岩波駅(いわなみえき)は、静岡県裾野市岩波にある、東海旅客鉄道(JR東海)御殿場線の駅である。駅番号はCB13。
概要
裾野市の深良地区にある駅。地区の北部に位置し、裾野市と御殿場市の境界線が駅の500mほど北を通っている。かつては深良村内唯一の鉄道駅であった。
御殿場線がまだ東海道本線の一部であった1911年(明治44年)5月に開設された岩浪信号所が、岩波駅の前身である。岩波信号場に変更された後、第二次世界大戦中の1944年(昭和19年)12月に旅客営業を行う岩波駅となった。1987年(昭和62年)4月に実施された国鉄分割民営化により、運営事業者は日本国有鉄道(国鉄)からJR東海に移っている。
歴史
駅構造
単式ホーム2面2線を持つ地上駅。下り列車は東側のホーム(1番線)を使用し、上り列車は西側のホーム(2番線)を使用する。駅構内の北側に保線車両留置用の側線がある。
2019年5月26日をもって駅舎が地上に移設され、新設する上り線ホーム(2番線)、多機能トイレが新たに使えるようになり、2020年11月29日にはエレベーターを新設し供用を開始した。また、上り線ホーム新設後は従来のホーム上り線側に転落防止柵が新設される[7][8]。
駅舎移設前は島式ホーム1面2線で、1989年に建設されたガラス張りの橋上駅舎を使用していた[3]。駅事務所や改札口は2階にあり[3]、1階のホームや構内西側にある出入口に階段が下りる構造であった。駅舎内にはJR全線きっぷうりばとICカード対応のタッチパネル式の自動券売機が設置されていた。駅舎機能が地上に移った後も、旧駅舎の跨線橋部分については下り線ホームへの通路として使用されている。
駅開業時はスイッチバック駅[注釈 1]で、本線から分岐する行止りの引き上げ線に接して単式ホーム1面が設置されていた。1968年(昭和43年)の電化に伴い、ホームは本線上の勾配区間に移転し、スイッチバックは解消された。この時のホームは移転前と同じく単式ホームであったが、分割民営化後にホームの一部を削り2番線が新設され、島式ホームとなった。駅の沼津寄りには、引き上げ線の痕跡である築堤が、草木に埋もれながらも残っている。
当駅は業務委託駅であり[4]、東海交通事業の係員が駅業務を行っているが、夜間は係員が配置されない無人駅となっている[4]。また、管理駅である裾野駅が当駅を管理している[4]。
のりば
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改札口(2022年6月)
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1番線ホーム(2022年6月)
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2番線ホーム(2022年6月)
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エレベーター外観(2022年6月)
貨物取扱
国鉄時代の1969年(昭和44年)から1982年(昭和57年)まで、当駅でも貨物営業を行っていた。
1966年(昭和41年)10月から本格的に開始された[10]鉄道(車運車)による自動車輸送の一つ基地として、1968年(昭和43年)10月に沼津駅に自動車輸送基地が新設された[11]。1969年7月には、当駅に接続するトヨタ自動車の専用線が建設され、沼津駅の基地は廃止された[11]。
トヨタ自動車の専用線は、岩波駅の北1kmほどの場所で御殿場線から分岐し、カーブを描きトヨタ自動車の敷地へ入っていた。途中には、川を渡る橋や東名高速道路の高架下を潜る場所があり、線路の終点はトヨタ自動車東日本(旧関東自動車工業)東富士工場の裏側(駅反対側)辺りにあった。1970年の「専用線一覧表」によれば、専用線の作業キロは0.9km、総延長は2.2kmで、構内作業は国鉄の機関車によって行われていた[12]。このトヨタ自動車専用線は、1982年11月に廃止されている[10]。
利用状況
「静岡県統計年鑑」によると、2021年度(令和3年度)の1日平均乗車人員は1,457人である[静岡県 1]。
1993年度(平成5年度)以降の推移は以下のとおりである。
乗車人員推移
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年度
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1日平均 乗車人員
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出典
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1993年(平成05年)
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1,679
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[静岡県 2]
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1994年(平成06年)
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1,641
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[静岡県 3]
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1995年(平成07年)
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1,595
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[静岡県 4]
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1996年(平成08年)
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1,621
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[静岡県 5]
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1997年(平成09年)
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1,517
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[静岡県 6]
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1998年(平成10年)
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1,484
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[静岡県 7]
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1999年(平成11年)
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1,401
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[静岡県 8]
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2000年(平成12年)
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1,404
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[静岡県 9]
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2001年(平成13年)
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1,448
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[静岡県 10]
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2002年(平成14年)
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1,425
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[静岡県 11]
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2003年(平成15年)
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1,441
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[静岡県 12]
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2004年(平成16年)
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1,429
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[静岡県 13]
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2005年(平成17年)
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1,473
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[静岡県 14]
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2006年(平成18年)
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1,721
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[静岡県 15]
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2007年(平成19年)
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1,939
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[静岡県 16]
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2008年(平成20年)
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2,117
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[静岡県 17]
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2009年(平成21年)
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2,223
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[静岡県 18]
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2010年(平成22年)
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2,156
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[静岡県 19]
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2011年(平成23年)
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2,010
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[静岡県 20]
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2012年(平成24年)
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1,973
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[静岡県 21]
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2013年(平成25年)
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2,032
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[静岡県 22]
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2014年(平成26年)
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1,998
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[静岡県 23]
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2015年(平成27年)
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2,123
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[静岡県 24]
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2016年(平成28年)
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2,163
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[静岡県 25]
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2017年(平成29年)
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2,134
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[静岡県 26]
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2018年(平成30年)
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2,121
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[静岡県 27]
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2019年(令和元年)
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2,095
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[静岡県 28]
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2020年(令和02年)
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1,575
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[静岡県 1]
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2021年(令和03年)
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1,457
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駅周辺
バス路線
富士急モビリティ、裾野市自主運行バスが発着する。停留所名は岩波富士見橋。
- 富士急モビリティ
- 裾野市自主運行バス(運行事業者:富士急シティバス) ※平日(水・金、祝日・お盆休み・年末年始を除く)のみ運行
- 裾野市内循環線青葉台・岩波ルート:裾野駅
- 東西線(2024年4月1日~同年9月30日の間実証運行):裾野駅
隣の駅
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- 御殿場線
- 富士岡駅 (CB12) - 岩波駅 (CB13) - 裾野駅 (CB14)
脚注
記事本文
注釈
- ^ 「1000分の25」という急勾配(当時の駅設置基準は「1000分の10」)だったため、スイッチバック方式のホーム(駅)が設けられた(※「岩波駅 - 御殿場線利活用推進協議会」の解説より引用)。
- ^ a b 駅掲示用時刻表の案内表記。これらはJR東海公式サイトの各駅の時刻表で参照可能(2015年1月時点)。
出典
利用状況
- 静岡県統計年鑑
関連項目
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