国鉄チサ1600形貨車
国鉄チサ1600形貨車(こくてつチサ1600がたかしゃ)は、1946年(昭和21年)からトキ900形を種車として改造製作された、日本国有鉄道の20 t 積貨車(長物車)である。 本項では、同じくトキ900形から改造製作された10 t 積の長物車であるチ500形についても記述する。 チサ1600形駐留軍が自動車を大量に日本へ持ち込んだことを受け、自動車を輸送するために長物車が必要となり[1]、当時、戦後の輸送体系の変化で余剰となっていた戦時設計車トキ900形から改造製作された車両である。 1946年(昭和21年)4月から1948年(昭和23年)にかけて400両が大宮・大井・松任・吹田・幡生・名古屋・鷹取・高砂の各工場で改造製作された。番号は以下のとおりである。
改造に際しては妻板とあおり戸を撤去し、床板は9本の荷摺木を持つ新製したものに交換し、側面には8本の柵柱を新設した。なお、台枠・走行装置・ブレーキといった下回りは種車からそのまま流用している。このためチサ1600形は種車同様三軸貨車であった。長物車にて本形式の他に三軸貨車の形式には、チ500形(361両)、チム1形(6両)、チサ100形(500両)、チサ800形(25両)、チサ1000形(300両)、チサ1300形(25両)の6形式があった。 1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正(ヨンサントオ)において同時点での在籍車16両は北海道内の限定運用車に指定され、車体側面に黄1号の帯と「道外禁止」の標記が追加され、チサ100形と混用された。 改造から数年で廃車となる車両も現れ、1971年(昭和46年)度末時点では3両にまで減少したが、1983年(昭和58年)に形式消滅した[2]。 譲渡1961年(昭和36年)5月29日、3両(チサ1724、チサ1605、チサ1722)が北海道拓殖鉄道に譲渡され、チサ1形(チサ1 - チサ3)となった。 チ500形チ500形は、チサ1600形と同じくトキ900形を改造した10 t 積みの長物車である。こちらは遊車運用を主目的として製作された車両で、1952年(昭和27年)4月から1956年(昭和31年)11月にかけて国鉄各工場で361両が製作された。番号は以下のとおりである。
なお、チ851 - チ865は欠番である。 改造に際しては妻板とあおり戸を撤去し、下回りはそのまま流用した。遊車運用が主目的であるため、荷摺木や柵柱はなく、床面はフラットである。 1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正(ヨンサントオ)において同時点での在籍車49両は構内専用車及び北海道内の限定運用車に指定され、車体側面に黄1号の帯が追加され、北海道内の限定運用車については「道外禁止」の標記も追加された。 末期は事業用車として使用される車両もあり、1987年(昭和62年)に形式消滅した。 脚注参考文献
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