川徳
株式会社川徳(かわとく、英称:Kawatoku Co.,Ltd.)は、岩手県盛岡市に本社を置く百貨店である[2]。日本百貨店協会加盟。 1866年(慶応2年)創業[2]、創業150年を誇る老舗。盛岡市菜園の本店「パルクアベニューカワトク」は盛岡市街地唯一の日本百貨店協会加盟店である。また、2023年(令和5年)に北上市のさくら野百貨店北上店が他社へ事業譲渡されて同店が日本百貨店協会非加盟となったため[4]、同年以降は県内唯一の日本百貨店協会加盟店となっている[5]。 概要![]() パルクアベニューカワトク付近にて 本店「パルクアベニューカワトク」は売場面積25,673平方メートル、2005年時点での売上高は236億7300万円で全国85位[6]。 毎年11月に開催するセール「えびす講」は三陸地方など県内各地から客が殺到することで知られる。盛岡市内の道路整備が遅れていた時代には、来店客を乗せたバスや自家用車による「えびす講渋滞」が盛岡の晩秋の風物詩だった[7]。 本店に隣接して別館「Cube-II」、盛岡市緑が丘には食品スーパーを核店舗とする複合店舗「アネックスカワトク」を運営。百貨店事業の他、クレジットカード事業、旅行会社「カワトクトラベル」、チケット販売、レストラン等を経営する「グルトンカワトク」、セレクトショップ「葡萄屋」、県産品・クラフトセンター「かわとく壱番館」など多様な事業を展開している。 商品仕入れは伊勢丹系列の全日本デパートメントストアーズ開発機構に加盟している。2005年にはイーバンク銀行(現・楽天銀行)と提携、最近ではハウスカードである「パルクカード」からセゾンカードと提携し(提携先のクレディセゾンの前身は、かつて盛岡にも店舗があった緑屋である)「カワトクカード」に一新するなど、新しい試みも行われている。 かつてはアネックスカワトクと本店を結ぶカワトク会員専用の無料送迎バス「カワトクスーパーシャトル」がハイデッカータイプの専用塗装車で運行されていたが、2020年6月30日をもって廃止された[8]。車種は日野・セレガハイブリッドで(日によって一般車で運行の場合あり)、岩手県北自動車盛岡営業所に運行を委託していた。 →無料送迎バスについては「岩手県北自動車 § カワトクスーパーシャトル」を参照
お中元やお歳暮の「KAWATOKU」の包装紙は盛岡市内はもとより岩手県内でも強固なブランドでありイメージは高いものの、近年は地盤である北東北地方の景気回復の遅れ、またお膝元である盛岡市郊外へのイオンモール盛岡(2003年8月)やイオンモール盛岡南(2006年9月)の出店もあり業績は伸び悩んでいる。県内各地にあったサテライトショップ「プラザカワトク」(宮古市、水沢市、大船渡市、久慈市、一関市)も徐々に閉鎖し2005年に全廃した。百貨店業態は本店のみで多店舗展開はしなかったため大きな打撃こそ受けてはいないが、旗艦店である本店の売上高回復が喫緊の課題となっている。 東日本大震災後、沿岸部へ外商窓口を兼ねた小型店舗で出店を再開。2012年に宮古市、2017年に大船渡市、前後して2015年には初の県外店舗として青森県八戸市にも進出している。 しかし、新型コロナウィルス禍において売上が減少し、メインバンクの岩手銀行を中心とした地元銀行と再建に向けた協議を進めていたが、2022年12月29日、川徳に対する債権を保有する地元銀行団(岩手銀行、北日本銀行、東北銀行)が、既存の川徳の現法人とは別の新しい法人(受け皿法人)を2023年春頃新設した上で、東京の中小企業支援ファンドであるルネッサンスキャピタルに川徳の債権を売却する方針であり、事実上再生ファンド主導の元で再建される[9][10]。これにより川徳の現法人は株式会社KWへ商号変更の上で清算され[11]、新法人の下で川徳の名称や店舗内で営業しているテナントや店舗、会員制の積み立てサービス「川徳友の会」、従業員の雇用等は引き続き維持すると表明した。新法人では引き続き現社長が経営の指揮を執り、外部の人材を登用して売り場をリニューアルする[12]。 沿革
店舗パルクアベニュー・カワトク
パルクアベニュー・カワトクは、株式会社川徳が運営する百貨店で、本店にあたる。 前述の通り、元々肴町(中ノ橋通)にあった川徳を移転させる形で開業した。
→「フロアガイド」を参照
別館「Cube-II」パルクアベニュー・カワトクに隣接している商業施設。かつてはかわとく壱番館(かわとくいちばんかん)という県産品販売を行う店舗が出店していたが閉店し、現在はカフェなどが営業。 アネックスカワトク
アネックスカワトクは、株式会社川徳が運営するショッピングセンター。1989年に百貨店と、当時展開していたスーパーマーケット「川徳ストア」の運営ノウハウを生かし、盛岡市郊外に開店。百貨店と総合スーパー(GMS)の中間的な店舗。テナント棟・オフィスビルの「アスティ緑が丘」を併設している(運営主体は別)。 ユニクロが岩手県初出店テナントとして出店していた時期がある。同店がイオン盛岡南に移転後はやや精彩を欠いているが、川徳本店とたびたび連携セールを展開するなどの施策を打ち出すほか、当初より友の会会員向けに本店とのシャトルバスを運行するなど、近隣住民にとっては「ミニ川徳」として定着している。
家電量販店のヤマダデンキ(元々はベスト電器の岩手1号店)や、東北地方唯一でアネックスカワトクの開店当初より同じ場所で営業しているシェーキーズなどがある。 →詳細は「フロアガイド」を参照参照
その他営業中の店舗
過去に存在した店舗
主な関連会社
脚注
関連項目外部リンク |