末長敬司
末長 敬司(すえなが けいし、Keishi Suenaga、1976年10月11日 - )は、日本の映画監督、脚本家、プロデューサーであり、俳優でもある。 来歴・人物曾祖父は日本統治時代に台湾で刑務官を務めた末長忠次郎。祖父は大阪府警察学校交野市移転後の初代校長・末長繁警視長。 高校卒業後、1999~2003年まで韓国・ソウル特別市、2003~2006年まで中国・遼寧省大連市で海外勤務を経験する。 また2004年には約半年間、タイを拠点にベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーと東南アジア各国を放浪している。 2007年に完全帰国し、日本郵政公社(現日本郵政)に務める傍ら、2011年にインディペンデント映画制作団体・星海電影制作公司(STARSEA FILMS PRODUCTION)を設立、制作・監督・脚本・編集を担当する。
京都造形芸術大学在学時から商業映画で活躍していた女優・大西礼芳を主演に迎えた初監督作品となる短編映画『爛れる/Becomes Sore』[1] は、2014年の第6回福岡インディペンデント映画祭2014(FIDFF2014)コンペティション部門に入選 [2]、同年11月には第10回山形国際ムービーフェスティバル2014(YMF2014)コンペティション部門で「日本テクト賞」を受賞する[1]。 2015年には新規カットと英語字幕を追加し、微細なタイミング修正など再編集を徹底した〈インターナショナル版〉を制作、本格的に海外の国際映画祭を焦点を絞って活動を始める。 4月にはアメリカ・ヴァージニア州で開催された第1回ノーザン・ヴァージニア国際映画祭(NOVA Film Fest)コンペティション部門に『爛れる/Becomes Sore』が唯一のアジア映画として正式出品され、短編部門で主演女優賞(大西礼芳)・助演男優賞(中瀬宏之)・編集賞(末長敬司)の3部門にノミネート、優秀編集賞を受賞する[2]。 5月には世界三大映画祭の一つである第68回カンヌ国際映画祭(Festival de Cannes)の短編映画フィルムマーケットに当たる「ショートフィルムコーナー」に出品され、これ以降『爛れる/Becomes Sore』は海外の国際映画祭への出品機会が急速に増え始める[3]。
2013年、京都で小劇場演劇を観劇した際に知り合った女優・吉岡里帆(当時は未だ現役大学生だった)を主演に据えたSF長編映画『星を継ぐ者/Inherit The Stars』[3] の制作がスタートする。 2013年3月19日にクランク・インした『星を継ぐ者/Inherit The Stars』だったが、助演女優の病気降板に因る再撮影や、悪天候により撮影が度々中断される等、様々なアクシデントが相次ぎ、スケジュールは当初の予定を大幅に超過、結局クランク・アップしたのは翌2014年7月23日だった。 当初185分あったラッシュ・フィルムは監督自身の手で155分までカットされ、それを撮影監督の地村俊也が145分までブラッシュアップし、これが一旦、決定尺とされた。 こうした紆余曲折を経て上映可能な状態にこぎ着けた映画『星を継ぐ者/Inherit The Stars』は、実質ワークプリントの状態で〈145分版〉として、2015年の第7回福岡インディペンデント映画祭2015(FIDFF2015)ノンコンペ部門に招待作品として出品 [4] され、8月30日に上映が行われた。 また第7回福岡インディペンデント映画祭2015(FIDFF2015)開催期間中に映画祭事務局より急遽依頼を受け、第25回アジアフォーカス・福岡国際映画祭2015のフィルムマーケット「ネオシネマップ福岡2015」にも出品 [5] されている。 この後、監督自身の手によって更に15分強が短縮された上、新たに未使用カットを追加、新規作成したCGを増強した『星を継ぐ者〈ディレクターズカット版〉/Inherit The Stars: The Director's Cut』が製作された。 末長は自身のフェイスブック上で「2016年4月以降は『星を継ぐ者〈ディレクターズカット版〉/Inherit The Stars: The Director's Cut』のみを完成版とし、ワークプリントである〈145分版〉は封印する」旨を明言している。 尚、映画『星を継ぐ者〈ディレクターズカット版〉/Inherit The Stars: The Director's Cut』は、2016年8月31日~9月4日にコソボ共和国のプリシュティナ郡フシェ・コソヴァで開催された、第9回コソボ〈Goddess on the Throne〉映画祭(Hyjnesha Në Fron)の国際長編コンペティション部門に正式出品され、新人映画賞(Debut Film Award)を受賞した。
2016年には名優・渡辺裕之を主演に迎え、小説家・脚本家・作曲家の川人千慧による脚本を基にSF短編映画『それで世界は救われなくても/Till the End of the World』を監督。 『爛れる/Becomes Sore』と同じく第69回カンヌ国際映画祭(Festival de Cannes)の短編映画フィルムマーケットである「ショートフィルムコーナー」への出品から海外展開をスタートすると、同年夏にアメリカで開催された第28回ドラゴン=コン・インディペンデント短編映画祭(DCISFF)で準グランプリに当たる〈Honorable Mention〉を受賞 [6] し、続けてカナダで開催された第7回トロント・インディペンデント映画祭(T.O. indie Film Festival)ではSF・ホラー短編部門でグランプリを受賞 [7] した。 本作で渡辺裕之の相手役に大抜擢された守谷美紗央(現・美紗央)は、2016年アメリカの第1回エンドレス・マウンテンズ映画祭(EMFF)、ルーマニアの第1回ブカレスト・ショートカット映画祭(BSCF)、翌2017年ベラルーシの第2回コム・イル・フォー国際映画祭(CIFIFF)と三度のノミネートを経て、遂に三度目で主演女優賞を受賞している。 2016年には日本在住のイラン人タレント・女優のサヘル・ローズを主役に招き、再び川人千慧の脚本によるサイコ・スリラー短編映画『冷たい床/Cold Feet』を監督。 この作品では音楽にポーランド人のクラシック&映画音楽作曲家スワベック・コバレフスキを起用するなど、スタッフ&キャストの国際化傾向が顕著に現れ始めている。 2017年9月には石原貴洋監督作品で知られる美人女優の片倉わきと、多数のビデオシネマ出演で知られる個性派俳優の松田一三を起用したハードボイルド短編映画『AIM POINT』(短縮版のタイトルは『AIM』)を自身の脚本で監督。 本作は作曲家の坂本龍一が8年ぶりに発表した新作アルバム『async』発売記念として行われた〈坂本龍一 | async 短編映画コンペティション〉に応募するべく制作された為、アルバム『async』より「disintegration」「ff」の2曲が映画音楽として使用されており、その映画本編はVimeoで2018年6月1日まで視聴する事が出来た。 尚、完全版に当たる『AIM POINT』の音楽は、前作『冷たい床/Cold Feet』に引き続きスワベック・コバレフスキが担当している。 逸話
監督作品一覧長編映画『星を継ぐ者/Inherit The Stars』〈145分版〉(2015年) 『星を継ぐ者〈ディレクターズカット版〉/Inherit The Stars: The Director's Cut』(2016年) 『The Stars My Destination/星を継ぐ者』(2018年) 短編映画『それで世界は救われなくても/Till the End of the World』(2016年) 監督作品長編映画『星を継ぐ者/Inherit The Stars』〈145分版〉(2015年)
『星を継ぐ者〈ディレクターズカット版〉/Inherit T he Stars: The Director's Cut』(2016年)
『The Stars My Destination/星を継ぐ者』(2018年)
短編映画
『それで世界は救われなくても/Till the End of the World』(2016年)
コソボ映画『Bread Salt and Heart』(2020年/短編ドキュメンタリー映画)
出演作品長編映画『SLUM-POLIS』(2013年)*チャイニーズ・マフィア役 『時空脱獄NINJA ジライヤ 完全版』(2014年)*半グレ・横山役 『星を継ぐ者/Inherit The Stars』(2015年)*小野寺英二中尉役 短編映画『恋のビクトリーロード』(2016年)*営業課長役 『CYBER DIVE』(2016年)*列車の乗客役 脚注
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