時刻表2万キロ『時刻表2万キロ』(じこくひょう2まんキロ)は、紀行作家宮脇俊三の著した鉄道紀行文である。宮脇の作家デビュー作。1978年河出書房新社より刊行。同年の日本ノンフィクション賞受賞。
概要中央公論社の役員で鉄道ファンであった筆者が、週末という限られた時間の中時刻表を駆使して、それまでに乗り残していた日本全国の日本国有鉄道(国鉄)の路線(主に盲腸線)約100線区(約2,000キロメートル)に乗車し、三年をかけて当時の国鉄全路線完全乗車(完乗)へ挑んだ過程を綴った紀行文である。タイトルの「2万キロ」は当時の国鉄の旅客営業キロが20,992.9キロメートルであったことによる。 これによって「鉄道に乗る」こと自体を目的に旅をするということが趣味として認知されることになり、後に国鉄で「いい旅チャレンジ20,000km」キャンペーンを実施するまでになった。本作品は主として1975年から1977年の乗車記録であり、当時の鉄道路線、運行される列車、駅などの状況を示す記録となっている。登場する盲腸線の半数以上は、その後1980年代より進められた特定地方交通線の取り組みなどにより、国鉄末期・JR初期に廃止されている。 文庫版は河出文庫版[1]と角川文庫版[2]があり、後者の表紙は当初は古川タクのイラストであったが[3]、のちにその他の角川文庫版の宮脇の著書と同様に宮脇が写った写真を使った新装版が発売されている[2]。 本書出版にあたり、出版社役員が同業他社から著作を出すことの矛盾と、編集者として長年書き手に厳しく接してきたことのけじめとして、宮脇は中央公論社を退職した。 構成
書誌情報
脚注関連項目外部リンク
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