Async
『async』(アシンク[3]、エイシンク[4][5][6])は2017年3月29日にcommmonsから発売された坂本龍一のオリジナル・アルバム。 解説前々作『アウト・オブ・ノイズ』以来、オリジナル・アルバムとしては8年ぶり。 本作は坂本龍一のドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』に描かれているように「非同期な音楽を作る」目標の下に制作。アルバムタイトルも「非同期」を意味する「asynchronization」の略称から採用している[7]。 2010年代を掛けて普及してきたハイレゾ再生環境に対応するために、これまで使用してきた数多くのデジタル機材を撤廃し、アナログ機材を中心としたシンプルな制作環境で制作されている。元は「架空の映画のサウンドトラック」というコンセプトがあり[8]、一度は作り上げるも、2014年に坂本が中咽頭癌に罹患。治療と療養を経て回復すると、すべて作り直された[7]。 2016年12月29日、坂本の公式サイトに「Ryuichi Sakamoto: SN/M比 50%」のメッセージを掲載[9]。翌年2月17日、本作の特設サイトを開設し、そこで「あまりに好きすぎて、誰にも聴かせたくない」という坂本の意向と、それにともなう事前の音源公開を一切行わない旨を表明。さらに坂本の足跡を辿る「予習」と、各界著名人によるニューアルバムの「予想」を公開した[10]。 本作発売直後の2017年3月31日、J-WAVEの自身の番組「RADIO SAKAMOTO」の特番として「J-WAVE SPECIAL RADIO SAKAMOTO EXTRA 〜坂本龍一ニューアルバム『async』緊急生試聴会〜」を放送。ラジオにてアルバムの全容を公開した[11]。 4月4日 - 5月28日、ワタリウム美術館にて「Ryuichi Sakamoto|async 設置音楽展」を開催。本作の5.1チャンネルサラウンドミックス版を、高谷史郎の映像とともに鑑賞するフロアや、アピチャートポン・ウィーラセータクンによる短編映像などで構成された[12]。また、美術館の1階では来訪者が付箋にてコメントを寄せられ、その抜粋である「解読」と、一部コメントに対する坂本の「返信」が、本作特設サイトに掲載された。 4月25・26日、ニューヨーク・パークアベニュー・アーモリーにて、本作収録曲を演奏するライヴを開催。後にその模様を編集した映画『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK : async』が、翌2018年1月27日より公開された[13]。 イギリスの『FACT』誌がThe 50 best albums of 2017の1位に本作品を選んだ[14]。 収録曲全作曲:坂本龍一 CD
アナログ盤12インチ重量盤2枚組。CD未収録のボーナス・トラック「water state 2」を収録。当初はCDと同時発売予定だったが、制作進行の都合により5月17日発売となった。
脚注出典
外部リンク |