株式会社住田交運(すみたこううん)は岩手県気仙郡住田町に本社を置く運送会社である。バス事業とトラック事業をおこなう。
住田町から住田町コミュニティバスの運行やスクールバス運行の業務委託を受けている[2]。かつては住田交運としてJRバス廃止路線の廃止代替バスの運行もおこなっていた。
概要
創業以来、長く合資会社であったが、2019年(令和元年)10月1日に株式会社化[3]。
所有車両数は2012年(平成24年)8月現在、乗合バス3台・貸切バス2台[4]。
営業所
現行のバス路線
八日町遠野駅線
運行業務を住田交運が受託している。住田町上有住八日町から遠野市のJR釜石線遠野駅までを結ぶ路線である。2004年3月末までは遠野本線(JRバス東北)の一部であり、遠野本線廃止後の2004年4月から2010年3月末までは遠野住田線(住田交運)と呼称されるバス路線であった。現在は住田町コミュニティバスの八日町遠野駅線となっている。なお、廃止代替バス路線として遠野市が住田町コミュニティバスに対して、路線維持のための負担金を拠出している[7]。
運行経路
住田町コミュニティバス#八日町遠野駅線 を参照。
沿革
川口上有住駅線
運行業務を住田交運が受託している。住田町世田米からJR釜石線上有住駅までを結ぶ路線である。もとは遠野本線(JRバス東北)の一部であり、2004年3月末の遠野本線廃止以後は、岩手県交通が陸前高田市のJR大船渡線陸前高田駅から住田町世田米字川口を経由して同町上有住字八日町までの区間を陸前高田住田線として運行していた路線であった。しかし、同線の世田米字川口から八日町までの区間が2010年3月末に廃止となったため、同区間を住田交運の運行する八日町上有住線と統合し、住田町コミュニティバスの川口上有住駅線として代替運行することとなった。
運行経路
住田町コミュニティバス#川口上有住駅線 を参照。
沿革
- 1947年(昭和22年)2月18日:国鉄バス「遠野線(遠野本線)」(陸前高田 - 世田米 - 遠野)開業[注 1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄の分割民営化にともない東日本旅客鉄道東北自動車事業部に移管。
- 1988年(昭和63年)4月1日:JRバス東北に移管。
- 2004年(平成16年)3月31日:JRバス東北が「遠野本線」を廃止[8][9]。翌4月1日より岩手県交通が高田駅 - 川口 - 岩手八日町(住田町上有住字八日町)区間を「陸前高田住田線」として代替運行を開始[注 2]。なお、遠野本線のうち岩手八日町から遠野駅までの区間は住田交運が代替運行(遠野住田線)。
- 2010年(平成22年)3月31日:岩手県交通が陸前高田住田線の終点を川口(住田町世田米字川口)までに短縮し、川口 - 八日町区間の運行を廃止[17][18]。翌4月1日より住田町が同区間を含む町営コミュニティバスの実証運行を開始、川口から八日町を経て上有住駅に至るルートを「川口上有住駅線」として設定[12]。住田交運が町から運転業務の委託を受けることとなった[14]。
- 2019年(平成31年)4月 - 住田町役場前(世田米字川向)に停留所が新設され、起点が世田米字川口から延伸。
- 2023年(令和5年) - 岩手県交通が陸前高田住田線の全区間を2023年9月末で廃止予定と告知[19]。
過去に運行していたバス路線
八日町上有住線
| この節の 加筆が望まれています。 主に: 大洞線が遠野線の一部として開業した年月日と遠野本線から独立した年月日。同線廃止日の出典。 上有住支所前バス停の設置時期。 (2023年7月) |
もとは国鉄バスの大洞線()であり[注 3]、住田町役場上有住支所前[注 4]から八日町を経てJR釜石線上有住駅までを繋いでいた。
運行経路
上有住支所前 - 岩手八日町 - 小松 - 金の倉 - 中埣() - 大祝() - 上有住
沿革
- 1950年(昭和25年)10月18日:国鉄バス遠野線(遠野本線)の一系統として、岩手八日町 - 上有住(上有住駅)区間約12 kmが開業[注 1]。のちに遠野本線から分離して、上有住支所前 - 八日町 - 上有住を結ぶ「大洞線」となった[注 5]。
- 1980年(昭和55年)3月15日:大洞線岩手八日町 - 上有住区間の貨物輸送(一般路線貨物自動車運送事業)の廃止を公示[注 6]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄の分割民営化にともない東日本旅客鉄道東北自動車事業部に移管。
- 1988年(昭和63年)4月1日:JRバス東北に移管。
- 1991年(平成3年)10月8日:JRバス東北が「大洞線」を廃止[要出典]。住田交運が「八日町上有住線」として代替運行を開始[31][32]。
- 2010年(平成22年)4月1日:住田町コミュニティバスの実証運行開始に伴い、廃止。当路線は同コミュニティバスの「川口上有住駅線」に統合して代替することとなった[12][13]。
脚注
注釈
- ^ a b c 国鉄バス路線「遠野線」(遠野本線、遠野北線、大洞線)の淵源は1922年(大正11年)4月に公布された鉄道敷設法(改正鉄道敷設法)の鉄道敷設法別表第9号にあり、当初は鉄道路線として計画されていた。当項目が旧遠野線の開業日について、遠野本線を1947年(昭和22年)2月18日開業、大洞線を1950年(昭和25年)10月18日開業とするのは、『国鉄自動車二十年史』(日本国有鉄道自動車局、1951年発行)を典拠とするウェブサイト「不毛企画 乗り物館」の記載に拠る[33][28]。また、国鉄バス・JRバスを扱った加藤佳一『つばめマークのバスが行く』も同じく「1940年代の新規開業路線」表に遠野本線(遠野 - 陸前高田)を1947年2月開業、備考欄に「遠野自動車区開設」と記し、「1950年代の新規開業路線」表に大洞線(岩手八日町 - 上有住)を1950年10月開業と載せ「遠野線の支線」と註している[34]。なお、日本国有鉄道旅客局 企画編集『日本国有鉄道停車場一覧 (※昭和60年6月1日現在)』(日本交通公社出版事業局、1985年9月発行)[26]は、遠野線の項に遠野本線(51.3 km、コード番号2046230)および大洞線(12.4 km、コード番号2046160)の2路線を記し、世田米駅(停留所)と岩手八日町駅(停留所)を掲載するが、営業開始年月日をいずれも「昭和22年〔1947年〕12月10日」としている(pp. 317-318)。同書凡例には営業開始年月日欄は「駅又は臨時乗車場(仮停車場)として『公示(告示)』され、開業した日を表示」したとあるが、不詳。なお、両停留所とも「旅客・荷物営業又は旅客営業又は荷物営業」の駅として掲載されている。同書は国鉄バスの「駅員配置全駅(季節を限っての駅員配置駅も含む)」を掲載している(凡例参照)。
- ^ 岩手県交通が2004年4月1日に陸前高田住田線として代替運行を開始した際に[11]、路線の起点は陸前高田駅の先の岩手県立高田病院停留所に変更された[10]。この延伸は好評を受けた。2023年3月現在は、さらに「イオンスーパーセンター陸前高田」停留所まで延伸されている[16]。
- ^ 路線名となっている「大洞(だいどう)」はJR上有住駅周辺の地名。かつては駅の東側に大洞鉱山(日鉄鉱業株式会社大洞鉱業所)があったが[20]、1989年(平成元年)3月に閉山した[21]。現在は滝観洞インターチェンジが住田町上有住字大洞地内にある。
- ^
バス停留所の起点となっている「上有住支所(かみありすししょ)」は住田町役場の上有住支所を指す。現在の上有住地区公民館停留所。1975年(昭和50年)には上有住地区公民館兼住田町役場上有住支所として建て替えられ[22]、2007年(平成19年)に支所機能は廃止された[23][24]。そののち現在は2021年(令和3年)3月に完成した新しい上有住地区公民館となっている[25]。
- ^
1985年(昭和60年)9月発行の『日本国有鉄道停車場一覧 (※昭和60年6月1日現在)』(日本交通公社出版事業局)は、項目「遠野線」に遠野本線と大洞線の2路線を記載している(遠野北線は掲載されていない)[26]。なお、1970年(昭和45年)発行の『貨物営業キロ程表 (※1970年9月1日現行)』(日本国有鉄道貨物局)に、貨物路線として「大洞線 0.4 km / [上有住支所前] - 岩手八日町 0.4 km」と大洞線の名称が見えるという[27]。また、1985年(昭和60年)12月および1989年(平成元年)1月のバス時刻表には、大洞線の路線として“陸前高田 - 上有住”、“世田米 - 上有住”、“八日町 - 上有住”の3系統が見えるという[28]。また、1990年(平成2年)8月に録音されたというJRバス東北時代の大洞線上有住駅発車時の案内放送音声がYouYubeにアップロードされている[29]。なお、国鉄バス・JRバスにおける「上有住」停留所は、釜石線上有住駅を指す(鉄道駅名称に「駅」を付さない)。
- ^ 日本国有鉄道公示にもとづき分割民営化へ向かう国鉄バスの変遷を追うウェブサイト「JNR BUS 国鉄自動車資料」の1980年項に貨物廃止の記載がある[30]。なお、廃止の10年前にあたる1970年(昭和45年)発行の『貨物営業キロ程表』(日本国有鉄道貨物局)には、上有住支所前から岩手八日町までの0.4 km区間のみが貨物路線として記載されているという[27]。
出典
参考文献
関連項目
外部リンク