水俣駅
水俣駅(みなまたえき)は、熊本県水俣市桜井町一丁目にある肥薩おれんじ鉄道線の駅である。駅番号はOR13。かつては九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線の駅で山野線が分岐していた。 歴史年表
駅名の由来「水俣」とは「川が二股になったところ」、あるいは「川が2つに分かれたところ」という意味で、この地が水俣川と湯出川の合流地点にあることから付いた地名である。 駅構造NPO法人ななうらステーションが管理する簡易委託駅であり、島式ホーム1面2線と相対式ホーム1面1線を有し、中線(通過線)も備える。但し、現在は中線と島式ホーム外側の3番線は使用停止状態になっており、相対式ホーム2面2線のように運用されている。トイレは駅舎内にあり、男女別の水洗式。 水俣市の中心駅であり、普通列車、快速列車、観光列車「おれんじ食堂」の全列車が停車する。また2016年4月7日からのクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」乗入期間中は当駅も停車駅となった。 駅舎落成から60年が経ち老朽化が著しくなって来たため、総事業費1億1400万円を掛けて2014年11月より駅舎改装工事が行われた。事業費は全額環境省と水俣市の補助金で賄われている。工事開始に伴い、2015年1月10日に国鉄時代から使用されて来た改札口と待合室が閉鎖され、旧改札口横に仮改札口とプレハブの仮待合室が設けられた。その後、同年4月29日にリニューアルオープンした。駅舎のデザインは「おれんじ食堂」や阿久根駅駅舎のデザインを手掛けた水戸岡鋭治が担当している。駅構内にはレストラン「MINAMATAYA(水俣屋)」が入居し、水俣の伝統工芸のひとつである「イワシかご(竹籠)」を設置した待合室やキッズルーム等も設けられた[10]。オープン当日は記念式典が開催された[11][12][13]。 駅のリニューアルと同時にレストラン「旬菜カフェ水俣屋」が開店していたが2015年11月15日限りで閉店。2016年2月から「水俣屋」の店名を引継いだ別の喫茶店が入店していたが運営会社撤退で再び閉店。その後、駅利用者の要望を受けて、「おれんじ食堂」に食事を提供する湯の鶴温泉のレストランから出店の申し出があり、2020年1月8日にカレーうどん店兼チャーハン店の「MINAMATAYA(水俣屋)」として再オープンした[14][15][16]。しかし、2022年1月現在こちらも閉店している。 駅舎リニューアルに伴い防犯上の理由から夜24:00 - 翌朝5:50までは館内が閉鎖され、駅舎横の通路(工事中だった当時の仮改札口)が出入口となる。前述の理由で、早朝は券売機で乗車券を買うことができず、当該時間帯は整理券を取り乗車することになる。
のりば
貨物取扱(廃止)チッソ水俣工場専用線概要かつては駅の北西側に所在するチッソ水俣工場(水俣本部)への専用線があり[17]、原材料や製品の化学薬品の貨物輸送が行われていた。当時は駅南西側に入換機関車の車庫や小規模な入換線があり、本線からの貨物列車は側線や中線から一旦この入換線に引込んだ後、スイッチバックする形で推進運転で専用線に入り、駅前通りと国道3号の踏切、用水路を渡って工場に向かっていた。1980年代頃からチッソ自体の製造品目・生産体制見直し[18] で輸送量が減少した他、国鉄の労働争議やチッソへの抗議行動による輸送混乱等を受けて安定性や安全性の面で輸送体制の見直しも図られ、輸送手段は道路輸送などに転換し、専用線は1985年(昭和60年)頃に休止されて翌年廃止された[5][6][8]。 専用線跡は廃止後30年以上が経過しているため宅地化や駐車場化されており、工場内を含めて遺構は殆ど残っていないが、駅構内から工場に向かう曲線部がクロックス株式会社の駐車場と一般道路に転用されて面影を残している他、駅構内入換線跡や入換線と専用線分岐跡も一部は駐車場になったものの大部分が空き地のままで小さな木造の橋梁跡などの遺構が遺っており、駅南西の八ノ窪踏切前にも入換線があった事を示す車止めが遺されている。 使用車両駅と工場内との間の貨車入換用として、ニチユ製小型蓄電池機関車が使用されていた[19]。 原料搬入、製品出荷用の貨車が、水俣駅常備として配属されており、チッソ所有私有タンク車(専用種別は、濃硫酸[20]、希硝酸、酢酸及び無水酢酸[21]、酢酸エチル等)が主体だったが、他に国鉄のトラ40000形無蓋車の一部にも、小ロットのタンクコンテナ輸送専用運用として水俣駅常備とされたものが存在した[22]。チッソの私有タンク車(酢酸及び無水酢酸専用)のうち、タキ3700形については、同形式の中でも特異な構造・形態の車両が多く含まれ、貨車研究者からは注目された[21]。 運行グループ企業のチッソ石油化学五井工場(浜五井駅付近)や、設立経緯から関連の深い旭化成工業薬品工場(南延岡駅付近)[20] を始めとする化学工業メーカーとの間で、原材料や製品輸送が行われた。貨車は、上記の水俣駅常備貨車の他、チッソ石油化学の私有タンク車(浜五井駅常備)[21] も入線した。 また、上記以外の需要先への製品発送等もあり、国鉄有蓋車も使用された[19]。コンテナ貨物の取扱いもあった[17]。 駅弁かつては八代市内に本社を構えていた株式会社みずあらい水俣支店や近隣の仕出し業者森弁当が調製した幕の内弁当や御寿司などが発売されていたが、みずあらいは倒産、廃業のため1990年代後半に駅弁発売を終了している。みずあらいの廃業以降は森弁当だけが駅弁販売していたが、こちらも経営移管のため2004年3月12日の発売を以て終了した。晩年は以下の駅弁が売られていた。
利用状況
駅周辺北東側は水俣市の中心市街地で、駅周辺も市街地が広がっている。
バス路線熊本県内を営業エリアとする産交バスと、鹿児島県から乗り入れる南国交通のバスが利用できる。
隣の駅※臨時快速「おれんじ食堂」の隣の停車駅は列車記事を参照のこと。 廃止区間
脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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