反復関数系(はんぷくかんすうけい、英: Iterated function system、IFS)はフラクタルの一種であり、一般に2次元のフラクタルの描画や計算に用いられる。IFSフラクタルは自身のいくつかのコピーの和集合から成り、各コピーは関数によって変形されている(そのため「関数系」と呼ばれる)。典型例としてはシェルピンスキーのギャスケットがある。その関数は一般に収縮写像であり、点の集合がより近くなり、形がより小さくなる。従ってIFSフラクタルは、自身の縮小コピーを(場合によっては重ね合わせて)まとめたものであり、各部を詳細に見れば、その部分もそれ自身の縮小コピーから構成されていて、これが永遠に続く。このため、フラクタルとしての自己相似性が生じる。
最初の座標変換が茎の描画となる。2番目の座標変換は左下の葉、3番目は右下の葉の描画に相当する。4番目の座標変換は3番目までで描画される部分を縮小して若干傾けてコピーしたものであり、反復的な適用によってシダ全体が描画される。IFSの再帰的性質により、全体がそれぞれの葉を拡大したコピーになっている。なお、ここでは、座標の範囲を -5 <= x <= 5 と 0 <= y <= 10 としている。
歴史
IFS を現在の形式で考案したのは John Hutchinson である(1981年)。Michael Barnsley の著書 Fractals Everywhere で一般に知られるようになった(1988年)。彼らは、1957年に Georges de Rham が考案した自己相似な曲線である de Rham 曲線の考え方を一般化したのだった。さらにそれ以前にカントール集合の考え方が1884年に登場していた。