毘沙門岳

毘沙門岳
北側のウイングヒルズ白鳥リゾートから望む毘沙門岳(2002年5月25日撮影)
北側のウイングヒルズ白鳥リゾートから望む毘沙門岳(2002年5月)
標高 1,385.34[注釈 1][1] m
所在地 日本の旗 日本
福井県大野市岐阜県郡上市
位置 北緯35度56分20.7998秒 東経136度47分32.4377秒 / 北緯35.939111056度 東経136.792343806度 / 35.939111056; 136.792343806座標: 北緯35度56分20.7998秒 東経136度47分32.4377秒 / 北緯35.939111056度 東経136.792343806度 / 35.939111056; 136.792343806[1]
山系 両白山地
毘沙門岳の位置(日本内)
毘沙門岳
毘沙門岳の位置
プロジェクト 山
テンプレートを表示

毘沙門岳(びしゃもんだけ)は、福井県大野市岐阜県郡上市[注釈 2][2] にまたがる両白山地標高1,385.3 m[3][4]

概要

白山信仰にちなむ山の一つで、山名もこれに由来する[2]。東山麓にある長滝白山神社は、白山の三馬場の一つで、美濃禅定道(白山への登拝道)の起点の馬場として栄えた[4]。長滝白山神社を起点として、山頂を経由する行者道、南側の鞍部を横切る下谷越え、北側の鞍部を越える桧峠越えの禅定道があった[4]。行者道の「多和ノ宿」が下谷越えの西に設けられて、毘沙門天本尊としていた[4]。約30万年前の更新世中期に形成された白山火山帯の最南端にある毘沙門岳火山の火山体の中心となる山[5]。毘沙門岳火山は単斜輝石-斜方輝石安山岩デイサイトと比較的少量の角閃石安山岩からなる[6]山域の北東山麓の郡上市白鳥町前谷にある「前谷床並社跡のトチノキ」は、1991年平成3年}11月22日に岐阜県の天然記念物の指定を受けている[7]。北東山麓の郡上市白鳥町前谷には正ヶ洞棚田がある[8]。北斜面にはスノーウェーブパーク白鳥高原があり[4]、無雪期にはスカイランド白鳥高原リゾートのゴルフ場となり、施設内には白鳥高原ホテルがある。北斜面などはスギヒノキ[9] の植林地で、山頂付近の尾根にはブナが残されていて、南の西山への尾根にはササ原が広がる[10]。山頂には二等三角点(点名「毘沙門岳」、標高1,385.34 m)が設置されている[1]ぎふ百山の一つに選定されている[11]

登山

北側の桧峠方面から尾根に沿った登山道が開設されていて、ハイキング登山対象となる山である

1996年に北側の桧峠方面から尾根に沿った登山道が開設されて[9]ハイキング登山対象となる山である[2][4][10][12]。山頂からは北側に両白山地の白山別山野伏ヶ岳大日ヶ岳などの山並み[10]ひるがの高原鷲ヶ岳能郷白山荒島岳などが見渡せる[9]

地理

福井県と岐阜県との県境の両白山地の主稜線上にある[3]。東山麓にある長良川を隔てて、飛騨高地鷲ヶ岳などが対峙する[3]。山頂の西北西0.6 kmには西峰がある[9]

周辺の山

周辺の主な山を下表に示す[3]。北側に桧峠を隔てて、大日ヶ岳が対峙し[4]、南南西1.5 kmに西山がある[3]

山容 山名 標高(m)
[注釈 3][1]
三角点等級
基準点名[1][13]
毘沙門岳からの
方角距離(km)
備考
大日ヶ岳から望む野伏ヶ岳(2015年4月28日撮影) 野伏ヶ岳 1,674.26 三等
「野伏」
北西 9.8 日本三百名山
ぎふ百山
オサンババ(山中山)から望む大日ヶ岳、東面にダイナランド(東)と高鷲スノーパーク(右)(2018年3月27日撮影) 大日ヶ岳 1,709.00 一等
「大日ヶ岳」
北北東 8.1 日本二百名山
ぎふ百山
野伏ヶ岳から望む毘沙門岳(2011年4月17日撮影) 昆沙門岳 1,385.34 二等
「昆沙門岳」
0 ぎふ百山
高賀山から望む平家岳(左)と美濃平家岳(右)、中央手前に蕪岳(2015年1月24日撮影) 平家岳 1,641.50 二等
「平家岳」
南南西 15.8 続ぎふ百山
道の駅大日岳から望む鷲ヶ岳(2009年5月14日撮影) 鷲ヶ岳 1,671.49 三等
「鷲ヶ岳」
東 16.2 日本三百名山
ぎふ百山
飛騨高地のオサンババ(山中山)から望む荒島岳(2018年3月27日撮影) 荒島岳 1,623.37 一等
「荒島山」
西 17.3 日本百名山
南側の高賀山から望む周辺の両白山地の山並み
左から、平家岳、美濃平家岳、滝波山、赤兎山野伏ヶ岳、西山、毘沙門岳別山白山大日ヶ岳猿ヶ馬場山

周辺の峠

北側の大日ヶ岳との鞍部にある桧峠、岐阜県道314号石徹白前谷線が通る

周辺の主なを以下に示す[3]

  • 桧峠 - 北側の大日ヶ岳へと延びる稜線上の鞍部、標高約950 m[14]、山頂の北北東3.0 kmに位置し、岐阜県道314号石徹白前谷線が通る。大日ヶ岳の登山口がある。

源流の河川

以下の九頭竜川長良川支流源流となる山で、それぞれ日本海太平洋側伊勢湾へ流れる[3]日本海側と太平洋側との分水嶺となる山である[3]

交通・アクセス

山域の北端に岐阜県道314号石徹白前谷線が通り、東山麓に長良川鉄道越美南線国道156号が通り、西山麓に岐阜県道・福井県道127号白山中居神社朝日線が通る[3]

山域の北東にある阿弥陀ケ滝

周辺の主な施設

山麓や周辺の主な施設を以下に示す[3]

毘沙門岳の風景

脚注

注釈

  1. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。
  2. ^ 大野市に2005年11月7日に編入される前の旧大野郡和泉村と郡上市に2004年3月1日に編入される前の郡上郡白鳥町にまたがっていた山である。
  3. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。

出典

  1. ^ a b c d e 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2018年9月12日閲覧。
  2. ^ a b c 徳久 (1992)、435頁
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 地理院地図(電子国土Web)・「毘沙門岳」”. 国土地理院. 2018年9月12日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 日本山岳会 (2005)、1198頁
  5. ^ 毘沙門岳火山”. ジオランドぎふ. 2018年9月12日閲覧。
  6. ^ 氏家ほか 1999, p. 315-328.
  7. ^ 前谷床並社跡のトチノキ”. 岐阜県. 2018年9月12日閲覧。
  8. ^ 棚田の紹介”. 岐阜県. 2018年9月12日閲覧。
  9. ^ a b c d 与呉 (2010)、246-247頁
  10. ^ a b c 吉川 (2003)、81-82頁
  11. ^ 岐阜県山岳連盟 (1987)
  12. ^ 毘沙門岳”. 郡上市. 2018年9月12日閲覧。
  13. ^ 日本の主な山岳標高(福井県の山・岐阜県の山)”. 国土地理院. 2018年9月12日閲覧。
  14. ^ 地勢”. 郡上市. 2018年9月12日閲覧。

参考文献

  • 氏家治, 田中るみ, 渡邊和徳「中部地方第四紀毘沙門岳火山のアダカイト質岩の岩石学」『岩鉱 : 岩石鉱物鉱床学会誌』第94巻第9号、日本鉱物科学会、1999年9月、315-328頁、doi:10.2465/ganko.94.315ISSN 09149783NAID 10002698612 
  • 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474 
  • 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 与呉日出夫『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社、2010年7月。ISBN 9784635180177 
  • 吉川幸一『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃〈下〉』風媒社、2003年1月。ISBN 4833100975 

関連項目

外部リンク