梅本 哲也(うめもと てつや、1953年 - )は、日本の政治学者(安全保障論)。学位は、Ph.D.(プリンストン大学・1985年)。静岡県立大学名誉教授。
財団法人日本国際問題研究所研究員、東京大学教養学部助手、静岡県立大学国際関係学部教授などを歴任した。
概要
専門は国際政治学であり、特に核兵器問題を中心とする安全保障論を研究している。東京大学や静岡県立大学にて教鞭を執った。
来歴
生い立ち
1953年(昭和28年)、岡山県にて生まれた[1]。国が設置・運営する東京大学に進学し[2]、教養学部にて学んだ[2]。1977年(昭和52年)3月、東京大学を卒業した[2]。東京大学大学院に進学し、社会学研究科の国際関係論専攻にて学んだ。東京大学の大学院における修士課程を修了し、博士課程の途中でプリンストン大学の大学院に留学する。1985年(昭和60年)10月、プリンストン大学の大学院における博士課程を修了した[2]。それに伴い、Ph.D.の学位を取得した[2]。
政治学者として
日本国際問題研究所研究員などを経て、1987年(昭和62年)4月、母校である東京大学に採用され[2]、教養学部の助手として着任する[2]。1989年(平成元年)4月、静岡県により設置・運営される静岡県立大学に採用され[2]、国際関係学部の助教授として着任した[2]。1995年(平成7年)6月、静岡県立大学の国際関係学部にて教授に昇任した[2]。なお、静岡県立大学の大学院においては、国際関係学研究科の教授を兼務した。2019年(平成31年)3月31日、静岡県立大学の教授を退任した[3]。同年、静岡県立大学より名誉教授の称号が授与された[2]。なお、静岡県立大学退職後の2020年(令和2年)2月3日になって「梅本哲也名誉教授最終講義」と銘打ったイベントが開催された[2]。
研究
2010年(平成22年)12月4日、第22回国際安全保障学会最優秀出版奨励賞を受賞した。同賞は「佐伯喜一賞」とも通称され、国際安全保障学会より授与された。2018年(平成30年)11月18日、第4回猪木正道賞を受賞した[4]。同賞は特定非営利活動法人である「日本防衛学会猪木正道賞基金」により授与された[5]。
略歴
賞歴
著書
単著
共編著
論文
雑誌論文
- 「米国の戦略論議における『戦略的安定』」『新防衛論集』17巻3号(1989年)
- 「戦略兵器削減交渉と米国の戦力態勢」『外交時報』1261号(1989年)
- 「米国の大戦略と核戦略」『外交時報』1272号(1990年)
- 「『拡大抑止』と在欧戦域核」『外交時報』1283号(1991年)
- 「『冷戦後』米国の核政策」『新防衛論集』20巻1号(1992年)
- 「冷戦と核兵器」『国際政治』100号(1992年)
- 「安全保障環境の変容と対米同盟の再定義」『国際問題』401号(1993年)
- 「『先導』『用心』『拡散防止』『拡散対抗』――米国核政策の諸動向」『国際問題』426号(1995年)
- 「核兵器全廃論の浮上とその課題」『国際政治』117号(1998年)
- 「核威嚇による化学・生物兵器の使用抑止――米国の政策と議論」『海外事情』第47巻11号(1999年)
- 「米本土ミサイル防衛の現状と展望」『国際問題』491号(2001年)
- 「大量破壊兵器の拡散と不拡散――概観」『新防衛論集』28巻4号(2001年)
- 「核不拡散体制の現状と展望――『核の取引』は維持されるか」『国際問題』529号(2004年)
- 「在外米軍の再編――米軍『変革』の文脈で」『国際安全保障』33巻3号(2005年)
- 「オバマ政権の始動と米国の外交・安全保障政策」『国際安全保障』37巻1号(2009年)
単行本所収論文
- 「防衛政策の変化と継続性」渡辺昭夫編『戦後日本の対外政策』(有斐閣, 1985年)
- 「アメリカ合衆国議会と対日講和」渡辺昭夫・宮里政玄編『サンフランシスコ講和』(東京大学出版会, 1986年)
- 「米国核戦略の変遷と『戦略的安定性』」佐藤誠三郎編『東西関係の戦略論的分析』(日本国際問題研究所, 1990年)
- 「『柔軟反応』戦略と在欧戦域核」上野明・鈴木啓介編『ボーダーレス時代の国際関係』(北樹出版, 1991年)
- 「大戦略と核政策」佐藤誠三郎編『新戦略の模索――冷戦後のアメリカ』(日本国際問題研究所, 1994年)
- 「本土ミサイル防衛の展開」森本敏編『ミサイル防衛――新しい国際安全保障の構図』(日本国際問題研究所, 2002年)
- 「大量破壊兵器, RMA, 国際秩序」藤原帰一・李鍾元・古城佳子・石田淳編『国際政治講座(4)国際秩序の変動』(東京大学出版会, 2004年)
- 「軍備管理に関する米国外交の"変調"」山本吉宣編『アジア太平洋の安全保障とアメリカ』(彩流社, 2005年)
- 「民主党の外交・安全保障政策――対外政策『革新』への『抵抗』とその限界」久保文明編『米国民主党――2008年政権奪回への課題』(日本国際問題研究所, 2005年)
- 「民主党穏健派の対外政策」久保文明偏『アメリカ外交の諸潮流――リベラルから保守まで』(日本国際問題研究所, 2007年)
- 「核抑止と日本の核政策」森本敏監修『岐路に立つ日本の安全――安全保障・危機管理政策の実際と展望』(北星堂書店, 2008年)
脚注
外部リンク