中川友紀子
中川 友紀子(なかがわ ゆきこ、1971年〈昭和46年〉[1] - )は、日本の経営者、研究者、サイエンスコミュニケーター。ロボットの開発・販売・研修を手掛ける株式会社アールティの創業者、代表取締役。2015年にはアメリカのROBOHUBによって「ロボット業界で知るべき世界の女性25人」に選出された[3][4]。学生時代にはマイクロマウス、に取り組み、黎明期のロボカップにも出場。その後、これら競技の実行委員を務めるとともに、ロボLDK実行委員長[7][8]、日本知能情報ファジィ学会副会長(第14期)[2]、ニューテクノロジー財団常務理事[9]、同業務執行理事[10][11]、マイクロマウス実行副委員長[12]などを歴任。一般社団法人ROSCon jpも設立し[13][14]、2022年現在理事を務める[11]。 来歴・人物生い立ち・学生時代1971年東京都生まれ[1]。幼少期は『サイボーグ009』などSF作品を好んだ[15]。法政大学工学部電気工学科に進学し、計測制御を専攻。学部1年次からサークルでマイクロマウスに取り組み[2][16]、学部3年次の研究室配属以降はUNIXに親しんだ[17]。1993年3月に同学科を卒業し、大学院工学研究科システム工学専攻へ進学。研究室では画像処理に取り組み[18]、日本ファジィ学会の学生部会でも活動した[2]。1995年3月に修士課程を修了する[2][18]。 研究者時代修士課程を修了した1995年の4月、中川は東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻の助手に着任[2][19]。廣田薫のもとでファジィ論理の研究に従事し[20]、1996年には日本ファジィ学会[注釈 1]奨励賞を受賞した[2][19][注釈 2]。 1998年10月、北野宏明が代表を務める科学技術振興機構ERATO北野共生システムプロジェクトの研究員に転職[18][21]。ヒューマノイド認知のグループに属し[22]、画像処理などの研究に従事[23]。視覚や音声認識を研究するためのロボット「SIG」の開発に携わる[21]。このとき開発した音源を同定・分離する手法は、特許登録されている[注釈 3]。 なお、北野が創設に携わったロボカップの小型機リーグにも出場し[24][25][26]、中川の所属チームは1998-1999年にJapan Openで2連覇している[27]。また、ソニーがAIBOを発売した際には、中川も購入している[28]。 ロボット業界時代2001年、中川は日本科学未来館の展示企画グループサブリーダーに就任[18][11]。ASIMOの常設展示に携わり、ROBO-ONEの第1回大会を同館で開催すべく尽力した[16]。2003年には北野共生プロジェクトに所属していた山崎文敬が起業した株式会社イクシスリサーチに移り、取締役を務めた[29][21]。同時に法政大学や電気通信大学のロボット研究者と、小型人型ロボットを教育に導入する試みを行っている[30][31]。 2005年9月にはロボットの開発・販売・研修を行う株式会社アールティを起業し、代表取締役に就任[32][18][21]。2005年から開催された「ロボLDK」[33][34]では、実行委員長も務めた[7][8]。2014年にはロボカップ@ホームの普及活動にも取り組んだ[35]。この間、マイクロマウス[12]やロボカップ[36][37]の実行委員も務めている。 2008年にマイクロマウス競技でハーフサイズが登場した際には、それに対応したロボット「Pi:Co」をアールティで開発・販売した[38]。また2009年からはアルデバランロボティクスの日本総代理店となり、NAOの販売を開始[39]。二足歩行ロボットの自社開発としては、着ぐるみ用ロボット「RIC90」で知られる[39]。同製品の制御にはV-Sido OSを取り入れ、アスラテックとも様々な連携をしている[40][17]。2016年にはニューテクノロジー財団の業務執行理事に就任[11][10]。 中川はソフトウェア技術者にも使いやすいロボットを思考[17][4]。上田隆一とRaspberry Piを搭載したマイクロマウス[41][42]や、唐揚げを操作するマニピュレータ[43]で連携した[44]。Robot Operating Systemを研修に取り入れ[45][46]、Googleの機械学習ライブラリ「TensorFlow」による「ディープラーニング」の講習も企画した[47]。2018年には「ROSCon」[注釈 4]の日本ローカル版「ROSCon jp」を立ち上げ[14][13]、理事に就任[11]。アールティからはRTミドルウェアやROSに対応した教育用の商品が多く販売されている[48]。 2018年には細田耕と共同開発した研究開発用ロボットアーム「CRANE-X7」も発売した[49][50][注釈 5]。さらに、アールティは億単位の資金調達を達成し、食品産業への適用を目指した協働ロボット「Foodly」(フードリー)を発表[53][54][55]。2021年には野菜を認識してフードスライサーに投入する「NEKONOTE Vegepicker」システムに発展[56]。同年には鈴茂器工と共同でのりまきを製造可能な「Foodly スズモコラボモデル」も開発している[57]。また、研究者向けの二足歩行ヒューマノイド「Bonobo」(ボノボ)を開発し[58][59]、ロボティズ日本支店とは等身大ヒューマノイド「Gorilla」(ゴリラ)を共同開発している[60]。 社会的活動(団体)
(ロボット競技) (その他)
主な受賞歴
(株式会社アールティとしての受賞)
主な著作著書
解説
インタビュー
TV出演
脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク
(関連動画)
|