年団、旋回のきっかけをつくる前梃子(まえでこ・まえてこ)、舵取り役の後梃子(うしろでこ・うしろてこ)、後梃子に合図を送る大工方(だいくがた)、それぞれのタイミングを合わせるのが難しく腕の見せどころである。転倒や衝突の事故が最も多い場面であり、高度な技術を要する事から、速く正確に「やりまわし」を行うには、それぞれの持ち場を受け持つ各団体の息が合うことが重要となる。このため、多くの地域や地区においては、夜間の灯入れ曳行時には合図の視認性が低いことや、路面の状況を把握しにくい等の理由から「やりまわし」を行わない。しかし、深井地区のだんじり祭りでは、夜間の灯入れ曳行時にも、「やりまわし」が行われ、宵宮の夜八町連合パレードは非常に有名で多くの観客が訪れる。他の地域、地区にはみられない深井だんじり祭りのみの特徴である。 セレモニーパレードの開始前に各町の青年団によって行われるセレモニー。数百発の大型クラッカーを使うなどしてパレードの雰囲気を盛り上げる。 仕舞太鼓祭りを終え、だんじりを小屋へしまうときに行われる普段とは違った太鼓の打ち方。夜遅くではあるが、2日間の嵐のような祭りを終えた人たちの喜びと別れがある。 だんじりだんじりの型
装飾だんじりには、「彫り物(ほりもの)」と言われる彫刻が随所に彫られている。「彫り物」の題材は、「天の岩戸開き」等の神話や、「大坂夏の陣」等の戦記が多く各町のだんじりにそれぞれの趣きがあり、だんじり愛好家の中には、「彫り物」を熱心に観察する人も多い。祭礼時には、幕や金綱(きんつな)交差旗(こうさばた)で飾り、後部には祭礼旗(さいれいばた)と町旗(ちょうばた)を立て曳行する。 鳴物(なりもの)だんじり囃子には、大太鼓・太鼓・鉦・笛を用いる。これらと、その鳴らし手及び、だんじり囃子の総称を「鳴物」という。曳行中にはだんじり同士がすれ違う際、休憩時、喪中の家の前を通過する際(家人が鳴物を止めなくても良いという場合もある)以外途切れることはなく、曳き手の「そーりゃ」の声と共に五穀豊穣を祈願する。 ブレーキだんじりには、だんじりを制動するためのドラム式ブレーキが備えられている。転倒や衝突によって、死傷者や家屋の損壊等の被害が甚大であったため、警察の指導の下、深井だんじりに限らず、全てのだんじりにブレーキを装着する事が昭和中期に義務づけられた。だんじりの前部に乗るブレーキ責任者が、速度調整や緊急停止等のブレーキペダルの操作を行う。 研究対象欅材を使用して製作されるだんじりは、転倒や衝突の衝撃などに強い構造をしており、近年では住宅メーカーによって耐震構造の研究にも用いられることがある。 組織深井連合地車運営委員会南海泉北線深井駅周辺で行われるパレードや各連合町内でのパレード、地車曳行の監督、祭り提灯の点灯時期等、祭礼に関する詳細な取り決めを決定する組織。毎年八町の委員長となる年番長(ねんばんちょう)(平成23年度は深井中町西)が決められ、他に副委員長、会計などの役がある。
各種団体各町に地車委員会を始めとする、いくつかの組織によって構成される。
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