京都大障害(きょうとだいしょうがい)とは京都競馬場で1953年から1998年まで行われた障害の重賞競走である。
概要
関西で戦後初めての障害重賞として1953年に創設され大障害コースのとび上り、とび下り台(バンケット)が名物となっていた。非常に出走頭数が少ない競走であり、約半数の競走が6頭以下で行われた。
1959年から1983年までは毎日放送より賞杯が贈られており、「毎日放送賞」の冠がついていた。
1993年以前は3コーナーと正面スタンド前にそれぞれ大障害コースがあり3コーナーに大土塁(11号障害)、大竹柵(12号障害)[1]、正面スタンド前に大生垣(8号障害)、大水濠(9号障害)、とび上り、とび下り台(10号障害)の5つの大障害があったが1994年の第83回競走からは正面スタンド前の大障害コースが廃止されたことに伴い、大障害コースの障害数が5→2に削減され同時に距離が3270mから3930mに延長された。3コーナーに大土塁(8号障害)、とび上り、とび下り台(9号障害)が置かれ大竹柵、大生垣、大水濠は廃止された。それぞれの障害の規模は大土塁高さ1.5m幅2.8m、大竹柵高さ1.4m幅1.6m、大生垣高さ1.6m幅2.7m、大水濠幅3.85m[2]とび上り、とび下り台高さ0.8m、幅15m。
1999年からは障害競走のグレード制導入に伴い分断されて春は京都ジャンプステークス(2009年より秋に移行)、秋は京都ハイジャンプ(2009年より春に移行)の名称で行われ現在に至る。
歴史
- 1953年春 - 京都競馬場において、距離3100mの障害重賞として創設。
- 1959年秋 - 出走馬8頭のうち、1頭が生垣障害でつまずき騎手が落馬。その後2周目第3コーナーで転倒したカムイダケの影響を受け4頭が転倒。うちハマリユウは騎手戸山為夫が再騎乗したため、計5頭が競走中止した[3]。
- 1972年春 - 本競走としては最少頭数となる3頭立てで行われる。
- 1980年秋 - 出走申込馬が5頭に満たず(4頭)、当時の規定により競走取りやめ[4]。
- 1994年春 - 京都競馬場改修工事により、中京競馬場で開催。中京障害ステークス(春)の名称で施行。
歴代優勝馬
京都大障害(春)
京都大障害(秋)
回数 |
年月日 |
優勝馬 |
性齢 |
タイム |
優勝騎手 |
管理調教師 |
馬主
|
第2回 |
1953年10月18日 |
ハクオー |
牡4 |
3:37 0/5 |
斉藤義美 |
松元正雄 |
浅沼安治
|
第4回 |
1954年10月10日 |
ヨシミノリ |
牡4 |
3:35 4/5 |
坪重兵衛 |
武平三 |
花新発収
|
第6回 |
1955年10月2日 |
ダイニカツフジ |
牡5 |
3:33 1/5 |
近藤武夫 |
伊藤勝吉 |
伊藤由五郎
|
第8回 |
1956年10月28日 |
ダイニカツフジ |
牡6 |
3:38 0/5 |
近藤武夫 |
伊藤勝吉 |
伊藤由五郎
|
第10回 |
1957年9月29日 |
ブゼンリユウ |
牝6 |
3:43 0/5 |
北橋修二 |
上田武司 |
上田清次郎
|
第12回 |
1958年11月23日 |
ユーシユン |
牡4 |
3:30 2/5 |
服部正利 |
松田由太郎 |
桶谷辰造
|
第14回 |
1959年11月23日 |
ハルナサン |
牡3 |
3:31.6 |
瀬戸口勉 |
上田武司 |
上田清次郎
|
第16回 |
1960年11月23日 |
シルバオー |
牡4 |
3:38.6 |
瀬戸口勉 |
上田武司 |
上田清次郎
|
第18回 |
1961年11月23日 |
リユウゲツ |
牝4 |
3:32.7 |
中西武信 |
橋本正晴 |
三好諦三
|
第20回 |
1962年11月23日 |
ヤマジヨシイ |
牡3 |
3:43.2 |
池江泰郎 |
藤本冨良 |
土井宏二
|
第22回 |
1963年11月23日 |
タカライジン |
牡4 |
3:46.1 |
長池辰三 |
上村大治郎 |
高須銀次郎
|
第24回 |
1964年11月22日 |
タカライジン |
牡5 |
3:47.0 |
佐山優 |
久保田彦之 |
高須銀次郎
|
第25回 |
1965年11月21日 |
ダイシンフジ |
牡4 |
3:45.5 |
中西武信 |
富田六郎 |
高橋金次
|
第27回 |
1966年11月6日 |
ミホノマツ |
牡5 |
3:47.4 |
三原昭 |
坪重兵衛 |
久保俊顕
|
第29回 |
1967年11月5日 |
アランバード |
牝4 |
3:42.3 |
松田博資 |
上田武司 |
上田清次郎
|
第31回 |
1968年11月3日 |
ジュンブライド |
牝4 |
3:41.0 |
藤岡範士 |
清水茂次 |
江賦晨
|
第33回 |
1969年11月2日 |
ハードオンワード |
牡4 |
3:40.4 |
武田博 |
武田文吾 |
(株)オンワード牧場
|
第35回 |
1970年11月1日 |
メリーダンサー |
牝6 |
3:42.5 |
法理弘 |
鈴木勝太郎 |
保手浜弘規
|
第37回 |
1971年11月3日 |
インターヒカリ |
牡5 |
3:41.4 |
須貝四郎 |
工藤嘉見 |
松岡正雄
|
第39回 |
1972年11月3日 |
ムーテイイチ |
牝4 |
3:47.0 |
松田博資 |
上田武司 |
上田清次郎
|
第41回 |
1973年11月3日 |
ブゼンサカエ |
牡4 |
3:44.3 |
西谷達男 |
上田武司 |
上田清次郎
|
第43回 |
1974年11月3日 |
グランドマーチス |
牡5 |
3:43.7 |
寺井千万基 |
伊藤修司 |
大久保興産(株)
|
第45回 |
1975年11月1日 |
グランドマーチス |
牡6 |
3:46.5 |
寺井千万基 |
伊藤修司 |
大久保興産(株)
|
第47回 |
1976年11月6日 |
フロリダホープ |
牡6 |
3:38.4 |
今岡正 |
佐藤勇 |
尾崎幸夫
|
第49回 |
1977年11月5日 |
ファンドリナイロ |
牡5 |
3:40.8 |
広松孝司 |
須貝彦三 |
水戸富雄
|
第51回 |
1978年10月14日 |
フラストメア |
牝3 |
3:42.4 |
小島貞博 |
戸山為夫 |
上羽将彦
|
第53回 |
1979年10月13日 |
テキサスワイポン |
牡5 |
4:04.1 |
平田秀也 |
二分久男 |
渡辺孝男
|
第55回 |
1980年11月1日 |
レース不成立
|
第57回 |
1981年10月11日 |
ロックペトロス |
牡4 |
3:42.7 |
溝橋秀吉 |
内藤繁春 |
小西義男
|
第59回 |
1982年10月17日 |
グレートエコー |
牡4 |
3:43.4 |
小島貞博 |
戸山為夫 |
高田久成
|
第61回 |
1983年10月16日 |
フリートマウント |
牡5 |
3:48.2 |
藤原哲朗 |
梅内慶蔵 |
兼村喜市
|
第63回 |
1984年10月27日 |
ライバコウハク |
牡5 |
3:41.4 |
原田聖二 |
松元正雄 |
坂本盛正
|
第65回 |
1985年10月26日 |
カルストンイーデン |
牡4 |
3:40.2 |
池添兼雄 |
野元昭 |
清水貞光
|
第67回 |
1986年11月23日 |
ダイタクカピタン |
牡8 |
3:41.9 |
酒井浩 |
荻野光男 |
中村雅一
|
第69回 |
1987年11月29日 |
カルストンファスト |
牡4 |
3:40.1 |
林満明 |
松田博資 |
清水貞光
|
第71回 |
1988年11月27日 |
ヤマニンアピール |
騸5 |
3:42.0 |
岡冨俊一 |
中村均 |
土井宏二
|
第73回 |
1989年11月26日 |
サイコーホーク |
牡4 |
3:39.0 |
嘉堂信雄 |
松田由太郎 |
(株)中村
|
第75回 |
1990年11月24日 |
クリバロン |
牡5 |
3:40.4 |
池添兼雄 |
橋口弘次郎 |
栗林英雄
|
第77回 |
1991年11月23日 |
エーコークロス |
牡5 |
3:42.1 |
古小路重男 |
安田伊佐夫 |
池内賢市
|
第79回 |
1992年11月28日 |
ロングアポロン |
騸5 |
3:39.5 |
北村卓士 |
坂田正行 |
中井商事(株)
|
第81回 |
1993年11月27日 |
スガハラテンジン |
牡8 |
3:40.2 |
熊沢重文 |
内藤繁春 |
柳父靖朗
|
第83回 |
1994年11月12日 |
タイヤン |
牡6 |
4:25.4 |
押田年郎 |
吉岡八郎 |
(有)名鯛興業
|
第85回 |
1995年11月11日 |
グレートリーフ |
牡6 |
4:25.8 |
古小路重男 |
古川平 |
(有)社台レースホース
|
第87回 |
1996年11月9日 |
ザスクープ |
騸5 |
4:26.4 |
林満明 |
白井寿昭 |
前田晋二
|
第89回 |
1997年11月15日 |
アワパラゴン |
牡6 |
4:26.4 |
林満明 |
松元茂樹 |
工藤寛昭
|
第91回 |
1998年11月21日 |
イチバンリュウ |
牡4 |
4:30.7 |
金折知則 |
柴田光陽 |
華山龍一
|
- 施行競馬場:第53、54、82回 中京競馬場
- 競走名:第53、54、82回「中京障害ステークス」
- 距離(「芝」は最後の直線のコース形態):第1~18回 芝3100m、第19~36回 芝3300m、第37~50回 芝3260m、第51、52、56~81回 芝3270m、第53、54、82回 芝3600m、第83回~ 芝3930m
- タイム:第1~13回 1/5秒表示、第14回~ 1/10秒表示
(臨時レース:阪神大障害)
年月日 |
優勝馬 |
性齢 |
タイム |
優勝騎手 |
管理調教師 |
馬主
|
1965年5月16日 |
クロユリ |
牝6 |
4:25.4 |
松田博資 |
上田武司 |
上田清次郎
|
- 施行競馬場:阪神競馬場
- 距離:直線・芝3870m
- 京都大障害の回数にカウントされていない。
脚注
- ^ 1978年以前は大竹柵は設置されていなかった。
- ^ 通常の水濠は幅3.8m。通常の水濠よりも大きい生垣を設置。
- ^ 転倒したカムイダケは翌年春の競走で優勝した。
- ^ 1982年秋は同じく4頭立てだったが競走は施行された。
出典
各回競走結果の出典
- 「京都大障害」『中央競馬全重賞競走成績集 【障害・廃止競走編】』日本中央競馬会、2006年、p761-864頁。