宮城工業高等専門学校
宮城工業高等専門学校(みやぎこうぎょうこうとうせんもんがっこう、英語: Miyagi National College of Technology, MNCT)は、かつて宮城県名取市にあった国立高等専門学校。 略称は宮城高専、名取高専。 概要1963年(昭和38年)、宮城県名取市愛島塩手字野田山 に開校。 2009年(平成21年)10月1日に仙台電波工業高等専門学校と合併し、仙台高等専門学校名取キャンパスとなった。本科5学科、専攻科2専攻を擁していた。 1994年の情報デザイン棟竣工にはじまり、1990年代末頃より順次、専攻科棟、事務棟、低学年棟、高学年棟などの新築と、機械・材料, 電気・建築の各専門棟の改修を行なった。また2002年、東北地区の大学および全国の高専専攻科に先駆けてJABEE認定を受けた。
設置学科準学士課程(本科)定員は1学年各40名であるが、近年の入学試験では42名程度の合格者を出すことがある。 男女比は学科によって著しく異なり、その年にもよるが機械工学科や電気工学科には女性が在籍していないか1~2人程度である。それに対して建築学科はおよそ1/3、材料工学科は1/4程度、情報デザイン学科は約1/2が女性である。総じて、学校全体では、工業系の学校としては比較的女性の割合いが高い。 なお、1年次及び2年次は混合学級となっており、3年次以上では学科毎のクラス編成となっている。 また学科と学年は学科の略称+学年で表記されており、 たとえば「M4」は機械工学科4年を表している。 機械工学科英語名称 Department of Mechanical Engineeringから、M科と略称される。 機械力学、材料力学、熱力学、流体力学といった基礎から設計製図、工作実習といった実技まで幅広く学ぶことができる。 電気工学科英語名称Department of Electronical Engineeringから、E科と略称される。 基礎電気、回路、電磁気といった基礎から制御、通信、電子材料まで幅広く学ぶことができる。 一人あたりの求人数は5学科の中で最も多く、また企業からの評価も高い。 建築学科英語名称Department of Architectureから、A科と略称される。 東北にひとつだけの学科であり、入試倍率が高く人気のある学科。環境工学などの理論から設計製図などの実習まで、高い専門性を持った学科である。 材料工学科英語名称Department of Materials Science and Engineering。略称はSubstanceからS科。これはMでは機械工学とかぶるためである。そのためZairyoのZが採用されかけた(ちなみに旧金属工学科ではKinzokuのKであった)が、S科に落ち着くこととなった。 材料工学の基礎を理解する必要性から、機械工学基礎(材料力学、工作実習、機械製図)及び電気工学基礎(基礎電気、回路)を学び、その上で材料工学(金属、半導体)を学ぶ形となっており、様々な分野を幅広く学ぶことができる。 前身が金属工学科であることもあって特に金属材料に強かったが、応用物理や化学工学等の様々なバックグラウンドを持つ教員が揃い、金属のみではない「材料工学科」としての態勢が整いつつある。 情報デザイン学科英語名称Department of Design and Computer Applicationsから、D科と略称される。 情報処理や画像処理、メディア情報処理やプロダクトデザイン、人間工学や認知心理まで、幅広い分野の学問を扱う。分野が多岐にわたる。 情報デザイン学という分野は国立の学校機関では全国初であり、非常に珍しい学科である。 専攻科課程(専攻科)高専専攻科は高専準学士課程修了後にさらに深く専門知識を学び、研究を指導することを目的に設置されている課程である。 教育期間は2年で大学卒業と同一の修業年限であるが、高専は学位を授与する権限を持たないため、修了のみでは学士の学位は授与されない。 宮城高専専攻科は、大学評価・学位授与機構の認定専攻科であり、修了生は専攻科における学修成果を機構に提出・申請し審査を受けることで学士の学位が授与される。 また、宮城高専準学士課程及び専攻科はJABEEの認定を受けているため、修了生は修習技術者の国家資格を得ることができる。 生産システム工学専攻主に機械工学科・電気工学科・材料工学科の卒業生を対象とし、各学問のより高度な学習・研究はもちろん、横断的な内容も取扱う。 建築・情報デザイン学専攻主に建築学科および情報デザイン学科の卒業生を対象としている。 沿革
施設
学生生活学校行事など
入学や進学・就職入学については出身地などの制限は存在せず、宮城県の公立高校で実施されている学区制による制限を受けない。 選抜方法は推薦と学力試験の二種類である。合格者は宮城県内の公立高校の学力試験日に面接に参加することが求められ、参加しない場合は合格が取り消される。 近年の入学時偏差値レベルは、宮城県の高校入試模試等によると、宮城県内では比較的高い位置にある。 また、工業高校や普通科高校からの4年次編入学も可能である。 卒業後の進路については年々進学率が上がっており、2000年以降は準学士課程(本科)卒業生の約5~6割が進学、国立大学の割合いが高い。なお, 進学先については、高専(工業高専)であるが多様化しており、各学科から同系学科だけではなく、異学部・学科、あるいはいわゆる文系学部・学科への進学者もいる。 一方、就職希望者の内定率は、近年でも非常に高い。 制服1998年まで学生生活のしおりなどに標準服の記述があったが、当時から私服での通学が認められており死文化していたことから、1999年以降記述が削除されている。 通学宮城高専の所在地は、JR東日本名取駅(西口)から徒歩で約20分の野田山(のだやま)丘陵(愛島丘陵の一部)の上にある。交通アクセスはJR名取駅からバスに乗り換えることによって到達できるが、JR線とバスの接続が悪いためアクセスは良いとはいえない。そのため、JR名取駅からは、多くの学生は自転車、もしくは徒歩で通学している。 著名な出身者
対外関係他大学との協定脚注
関連項目外部リンク
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