入船亭扇辰
入船亭 扇辰(いりふねてい せんたつ、1964年2月13日 - )は、落語協会会員の落語家。出囃子は『から傘』。本名∶川越 辰朗。 来歴新潟県長岡市出身で、長岡市立阪之上小学校、長岡市立東中学校、新潟県立長岡高等学校をそれぞれ卒業し、國學院大學文学部漢文学科[注 1]を中退した。國學院大學落語研究会出身[1]。 1989年に九代目入船亭扇橋に入門し、扇たつの名を与えられる。 1993年5月に柳家喬太郎、林家彦いちと共に二ツ目に昇進して扇辰と改名した。1998年ににっかん飛切り落語会努力賞、1999年ににっかん飛切り落語会努力賞、2001年ににっかん飛切り落語会奨励賞をそれぞれ受賞。 2002年に古今亭菊生、林家彦いち、三遊亭金八、鈴々舎鈴之助と共に真打に昇進。2007年に国立演芸場花形演芸大賞銀賞、2008年に国立演芸場花形演芸大賞金賞をそれぞれ受賞。 2023年、3月アメリカ・イェール大学での高座を行う[2]。 芸歴人物軽い滑稽噺から人情噺の大ネタまで持ちネタは幅広い。『三井の大黒』『ねずみ』『心眼』『麻のれん』といった扇橋十八番を見事に受け継ぎ、最近では儒学者荻生徂徠を題材に取った人情噺『徂徠豆腐』で新境地を切り開いた[3]。『匙かげん(人情匙加減)』など講談から落語に輸入したネタも得意とする。 柔らかで落ち着いた雰囲気と端正な口調、そして繊細な演技力。殊更に現代的なギャグを入れ込んだりすることの無い扇辰の高座には、実年齢以上の風格が漂う[3]。しばしば「落語は何の役にも立たない」と枕で語るが、終わってみると心に残るような清々しい落語を披露する。 柳家喬太郎とは同学年・同期にあたり、毎年2人会が行われるのが恒例となっている。ここに林家彦いちが加わっての3人会になることもある[4]。 作詞家で詩人の覚和歌子は妻である。競馬とスポーツの出版社・流星社代表の川越敬志は兄[5]。 三代目橘家文蔵、五代目柳家小せんとユニット「三K辰文舎(さんけーしんぶんしゃ)」を組んで2021年現在も活動している。落語会や協会イベントなどでも音楽演奏を披露してキーボード・ギターを担当する。「三K辰文舎」は、産経新聞社から読みを借用した。三人とも本名の名字がKで始まり、扇辰、橘家文左衛門(現文蔵)、鈴々舎わか馬(現小せん)の1字ずつを取った。 長岡市の酒造メーカー、長陵・高橋酒造の前社長である高橋康臣は、早くから地元出身の扇辰を目にかけており、真打昇格直後から酒造での独演会を企画していた。その会がきっかけで仕事が増えた扇辰は、今でも高橋氏に深く感謝しているという[6]。 演目古典廓噺政談地噺左甚五郎もの新作主な定期落語会
出演インターネット
弟子真打二ツ目前座
廃業
脚注注釈出典
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