『悪魔と魔法使い』(原題:Demons and Wizards)は、イギリスのバンド、ユーライア・ヒープが1972年に発表した4作目のスタジオ・アルバム。
背景
1971年11月、新ドラマーとしてリー・カースレイク(元ゴッズ)が加入[7]。また、元コロシアムのマーク・クラークが短期間ツアー・ベーシストを務めた後、本作収録曲「魔法使い」のソングライティング、ベース、一部のボーカル・パートに貢献したが[8]、クラークは短期間のみの参加となり、ニュージーランド出身のベーシスト、ゲイリー・セインが後任として加入した[7]。ケン・ヘンズレーは本作のスリーヴ・ノートにおいて、カースレイクとセインの加入により「ユーライア・ヒープが完成した」とコメントしている[7]。
ジャケットの絵は、イエス等との共同作業で知られる画家ロジャー・ディーンの作品で、ディーンはユーライア・ヒープの次作『魔の饗宴』(1972年)でも引き続き起用された[9]。
反響・評価
全英アルバムチャートでは11週トップ100入りし、最高20位を記録した[4]。アメリカのBillboard 200では自身最高の23位に達して、バンド初の全米トップ40アルバムとなり[5]、1972年10月にはRIAAによってゴールドディスクの認定を受けた[6]。また、本作からのシングル「安息の日々」はBillboard Hot 100で39位を記録し、バンド唯一の全米トップ40シングルとなった[10]。
日本初回盤LP (YS-2737)は1972年8月10日に発売され、23週オリコンLPチャート入りして最高28位を記録した[1]。
Donald A. Guariscoはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「ユーライア・ヒープが、ゴシック調ヘヴィメタルの巨匠としての名声を確立したアルバム」「1970年のヘヴィメタルに興味のある方なら、絶対にかけてみる価値がある」と評している[11]。
収録曲
特記なき楽曲はケン・ヘンズレー作。
- 魔法使い - "The Wizard" (Ken Hensley, Mark Clarke) - 3:00
- 時間を旅する人 - "Traveller in Time" (David Byron, Lee Kerslake, Mick Box) - 3:25
- 安息の日々 - "Easy Livin'" - 2:37
- 詩人の裁き - "Poet's Justice" (K. Hensley, M. Box, L. Kerslake) - 4:15
- 連帯 - "Circle of Hands" - 6:25
- 虹の悪魔 - "Rainbow Demon" - 4:25
- オール・マイ・ライフ - "All My Life" - 2:44
- 楽園 - "Paradise" - 5:10
- 呪文 - "The Spell" - 7:31
1996年リマスターCDボーナス・トラック
- "Why (Single Version)" (D. Byron, K. Hensley, M. Box, Paul Newton)
- "Why (Extended Version)" (D. Byron, K. Hensley, M. Box, P. Newton)
- "Home Again to You"
2003年リマスターCDボーナス・トラック
- ホワイ(未発表エクステンデッド・'72ヴァージョン) - "Why (Extended Version)" (D. Byron, K. Hensley, M. Box, P. Newton) - 10:34
- 虹の悪魔(未発表シングル・エディット) - "Rainbow Demon (Single Edit)" - 3:36
- 誇り高き言霊(デモ/アウト・テイク) - "Proud Words on a Dusty Shelf" - 2:51
- ホーム・アゲイン・トゥ・ユー(未発表ヴァージョン) - "Home Again to You" - 5:36
- グリーン・アイ(未発表デモ・ヴァージョン) - "Green Eye (Demo)" - 3:46
カヴァー
参加ミュージシャン
脚注・出典
|
---|
バーニー・ショウ | ミック・ボックス | フィル・ランゾン | デイヴィー・リマー | ラッセル・ギルブルック デヴィッド・バイロン | ポール・ニュートン | ケン・ヘンズレー | ナイジェル・オルソン | キース・ベイカー | イアン・クラーク | マーク・クラーク | リー・カースレイク | ゲイリー・セイン | ジョン・ウェットン | トレヴァー・ボルダー | ジョン・ロートン | ジョン・スローマン | クリス・スレイド | グレッグ・デシャート | ボブ・デイズリー | ピート・ゴールビー | ジョン・シンクレア | ステフ・フォンテイン |
スタジオ・アルバム | |
---|
ライヴ・アルバム | |
---|
オフィシャル・ブートレグ |
Official Bootleg Series Vol. 1: Live at Sweden Rock Festival 2009 | Official Bootleg Series Vol. 2: Live in Budapest, Hungary 2010 | ライヴ・イン・カワサキ 2010 | Official Bootleg Series Vol. 4: Live in Brisbane, Australia 2011 | Official Bootleg Series Vol. 5: Live in Athens, Greece 2011 | Official Bootleg Series Vol. 6: Live at the Rock of Ages Festival 2008
|
---|
コンピレーション・アルバム | |
---|
関連項目 | |
---|